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(回答先: 伸びる企業業績 給与は頭打ち 『勤労者への配分増を』 労働経済白書【東京新聞】 投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 8 月 04 日 00:02:26)
絵で解く参院選2007 経済政策を問う 『非正規』救済競う
格差・雇用対策【東京新聞】2007年7月27日 紙面から
参院選では焦点の年金問題の陰に隠れがちだが、深刻化が指摘されている「格差社会」の解消についての有権者の関心は高い。格差問題では、増えすぎた非正規社員などの雇用問題と賃金格差の解消が各党の政策の代表的な論点だ。 (花井勝規)
働き盛り年収倍の開き
Q テレビドラマで派遣社員が主人公になったり、職場では派遣社員やパート従業員が増えているね。
A いまや役員を除く全雇用者の三人に一人がパートや派遣社員、契約社員などのいわゆる「非正規社員」だ。正社員の数は十年前の一九九七年時点で三千八百十二万人いたのに、ことしの一−三月期には三千三百九十三万人まで減っている。
一方、九七年に千百五十二万人だった非正規社員は、千七百二十六万人と約一・五倍に膨らんだ。
賃金など待遇面での格差は歴然としている。例えば、四十五歳から四十九歳の男性で正社員と非正規社員の平均年収を比べると、正社員六百九十六万円に対し、非正規社員三百三十九万円と二倍強の開きがある。
自民党や民主党など各党は最低賃金の水準引き上げを公約に盛り込んでいる。低収入に苦しむ労働者の生活水準の底上げにつながるのは確かだが、恩恵があるのは底辺部の人たちで、非正規社員全体にまでは行き渡りそうにない。
企業は『安価』手放せず
Q 非正規社員は減らないの。
A 現状をみると、景気の拡大で雇用環境は好転している。都市部では人手不足感が強く、新卒者はどこも奪い合いに近い状態だ。でも、それは新卒者か、せいぜい二十代後半まで。
一度、非正規社員になるとずっと固定される傾向はまだ続きそうだ。雇用する企業から見れば、非正規社員は安い賃金で働く魅力的な労働力。バブル崩壊後の景気低迷期に、企業は賃金が割高な正社員をどんどん非正規社員へ置き換えた。その状態で事業の損益分岐点を設定している企業が多いため、景気が回復してきたからすぐに正社員の割合を上げようという動きにつながらない。働く側も非正規社員でしばらく働いていると実務経験や技能面で差がついてしまい、なかなか正社員になりづらい側面もある。
『再チャレンジ』努力義務に限界
Q 政府・与党が取り組んでいる「再チャレンジプログラム」があるね。
A そう。団塊ジュニアを中心とした“就職氷河期”世代には、卒業後に正社員として就職できなくて、今なお非正規社員の地位に甘んじている人が多い。正社員として責任ある仕事を任された経験を持たない、という面がネックになっている。若者の間でフリーターが増えているのもそうした事情からなんだ。
その意味で、国が職業訓練の機会を積極的に提供する施策に意義はある。ただし、企業側に雇用を促しても努力義務では限界があるようだ。「新卒または実務経験者を優先」の壁は厚く、正社員登用の道はなお険しいのが実情だ。
三十代半ばにさしかかった彼らには低所得を理由に結婚できない人も多い。社会保険料も満足に払えないフリーター層が将来、年金世代になり、生活保護申請が激増するとの予測もある。有効な対策を急がないと将来、負担増で国民全体が疲弊する事態を招きかねない。
最低賃金上げは共通
Q 各党の主張する雇用政策に、違いはあるの。
A 最低賃金の引き上げはほとんどが採用しているし、明確な違いを読み解くのは難しい。強いて言えば、経済の「成長」路線を強く打ち出す自民党と、「格差」の解消に力点を置く民主党やその他の野党といった構図だろう。
雇用の数そのものの増加を考えるのなら成長路線は分かりやすい。非正規社員が増えすぎた雇用の構造にメスを入れるには、民主党の正規・非正規社員の「待遇均等化」は思い切った政策だし、社民党や共産党の訴える長時間労働を制限する施策も、労働者いじめの根絶には効果がありそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/trend/CK2007072702036230.html