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女性自衛官のパワハラ訴訟 職場は替わったが 2007/06/01
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航空自衛隊に勤務する21歳の女性自衛官が、職場でセクハラおよびパワハラを受けたとして、5月8日、国家賠償請求訴訟を起しました(関連記事:パワハラ許さない! 現職女性自衛官が国賠提訴)。
私は訴訟代理人として、彼女を支援しています。提訴直後から、多くの市民、弁護士、団体などから激励のメッセージや様々なアドバイスをいただきました。全部で百数十件になり、激励のメッセージは全て原告に渡しました。彼女は「とても励まされる」と大変喜んでいます。
以下に、提訴後の対応と現状をお知らせします。
提訴翌日(9日)早朝に彼女が上司から命じられた「倉庫部屋行き」は、24日の面談交渉申入れについての事前打合せ(電話)で、23日に当局側が「正式に命じたことはない」と言い出し、事実上撤回されました。
その翌日(10日)、群司令(基地の最高責任者)が、呼集訓練を実施しました。これは早朝5時に全員(約180名)を集合させ、訓練するというものですが、1年に2回程度行なうものだそうです。これを、このタイミングで急きょ実施したのは、提訴した8日夜の終礼で、幹部が「原告への対応は間違っていなかった」と訓示したことと合せ、部隊の引き締めを図ったものと考えられます。
この呼集訓練後の朝食のとき、加害者は他の隊員と一緒に食事をとり、原告は、加害者と会わないよう「配慮」するという理由で、朝食時間終了ギリギリに上司に呼ばれて短時間で食事をすませ、すぐ勤務に就かざるをえませんでした。早朝から起きていた原告は体調を崩し、午後から有休をとることになりました。その後も体調がすぐれず、病院に通ったりしたので、弁護団・支援する会としては、原告に普通の生活を取り戻し、きちんと食事させることが緊要と考えて、5月17日に面談を申入れました。
この申入の際、24日に基地で会う約束をしたのですが、当日になると山の上にある基地の2qほど手前のゲ−トから入ることができず、申入書(添付)を渡すに止まりました。1時間前に担当者が突然嘔吐し、倒れたというのが理由でした。出てきた上司は「何も聞いていない」「わからない」を繰り返しました。やりとりの中で上部(東京・市ヶ谷にある防衛省)から指示があることを、隠しませんでした。
後で原告に聞くと、担当者が倒れたのは本当で、衛生班(診療室)に運び込まれていた、と言います。担当者には、相当なプレッシャーだったことは間違いないようです。
また5月16日午前、1階の事務室(会計)に、他の隊員の目につくように、原告に関する書き込みがなされたインターネット「2ちゃんねる」の情報を印刷した束が置かれていました。原告がこれに抗議したところ、当初は「誰もが見ることができるものなのだから何が悪い」などと言われたそうですが、その後、撤去されたとのことです。
以上の弁護団や支援する会の取り組みと合わせ、18日と24日には辻元清美議員(社民)が衆議院安保委員会で、28日には紙智子議員(共産)が参議院決算委員会で、本件にかなりの時間を割いて取り上げてくれました。全国から、原告の所属基地あるいは市ヶ谷に、抗議の電話やファックスが数多くありました。
その結果、28日(月)午前、部隊は加害者の勤務場所を、原告が勤務し居住している官舎内から、全く別の建物に配置転換しました。その結果、加害者との関係はかなり改善される状況となりました。大きな成果です。
ですが所属基地では裁判対策もあり、法務官が多数入るなど様々な動きをしており、予断を許しません。特に、原告のアラ探しをしています。退職を強要したことについては口裏を合わせ、全否定してくることが分かっています。
現在は、弁護団・支援する会としてできる限りの対策を講じていますが、まずは来月11日に控えている第1回弁論を成功させたいと思います。ご支援いただける方は、下記までご連絡下さい。
女性自衛官の人権裁判を支援する会 連絡先:jinken07@hotmail.co.jp
(佐藤博文)
http://www.janjan.jp/area/0706/0705310414/1.php