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http://www.asahi.com/national/update/0210/SEB200702100016.html から転載。
「いじめ考えるきっかけに」自殺の息子、実名と写真公開
2007年02月10日21時58分
いじめ根絶をめざして活動しているNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)などが主催するシンポジウムが10日、東京都内で開かれ、自ら命を絶った4人の生徒たちの遺族が、いじめについて語った。隠蔽(いんぺい)ともとれる、学校や教育委員会の対応に苦しんだ遺族ら。「情報を学校と保護者が共有し、反省しなければ、いじめは無くならない」などと、口々に訴えた。
亡くなった長男・啓祐さんの写真の傍らで、いじめ根絶の願いを語る森美加さん(左)=東京都港区芝浦3丁目で
「優しい心の持ち主でした。みなが幸せに暮らせる、いじめのない社会を作って欲しいと願っていたと思う」。福岡県筑前町で昨年10月、町立三輪中学校2年生の長男・啓祐さん(当時13)を亡くした森美加さん(36)は、啓祐さんの写真とともに壇上に立った。
息子の実名と写真を公開するのは初めて。笑顔の写真が、いじめについて考えてもらうきっかけになれば。そんな思いからだ。当初は弟たちがつらい思いをしないかと公開を避けていたが、春から同じ中学に進学する次男が「お兄ちゃんは何も悪いことをしていない。僕は胸を張って中学校に行く」と言ってくれた。
啓祐さんは「いじめが原因です」などと記した遺書を残した。だが、学校側は当初、遺族が望む形での調査を行わず、自殺といじめとの因果関係についても説明が二転三転した。「我が子がなぜ命を絶たなければならなかったのか、知るのはつらい。だが、それによって、明日へつながる一歩を踏み出せれば」
ほかの遺族も、学校や教育委員会の体質を批判した。
04年6月、中学2年生だった娘(当時14)を亡くした埼玉県蕨市の男性(46)は、学校側が生徒たちへの調査記録を「個人的なメモ」として公文書扱いにせず、遺族にも開示してこなかったことに触れ、「どうしてそんな仕打ちができるのか。記録がその後、(遺族側の求めで)公文書になったのは大きな意味がある」と話した。
「いじめが自殺の原因」とする判決を勝ち取った神奈川県津久井町(現・相模原市)の平野君江さん(50)は、当時中2の息子へのいじめの内容について、学校の説明ではなく報道で知った経験を踏まえ、「学校や教育委員会は今も何も変わっていない」と指摘した。
東京都杉並区の大貫隆志さん(50)の息子は、中2だった00年9月、校内で菓子を食べたことなどについて学校から指導を受けた翌日自殺した。学校側が具体的な説明を拒み続けたとし、「学校には隠蔽体質がある。再発防止のための学びをしていない」と語った。
05年9月に自殺した北海道滝川市の小6女児(当時12)の親族(59)は壇上には立たず、取材に「うちの事件はまだ道半ば。事実関係の調査も、まだまだ自分でやらなければならない」と話した。