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緑のオーナー【おじんのIT今昔】2006年5月 9日 (火)
緑のオーナー
私と妻は「緑のオーナー」である。 15年ほど前に飛騨の山地に山小屋を造ったついでに、その近くで公募された「国有林の分収育林」という制度に応募したのである。 森林の手入れや管理は国(林野庁)で行い、契約期間が来るとその樹木(杉・檜など)を売って収益を分配するというというもので、税制上の特権もあって、魅力的な買い物に思えたのだ。
今日、その年次報告が送られてきた。 A4版10頁の内の前半6頁はオーナーの「本音」とは関係の薄い内容で、地球環境にとって森林が如何に大事なものかを謳ったものだ。 申し訳ないが、私の本音は、そこの木を伐って高く売って欲しいということだ。 だから先ず見るのは7ページ目にある 「全国平均山元立木価格の推移」 ↑である。 それがまた悲しいことに、毎年々々、素人向けのスキー場のように滑らかな下降線なのだ。
そんなこと最初から分かっていた筈だと言われそうだが、これほどに下がるとは想定の範囲外だった。 確かに当時の案内パンフには 「緑は、私たちの暮らしに欠かせない大切な資源。・・・」 とだけあって、値が上がるとはどこにも書いて無い。 それにしても毎年、それも緑の週間の頃に、このように着実に下降して行くグラフが届けられるのだから気が滅入る。
林野庁のサイトで見ると、平成17年度に分収時期が来た育林区の販売実績は散々の状態である。 中には「不落(落札なし)」となってしまって買い手さえ無いのがある。 私のロットの契約期限はあと数年先だが、その時までまだまだ下がり続けるのだろうか・・?。 ニュースなどで 「森林資源輸入は環境破壊・・」 とか、最近よく出てくるが、 「逼迫してきた木材需給・・」 などの見出しを見つけると、さぞあれかしと、祈るような気持ちで読んでしまうのだ。
http://tadaoinaba.cocolog-nifty.com/myit/2006/05/post_6fae.html
国有林投資 『緑のオーナー』元本割れ【東京新聞】
2007年8月4日 朝刊
国有林育成のため出資金を募り伐採した収益を還元する林野庁の「緑のオーナー制度」で、木材価格の低迷により成長した木を販売しても出資額を下回るため、二〇〇六年度は平均で五十万円の出資に対し販売額が二十九万五千円にとどまり、98%が元本割れを起こしていることが三日、分かった。林野庁によると、オーナー制度は一九八四年度に創設。一口五十万円(一部二十五万円)の出資金を集め、スギやヒノキの間伐など管理費用に充てる。十五−三十年の契約期間満了時に、成長した木を入札で販売。収益は出資者同士で分け合うことを目指す。募集は九八年度に終了した。〇六年度の一年間、販売された森林百六十カ所のうち落札額が出資額を上回ったのは四カ所で、全体の98%が元本割れだった。
入札は一九九九年度から実施しているが販売額(平均落札額)が五十万円を上回ったのは九九年度だけで、その後〇六年度まで元本割れしているという。〇五年度は二十七万七千円で最低だった。
オーナー制度は、八四−九八年度までで、延べ八万六千の個人・団体から計約五百億円の出資金を調達。北海道から九州まで計約二万三千ヘクタールを管理してきた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007080402038411.html