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(回答先: 給油新法成立 努力なき再可決を憂う(東京新聞 社説) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 1 月 12 日 11:01:57)
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20080112az
政府が提出した新テロ対策特別措置法案が、57年ぶりとなる衆院再議決を経て成立した。インド洋での海上自衛隊の給油活動再開問題は、「職を賭す」とした安倍晋三前首相の退陣、2度にわたる会期延長での越年国会など、異例づくめの経過をたどった末に決着した。
「ねじれ国会」の中で、戦後政治の歴史に残る重大な出来事である。しかし、それにしてはどうも「重み」が感じられない。それどころか、何やらしらけたムードさえ国民の間に漂うのはどうしたことか。
理由はいくつかある。まず第一に、本質的な骨太の議論を欠いたことだ。インド洋での海自の給油活動について、福田康夫首相は「国際貢献であり、国際平和活動だ」と幾度となく口にした。
しかしながら、そもそも日本にふさわしい国際貢献とは一体何なのか。現在のアフガニスタンの実情に照らして、日本は何をすべきか。さらに言えば、テロ時代の安全保障はどうあるべきか。こうした給油だけに限定しない幅広い議論こそ、求められていたはずだ。
それが極めて消化不良に終わったのは、野党第一党の民主党にも大きな責任がある。本来なら早期に対案を提示し、政府案と比較しながら議論を進めるべきだったのに、対案となるアフガニスタン復興支援特措法案を参院に提出したのは年末の先月21日。これではお茶を濁したにすぎない。
提供燃料のイラク戦争への転用疑惑の追及が尻すぼみに終わったことも大きい。政府は「目的外使用はなかった」と強調するが、それを証明するための軍事機密の壁は依然として厚い。全体の約8割が米国向けの無償提供だった実態すら、これまで分からなかったことが問題なのだ。
そして、国会対応の土壇場で露呈した民主党の迷走が追い打ちをかけた。参院での採決・否決、継続審議、また採決・否決とくるくる変わる独り相撲ぶりには、政党としての脆弱(ぜいじゃく)さを感じざるを得ない。政府案の否決—首相の問責決議案提出という当初方針をなぜ貫けなかったか。その説明も不十分だ。
見逃してならないのは福田首相のしたたかさである。野党との協調を前面に出し、ひたすら低姿勢の態度を取りながらも、結果的には衆院再議決という「伝家の宝刀」を抜いたのだ。
国政選挙の審判を受けていない福田首相が再議決に踏み切るには本来、世論の支持を得ることが不可欠だ。世論の反発が多い中で強行突破した事実は重く受け止めなければならない。
結局のところ、自民、民主両党とも衆院解散・総選挙を意識した政局絡みの対応に終始したと言っていい。与野党が合意点を見いだす努力もしない姿勢は、もはや責任放棄にも等しい。
政府は国際協力での自衛隊の海外派遣を随時可能にする「恒久法」を検討する方針を決めた。しかし国民の声とかけ離れたところで歴史が動いていくことに、危うさを感じてしまう。
「ねじれ国会」は今後も続く。今回のような再議決が恒常化し参院審議が空洞化するようなことは、あってはならない。
(2008/01/12 11:00 更新)
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