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2007年1月23日、宇野正美氏の東京講演会に参加した。そこで拝聴した内容の中で、近く、恐らく来月あたりに、イスラエルが失われた10氏族を捜し求めて、日本でDNA鑑定を実施するという。狙いは、現イスラエル大使のコーエン氏が、著作の「大使が書いた日本人とユダヤ人 」(中経出版)で指摘しているように、古代ユダヤが日本に流入している調査であるという。
その結果、ユダヤ人とDNAが一致した日本人を集めてイスラエルに連れて帰るという。目下、イスラエルは、人口が増大するアラブ諸国に比べて、人口が減少しているから、その穴埋めでもあるという。しかし、宇野氏は、遠くない将来にイスラエルで最終核戦争が展開されるから、絶対に行ってはならないとも言い切った。むしろ、大混乱が終了した後に行くべきであると言っていた。
しかし、イスラエル移住の要請を拒絶すべき問題はそんなことにあるのではない。最初からDNA鑑定などを絶対に実施させるべきではないと言うことだ。最近のマイクロ技術では、身体の一部にマイクロチップを埋めてしまえば、簡単に身体のあらゆる情報が鑑定出来るようだ。そんなことを実施した影響を真剣に考えてみることが大切だろう。
確かに日本へは、現在の白色系のアシュケナジー改宗ユダヤではなく、古代ローマ帝国により滅ぼされた黄色系のスファラディー古代ユダヤが流入していることは明らかだ。即ち、紀元前745年、紀元前500年、紀元後500年(秦氏)と三派に渡って流入してきているが、漢字と仏教の浸透で、古代ユダヤの痕跡を抹消してきた経緯が伺える。因みに、コーエン氏はスファラディーユダヤ人である。
さりとて、今更、2千数百年も前のことを調査して一体何になると言うのだ。現在の日本人は周辺から流入してきた多民族国家であるのは明らかだ。それを、全ての日本人に対して、DNA鑑定を施して、誰々は朝鮮系、誰々は中国系、誰々はユダヤ系などを詮索して一体何になると言うのか。我々は、多民族国家であるが、あくまでも日本民族であるのが現実である。
同じ複合多民族国家でもある米国でもそうだ。英国、フランス、ドイツ、ポーランド、アフリカなどと世界中から移住して建国されてきたが、今更、ルーツを明確にしたところで、米国人が英国人、フランス人、ドイツ人、ポーランド人、アフリカ人になるものでもなく、何処までも米国人であるのが事実であろう。
ユダヤ・イスラエルによる日本民族のDNA鑑定は、単なる真実を究明する学究的な関心や興味を超えて、これは日本民族を分断し混乱を煽る謀略以外の何物でもない。そんなことをすれば、コソボ紛争のように、多民族同士が相争う内乱化であろう。精々が、日本は複合多民族国家であると言う根本認識を新たにすることで充分であり、それ以上のルーツ探しなど不要であり、むしろ有害でさえある。
日本にとって大切なことは、複合多民族社会であることを再認識することであるのは当然だが、むしろ日本に流入してきた者同士は、運命共同体の日本人として一致団結して生きていく気概、日本民族の心を一つにする覚悟が必須であろう。運命を共にする気概、心を一つにする覚悟は、何もルーツ探しではない。むしろ、DNA鑑定に伴うルーツ探しは、運命を共にすることに逆行するもので、日本民族を分断し、運命共同体の結束を崩壊させるものでしかない。