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読売【イラン・サウジが域内緊張緩和へ協力、米圧力けん制で】
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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070304it14.htm
イラン・サウジが域内緊張緩和へ協力、米圧力けん制で
【カイロ=柳沢亨之】イランのアフマディネジャド大統領は3日、サウジアラビアを初めて公式訪問し、首都リヤドでアブドラ同国王と会談、宗派対立の拡大防止など域内情勢の緊張緩和に向け、協力を強化することで合意した。
それぞれイスラム教スンニ、シーア両派の盟主を自任するサウジ、イラン両国は、域内で対立を深めてきたが、米国の対イラン軍事圧力強化に対する反対姿勢では思惑が一致した形だ。
国営サウジ通信によると、両指導者は「スンニ、シーア両派間抗争拡大の試みはイスラム世界最大の脅威」との点で一致。イラク、パレスチナ、レバノンの情勢安定化のため協力を進める方針を確認した。
国王は3日、国家元首ではない「格下」の大統領を空港まで出迎えるなど、イランに対し異例の配慮を見せた。背景には、現状以上の両国関係悪化は得策ではないとの判断がある。
域内ではイラク戦争後、イランの影響力拡大が著しい。イラクでは親イランのシーア派が支配を確立し、パレスチナでもイランが本来は親サウジのハマスに接近。レバノンでは親イランのヒズボラが反政府デモで親サウジのシニオラ政権を機能不全に追い込んでいる。
シーア派人口を国内に15%抱えるサウジにとって、イランの覇権拡大は自国の治安に直結する重大問題で、各国でスンニ派支援を試みてきた。しかし、イランの厚い壁にはね返されてきたのが現状で、一定の融和姿勢を打ち出す必要が出てきた。
サウジには、イランの核問題を巡る米国の強硬姿勢をけん制する狙いもある。米国は今年に入り、湾岸へ空母戦闘群を派遣し、軍事攻撃の可能性を排除しないとの主張を繰り返す。対イラン攻撃はアラブ大衆の反米感情を強め、サウジなど親米政権の基盤を揺るがす危険性がある。
一方、アフマディネジャド大統領にとって今回の会談は、核開発を巡る国際圧力をかわす思惑がある。濃縮ウランの大量生産路線を突き進むイランが、国連の追加制裁を受けるのは必至の情勢だ。さらに、国際社会との対決をあおる大統領の政治手法に対し、批判を強める国内各派の懸念を鎮め、自らの権力基盤を立て直す狙いもあった。
それだけに、今回の会談が両国関係改善と域内情勢の改善にただちに結びつくと見る向きは少ない。事実、サウジ側は今回、イスラエル国家の「地図からの削除」発言で知られる大統領が、パレスチナ占領地返還と引き換えにイスラエル国家を承認するサウジ和平案支持を表明したと発表したが、イランはこれに触れておらず、「同床異夢」の両国関係を浮き彫りにした。
(2007年3月4日22時22分読売新聞)
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