★阿修羅♪ > 社会問題4 > 629.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
伸びる企業業績 給与は頭打ち 『勤労者への配分増を』労働経済白書
【東京新聞】2007年8月3日 夕刊
厚生労働省は三日、二〇〇七年版労働経済白書を発表した。今回の景気回復局面では企業業績が改善していながら、賃上げや労働時間短縮に結び付いていないと分析。株主配当金が増える一方、人件費の割合を示す労働分配率は低下しており、経済成長の持続のためにも勤労者の配分を増やすことが重要と訴えた。
白書は、大企業を中心に売上高に占める営業利益の割合が上昇するなど業績は改善していると指摘。こうした利益の配分先を調べると、特に大企業で株主などへの配当金が大きく増加、役員賞与も増えているとした。
一方、企業が生みだした付加価値を人件費に回した割合を示す「労働分配率」は、〇一年に74・5%に達して以降は低下傾向が続いており、〇四年は71・4%。過去の景気回復期と比べて、賃金の伸びは抑えられているとした。この結果、国際的にみて高かった日本の労働分配率は、英国や米国など主要国に近いレベルまでに低下。円安の影響もあるが、製造業の時間あたり賃金も主要国より低い水準となった。
雇用形態の違いによる賃金格差も依然大きい。〇六年の年収をみると、アルバイトは五十万−百四十九万円が過半数、派遣社員や契約社員・嘱託も二百万−二百九十九万円が三割程度を占め、正社員と比べ低水準となった。
また、人口減少時代に生産性を向上させ就業機会を増やすためには、仕事と生活を調和させる「ワークライフバランス」が重要と提言。長時間労働など働き過ぎを解消し、育児支援など女性が働きやすい環境づくりが課題とした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007080302038309.html