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(回答先: アジアと日米同盟:動き出す福田外交/中 国際協力、歯車ずれ(毎日新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 11 月 15 日 09:39:47)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071116ddm002010009000c.html
◇小泉・安倍路線を修復
「日米関係を強化し、深化していく。アジア外交を円滑に進めていく上においても日米関係は大事だ」。福田康夫首相は15日、初の訪米に旅立つ前、記者団に意義を聞かれ、アジア外交をにらんでいることを強調した。
首相に就任早々、「まずはアメリカだ」と最初の訪問先を指示した時も、日米関係の強化にとどまらず、「それがアジア外交の再構築を目指す前提になるからだ」と周辺に狙いを説明している。
訪米から帰国した翌々日の19日、首相はシンガポールに向かい、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓首脳会議や東アジアサミットに出席し、温家宝中国首相や盧武鉉(ノムヒョン)韓国大統領と会談する。あらかじめ決まっていたアジア外交日程の前に、訪米を組み込んだわけだ。
小泉純一郎元首相の靖国神社参拝、安倍晋三前首相の従軍慰安婦発言と、ここ2代の政権は日米関係に腐心する半面、アジア外交は歴史認識問題でギクシャクした。福田首相が目指すアジア外交の再構築は、官房長官や一議員として、アジア各国との関係修復にコツコツ取り組んできたという自負が根底にある。
今年5月、憲法改正手続きを定める国民投票法が成立した時、福田氏は中山太郎元外相と中国などの大使館を回り、「日本の戦後続いてきた平和路線は基本的に変わらない」と説明に努めた。
靖国神社参拝問題では、官房長官として新たな国立追悼施設の設立構想を推進。03年には訪中できる状況になかった小泉首相(当時)の名代として、「留守居役」の官房長官としては異例の中国訪問に踏み切った。
官房長官退任後も、記念式典や各種の会合にはこまめに顔を出し、「アジアの大使はほとんど友達」(首相周辺)という関係を築いてきた。小泉、安倍両政権下で、福田首相に対し高まったアジア各国の期待が、福田氏を首相の座に押し上げた一つの大きな力となったと指摘する声もある。
福田首相と親交のある五百旗頭真・防衛大学校長は「アジア外交に強いと見られているだけに、先にアジアに行けばアジア専門家というイメージになったかもしれない」と、米国訪問を先行した首相の選択を評価する。
10月の所信表明で、福田首相は「日米同盟の強化とアジア外交の推進の共鳴」を提唱。これも官僚の進言ではなく、首相自身の言葉だ。訪米時に「共鳴」は「シナジー」(synergy)という言葉で説明される予定。共鳴の英訳は一般に「レゾナンス」(resonance)だが、外務省の協議で「ただ物理的に反響するとのニュアンスではちょっと違う」として、「相乗作用」を意味する「シナジー」を使うことになった。外務省幹部は「日米関係が良好で日本とアジアの関係も良ければ、単純に1+1ではなく相互補完で効果が増幅する」と解説する。
ただ、具体的にどう「共鳴」させるかの青写真はまだ見えていない。
父・赳夫氏が77年、ASEANに向けて「心と心の触れ合う相互関係」などを訴えた「福田ドクトリン」は、同地域で今も広く知られる。昨年4月、福田氏は「大きな政策としてアピールできるものを(福田ドクトリンの)上に乗せたい」と講演し、「新福田ドクトリン」への意欲をにじませた。ブレーンも動員し、具体像を練りながら、発信のタイミングを見計らっているところだ。
米大統領選挙で有力候補のヒラリー・クリントン氏(民主党)は、外交論文で「米中関係が今世紀の最も大事な2国間関係になるだろう」と表明した。基軸であるはずの日米同盟が将来、米側から揺らげば、共鳴するはずの日本アジア外交が漂流する可能性もある。(この連載は中川佳昭、中澤雄大、上野央絵、古本陽荘、大貫智子が担当しました)
毎日新聞 2007年11月16日 東京朝刊
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