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(回答先: Re: テスト 投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 6 月 22 日 20:43:34)
美空ひばりさんが亡くなられたとき、当初マスコミは死因を「大腿骨頭壊死」と報道していました。はたして大腿骨の末端が壊死したくらいで人が死ぬものでしょうか。多くの人が疑問を持ったと思います。
現在では美空ひばりさんの死因は公式には「間質性肺炎」とされているようです。では間質性肺炎を含む肺炎にかかる要因としては何があるでしょうか。メルクマニュアル日本語版によれば以下のものがあるとされています。
上気道のウイルス感染症,アルコール依存,施設への収容,喫煙,心不全,慢性の気道閉塞性疾患,加齢,衰弱,免疫不全状態(糖尿病や慢性腎不全),意識の減弱,嚥下困難,伝染性物質への暴露。
美空ひばりさんは芸能活動の末期に「大腿骨骨頭壊死」を患っていました。では大腿骨骨頭壊死にかかる要因としては何があるでしょうか。前述のメルクマニュアル日本語版ではさまざまな要因があるとしてあいまいな記述です。そこで整形外科のサイトには次のような記述があります。
大腿骨頭壊死症にはいろんな原因がありますが、有名なのはアルコール性の大腿骨頭壊死です。美空ひばりさんがこの病気でしたから、ご存じの方もおられると思います。それ以外にステロイド性があります。また原因がはっきりしない特発性というものもあります。
このサイトでは美空ひばりさんの大腿骨頭壊死はアルコール性のものであるとしています。ではアルコール依存症を要因として罹る身体疾患には何があるか、佐賀県精神保健福祉センターのサイトを調べてみると図解とともに次のように書かれています。
大量飲酒による身体症状として以下のものがあります。これらのうちのいくつかは、ある段階までは、飲酒をやめるだけで改善することが多く、お酒が飲めないほど弱っていても、一定期間入院して内科的治療と断酒で回復する方も多いようです。
飲酒を再開したあと、節度ある飲酒ができない場合には、身体疾患の再発増悪を繰り返します。
繰り返す身体疾患や、食道静脈瘤破裂や大腿骨骨頭壊死などの重篤な症状の原因には、後述するアルコール依存症が潜んでいることがあります。
アルコール依存症の人の平均寿命は50歳前後といわれています。美空ひばりさんは52歳で亡くなられています。
よくアルコール依存になるの人は意志が弱いからだといわれます。美空ひばりさんは意志が弱い人だったのでしょうか。アルコール依存症は「精神の病」であり、誤解を恐れずにいえば「脳の機能が変化」した病といえるでしょう。この変化は現在の医学では不可逆であり、アルコール依存症から治癒するためには一生涯断酒を続けるしか方法はありません。最も良い方法は断酒会などの自助グループに入り仲間とともに断酒を続けていくこととされています。
Wikipediaによれば
日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われているが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われている。飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高く、各人の性格や意志にかかわらず誰でもかかる可能性がある病気であるとも言える。
アルコール依存症は慢性疾患のうち糖尿病と並び最も多くの人々が罹っている病気です。飲酒運転のを繰り返す人たちのかなりの部分がアルコール依存症と思われます。これらの人たちには罰則を強化しても何の効果もありません。自分がアルコール依存であることを自覚し、治療を始めない限り何度でも飲酒運転を繰り返すでしょう。
美空ひばりさんは「昭和の歌姫」とされ、一種神格化された感があります。美空ひばりさんをネタに商売する人たちにとってそれは都合が良いでしょう。もし遺族や事務所が、アルコール依存だったことを公表すると故人の名誉に傷がつくと考えられているならば、そういった考えは誤っていると思います。
美空ひばりさんがアルコール依存症という重篤な精神疾患にかかっていたということをいつまでもタブーにしておくのではなく、白日の下にさらし、アルコール依存症に対する警鐘とすべきでしょう。