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* 2007/05/05
子供の連れ去りなどが相次ぎ、安全な地域づくりが求められる中、ICタグ(電子荷札)をランドセルやカバンに装着して登下校時の児童の見守りに活用する試みが今秋から、横浜市南区内の小学校で始まる。総務省がモデル事業として全国公募した提案の中から選んだもので、子供の安全を見守る新システムの構築を目指している。
実施主体は、子どもの居場所「フリースペースみなみ」を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「教育支援協会」。南区役所や学校、メーカーと協力し、市立南吉田小と中村小で今年十月から運用を始める。機器導入などでかかる約八千万円の費用は国からの補助金を充てる。
計画では、児童名や連絡先を書き入れたICタグを全児童のランドセルに付け、学校の下駄箱や通学路などにはタグを検知するセンサーを設置。センサーを通過した際に通過情報を伝えるメールが管理センターのサーバーから保護者の携帯電話などに自動送信される仕組みだ。
センサーは両校の校門二カ所、下駄箱一カ所、通学路四カ所で設置するほか、児童らが放課後に立ち寄る「フリースペースみなみ」にも置く。カメラも置き、センサー検知時に自動撮影した画像を送信し、保護者が本人確認できるようにする。無関係の通行人のプライバシーには配慮し、ICタグから半径約一メートル以外の背景は画像から消去される最新技術も採用する予定という。
教育支援協会神奈川支部長の池田正則さんは「通学路で登下校を見守るボランティア活動が行われているが、将来的に高齢化で担い手が減ることも予想される。それを補完できるシステムにしたい」と説明。運用を通じてシステムの有効性や課題を検証した上で、来年三月末までに総務省に報告書を提出する予定だ。
子供の安全をめぐっては、保護者が衛星利用測位システム(GPS)付き携帯電話の持ち込み解禁を小学校に求めるといった動きも。南吉田小の藤井芳樹校長は「携帯電話は学校で使ってしまったり、持っている子と持たない子で不公平感が生まれるなどマイナスもあるので、今回のようなシステムの必要性は理解できる。ただし継続していく場合の運営経費を親、学校の誰が負担するかが課題になると思う」と話している。
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ICタグ IC(集積回路)チップとアンテナが組み込まれた小さな荷札のようなもので、無線を使いデータの読み書きができる。産業界ではバーコードに代わる商品管理手段として注目されている。
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治安、安全の名の下に、見えない首輪がまたひとつ。