★阿修羅♪ > 社会問題5 > 504.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 【結いの心】小さな善意集めたい 地域の力<1>(東京新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 4 月 19 日 13:26:25)
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yui_no_kokoro/list/200804/CK2008040602001525.html
巻き込まれて分かる 地域の力<2>
2008年4月6日
寄り合いの後、ボランティアで公園を清掃する元路上生活者(中)ら=愛知県一宮市で
「いますぐ、そこの駐車場に来てくれない?」
一昨年の11月、愛知県一宮市に住む民生委員の男性(68)は、近所の委員仲間の大森信子(60)の電話に驚いた。行ってみると、「のわみ相談所」の三輪憲功(のりかつ)(63)らと一緒に、大森が炊き出しで豚汁を配っていた。
「近所でこんなことをやってたのか。大森さんも偉いな」
まさか、自分も巻き込まれるなんて、思ってもいなかった。
「路上を卒業した人たちで、路上生活を抜け出せない人の支援を相談するんだけど、いい場所を知らない?」。三輪から相談を受けた大森は「そこの公園の休憩所を使えばいいわよ。私たちが借りてあげようか」。居合わせた男性もいつの間にか「私たち」に入っている。市への申請を手伝うことになった。
2週間後の寄り合いに。「汚したまま返されてもな」。見届けようと、大森と2人で加わった。
出席したのは、路上からアパートに移った25人ほど。「いまも路上にいる人たちを助けるには、どうすればいいか考えよう」。皆真剣だった。自分だけでなく、他人のことを考えようとする姿勢に感心した。
会議に毎回出て話を聞くうちに、それまで、路上生活者に抱いていた「怠け者」の印象が180度変わった。働きたくても、就職先がない。けがをしている。支援制度を知らない。
「社会の側が手を差し伸べていないことだって、自立できない原因じゃないか」
昨年8月の会議で、元路上生活者たちが一つの計画を決めた。「地域への恩返しに、会議の後、公園を掃除しよう」
彼らがバラバラのままだったら、こんなことは思い付きもしなかっただろう。大森たちとの出会いが、前向きな心を呼び戻したのだと、民生委員の彼はうれしかった。「ボランティア団体として登録すれば、市から掃除道具を借りられるよ」。自ら手続きを手伝っていた。
あれから半年。思えば、定年退職までは朝から晩まで会社で働き、地域を顧みなかった。今、元路上生活者たちとごみ拾いに汗を流しながら、振り返る。
「巻き込まれるのも、悪くないな」
=文中敬称略