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(回答先: 緑のオーナー【おじんのIT今昔】 投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 8 月 04 日 19:10:56)
元本割れでも問題ないと主張する林野庁の卑しい姿勢【Klug View】
2007/08/08(水)20:17
8月3日付の朝日新聞は、国有林の育成・管理に個人や団体が出資する「緑のオーナー制度」で、99〜06年度に満期を迎えた契約者の9割以上が事実上、元本割れしていると報じています。また朝日新聞は、今後30年間にわたり、満期を迎える延べ約7万6千の個人・団体の大半も、出資金が元本割れが予想されるとも報じています。
緑のオーナー制度は、国有林にある育成途上のスギやヒノキなどに1口50万円を出資して国と共同所有し、10年から40年後に出資額に応じて伐採の収益金を国と分け合う仕組みです。林野庁は、1984年度から98年度にかけて「国の森林を守るシステム」などと少子、延べ8万6千の個人・団体から約500億円を調達しました。林野庁は調達した500億円を、赤字続きの林野事業で実施されている国有林の育成・管理に費やしてきました。
林野庁は制度導入にあたり、木材価格の変動がないことを前提に、3%程度と試算し、木材価格が上昇すればさらに利回りが上乗せできると見込み、公募開始から約9年後の93年ごろまで、契約書類に元本割れのリスクについて記載していませんでした。
しかし80年代以降、輸入木材の増加で国産木材の市場価格は下落傾向が続いたほか、国有林で育った木材の入札では予定価格を下回る「不落」が相次ぎました。この結果、1口50万円あたりの平均受取額は、2000年度が44万5千円、2005年度は最低の27万7千円、2006年度は29万5千円と、元本割れの結果となりました。
報道によると、緑のオーナー制度の窓口となっている各地の森林管理局には、出資者から「話が違う」などの苦情が相次いでいるようです。そもそも国の林野事業は赤字続きで補助金で支えられている状況でしたので、仮に木材価格が下落しなかったとしても、緑のオーナー制度でプラスの利回りを期待するのは難しかったはずです。あくまで邪推でしかないのでしょうが、緑のオーナー制度は、もしかしたら、林野庁が不足気味の予算を補填するために始められたものかもしれません。
ただ、当時の法制度等を考えると、林野庁が「法的」に落ち度があるとは言い切れないようです。緑のオーナー制度は、金融商品ではなく、当時の法律では契約書類に元本割れのリスクを記載する「義務」はなかったようです。また、そもそも、緑のオーナー制度の趣旨は、利殖ではなく緑の確保にあるため、仮に出資者が制度の趣旨を理解しているのであれば、元本割れを下からと言って苦情を述べるのも理不尽なことと言えなくもありません。
こうした事情があるためか、林野庁国有林野管理室のある方は、ある新聞に対して、(1)制度の趣旨は緑の確保、(2)当時は元本割れのリスクを説明する義務はなかった、などとコメントし、自身が所属する組織(林野庁)の正当性を主張したようです。おそらく、このコメントを発した方は、「法的」には落ち度もなく合理的な方といえるのでしょうが、きちんとした説明を受けないまま損失を被った出資者が存在するにもかかわらず、このようなコメントを発するだけに、「人間」として落ち度のある卑しい方ともいえそうです。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
林野庁は、1984年度から98年度にかけて
「緑のオーナー制度」でどれくらいの金額を調達した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
500億円
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/08/08/post_1322.php