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「財政健全化の破綻 第79号 (H19/12/25)
政府は財政健全化の指標となる基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を2011年度には黒字にすると言ってきたのに、2008年度ではこれが悪化して5兆1900億円の赤字になるという。2007年度で4兆4400億円の赤字にまで減ってきたのが、逆戻りだ。子どもや孫の代に借金を残すなの掛声で緊縮財政を続けてきた政府与党の方針に矛盾が出たことは、見逃すことができない失政というべきであろう。
しかも財政投融資特別会計で異常事態に備えてきた積立金を埋蔵金呼ばわりされて10兆円を吐き出さざるを得ない事態に追い込まれた末の赤字とあっては、次の手の打ちようがない。
それにしても特別会計の中の積立金が無尽蔵にあるように思わせるのは誤解を招く。今年は10兆円を吐き出したが、これを毎年続けられるわけではない。2009年度では埋蔵金に頼れないであろうから新年度の基礎的財政収支が悪化したことは財政健全化が破綻したことを宣言したようなものだ。
振り返ると、小泉内閣は国の借金を年間30兆円に抑え込むという見得を切ってしまったので、建設国債によって経済の拡大と税収の増加を目指すことができなくなった。その結果、国はかえって赤字を拡大し、その穴埋めの赤字国債を拡大し続けざるを得なくなってしまった。新年度の予算で基礎的財政収支が悪化した原因も小泉内閣以来の経済政策の失敗とその結果の緊縮財政にある。
以前には40兆円を超えていた国債発行額が新年度では25兆円に減っているのだから健全化が進んだというかもしれないが、そうではない。国民総生産はそれほど大きくなっていないのに国債の残高は増え続け、2008年度の国民総生産に対する国債残高の比率は増加しているのを重視する必要がある。
しかも緊縮財政のしわ寄せは地方財政に押し付けられているから、なおさらだ。政府も認めざるを得なくなった格差の拡大は、地域経済の衰退と個人所得の減少、自殺者の続出、集落の崩壊、地域医療の崩壊を招いている。しかし、財政基盤が壊れた市町村には地域の崩壊に対応する力はない。
新年度予算では地方交付税に4000億円の地方再生枠が設けられたのは朗報というべきであるが、三位一体の改革で地方公共団体が失った財源が6兆円であることを考えると地方再生枠は焼け石に水でしかない。ということは、この程度では地域の崩壊をくい止めることができず、国も地方公共団体も財政健全化の基盤が失われてしまったままでは財政健全化の見通しを立てることは無理だ。
こうなると、日本を立て直すには、局部的な地域再生策をいくら試みても無駄であり、これまでの経済政策と財政政策を転換する以外にない。しかし、現在の政府与党には大きなうねりを作りだして歴史の流れを変える力が尽きているとしか言いようがない。 」
http://www.taki-makoto.jp/makotoni.html
関連
プライマリーバランスの話(経済コラムマガジン)-「プライマリーバランスを回復させよ」という「悪魔の囁き」
http://www.asyura2.com/07/hasan53/msg/115.html
投稿者 JAXVN 日時 2007 年 10 月 15 日 08:16:12: fSuEJ1ZfVg3Og
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