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特報
2007.01.22
米軍グアンタナモ基地『不当拘束3年』映画化
対テロ戦争真実を見て
テロリストと疑われて約三年半もの間、囚われの身となったパキスタン系英国人ローヘル・アフマドさん(25)たちが、米軍の不当な身柄拘束や虐待の実態を伝えようと、世界各地を旅し、人々と対話している。十一日からの三日間は東京を訪れ、記者会見やパネルディスカッションに参加した。彼らが経験した「対テロ戦争の真実」とは―。
来日したのはアフマドさんと友人のシャフィク・レスルさん(29)。彼らの証言に基づくイギリス映画「グアンタナモ、僕達が見た真実」は間もなく日本でも封切られ、東京での会見には、内外の報道関係者ら多数が詰めかけた。以下、「僕達が−」のストーリーに沿って、アフマドさんらの発言をご紹介する。
■【映画から】
英国バーミンガムにほど近いティプトンに暮らすアフマドさんとレスルさんは友人の結婚式に出るため、二〇〇一年十月、パキスタンを訪れるが、ひょんなことから話が盛り上がり「自分たちの目でアフガニスタンの現状を見てみよう」と、友人グループ四人でアフガニスタンに旅する。
しかし、時は米・英軍のアフガン空爆の開始直後。地上戦も始まる。パキスタンから徒歩で難なく越せたアフガン国境も閉鎖され、袋のねずみとなったアフマドさんらはタリバン拠点に迷い込む。十一月、タリバンと対立する北部同盟に捕まり、十二月末、米軍に引き渡された。
翌〇二年一月末、キューバのグアンタナモ米軍基地に移送され、〇五年三月まで収容され続けた。
映画はグアンタナモ基地での取り調べの過酷さ、杜撰(ずさん)さを詳細に描く。「おまえたちは9・11テロの主犯グループだろ」−途方もない容疑に彼らが驚くのも顧みず、係官は写真を示して言う。「これは(ウサマ・)ビンラディンの演説の写真だ」。演説を聞く群衆のうち三人を指し「これと、これと、これがおまえたちだ」。否定しても、係官は何度も何度も「私には、この写真が君に見える」と追い込む。
顔の特徴をデータ化し、何千、何万という人々の中から同一人物を容易に検索する技術が実用化されたことは有名だが、ピンぼけ写真を根拠に「おまえが主犯」と決めつける実態が「僕達が−」で白日の下にさらされた。
■アフマドさんの述懐
肉体的にも精神的にも虐待を受けた。無理な体勢で縛り付けられ、何時間も放置された。その間、兵士に殴られ、犬をけしかけられた。「性的暴行もあるぞ」と脅された。
アフガニスタンに行った理由は、自分の目で実情を確かめ、人道支援のボランティアをしたかったからだ。
しかし「9・11と無関係だ」と言っても耳を貸さず「イエスと言え」の一点張り。やってもいないことを言わせよう、アルカイダだと認めさせようとされた。「他の収容者が何を話しているか教えろ」とスパイ行為も要求された。
■レスルさんの述懐
毎日、兵士から殴られた。チェーンにつながれたまま、スクワットの姿勢を十八時間も取らされた。尋問中、両手にチェーンをかけられた状態で脅され、殴られた。「おまえたちはアルカイダかタリバンだろ」「テロリストなんだろ」。何度も同じことを聞かれ、否定すると「おまえの言っていることはウソだ」と、繰り返された。弁護士もつけられず「おまえの家族を捕まえることもできるぞ」と脅された。自殺しようとする収容者もいた。檻(おり)の前まで来て「米国政府がしていることを謝罪します。でも、上官に反対したら自分が檻に入れられてしまう」と話しかけてくる兵士もいたが、大半は上官に洗脳されており、私たちを9・11の犯人と思いこんで憎んでいた。
■【映画から】
大音響が鳴り響く密室で、手錠を床につないでしゃがみこまされ、五、六時間も放置される。大便も小便も垂れ流すしかない。
取調室に呼ばれ「おまえはアルカイダだな」「ビンラディンと会っただろ」と迫られる。拷問に耐え切れず「(アルカイダの)兵士だな」と聞かれて「イエス」と叫び返してしまう者も。英国領事から来る手紙も「態度が非協力的だ」として見せてもらえない。
「テロ組織に関与したという書類にサインしろ」。断ると「永久にここから出られんぞ」と脅迫。カメラは、収容所看板の「HONOR BOUND TO DEFEND FREEDOM(名誉にかけて自由を守れ)」の文字を皮肉っぽく大写しにした。
■アフマドさんの発言
なぜ捕まり、収容されたのか、何の説明もなかった。今、ラムズフェルド(前米国防長官)や米軍司令官を相手に訴訟を起こしている。米国は結局、テロリストと同じことをやっている。英国でも、米国をまねて、裁判を受けさせずに四年間も拘束する例が出ている。明日にも日本政府が日本人を捕らえて無期限に拘束するかもしれないということに気付いてほしい。
■レスルさんの発言
米国からも英国からも謝罪がない。グアンタナモに収容された人々で起訴された人はおらず、違法な収容だ。テロ対策なら、やり過ぎも仕方ないという正当化は誤りだ。米国は、こんなことはやめろという国連勧告も拒否した。トニー・ブレア(英首相)も何も言わない。「裁判にかける」と言われていたので「無罪が証明できる」と思っていたのに、突然、釈放され、証明の機会も奪われた。怒りを感じる。釈放後、英国の大使館員から「(英国政府が)最大限、助けてくれたと言え」と言われた。「ウソをつけ」ということだ。
アメリカは最大の民主主義国家のはずなのに、こんなことをしている。ほかの国まで手本にしてしまう。ブッシュは間違いを認めたくないからグアンタナモを閉鎖しないのだろうが、民主党政権になったら、私たちが期待していること(グアンタナモ閉鎖)が起きる。静かにしていないで立ち上がってほしい。私たちの無実主張を鵜呑(うの)みにしなくてよいから、これをもとに考えてほしい。
<デスクメモ> 「9・11」事件後、犯罪とは無関係の在日外国人が職務質問を受けたり、「犯罪者扱いされた」と抗議する場面を何度か目撃した。テロ対策だからといって、何をしてもいいはずはないが、同事件以降、一段と人権の重みはなくなった。次期国会で審議入りも予想される共謀罪の危険性も、根っこは同じだ。 (吉)
<メモ> グアンタナモ基地 キューバ東部の米軍基地。テロ容疑者とされる人々を収容。米国政府発表では、2006年4月時点の収容者は41カ国の558人。同基地の身柄拘束は06年6月、米連邦最高裁で違憲判決が出た。国連人権委員会も06年2月、基地閉鎖を求めたが、米国政府は拒否。
<メモ> 「グアンタナモ、僕達が見た真実」 マイケル・ウィンターボトム、マット・ホワイトクロス両監督作品。原題はTHE ROAD TO GUANTANAMO。2006年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞。27日からシャンテ・シネ(東京・日比谷)で上映。名古屋(伏見ミリオン座)など全国でも順次、上映予定。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070122/mng_____tokuho__000.shtml
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グアンタナモ、僕達が見た真実
http://asyura2.com/07/war87/msg/1137.html