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(回答先: これこそ日本の出番ではないのか?−−イラクでダム崩壊の恐れ 投稿者 ヤマボウシ 日時 2007 年 11 月 03 日 04:35:47)
上で「日本の技術でもどの程度役に立つかはわからない」と書きましたが、これはダムの立地が水に溶けやすい石灰岩層の上という根本的な誤りがあることに加えて、すでにダムが完成した1980年代から現地でもその誤りに気付き、これ以来「5万トン」の液体セメント(セメントミルク)を注入する措置を取っていたという記述がワシントン・ポスト紙(電子版)があったためです。
つまり、すでに注入したセメントミルク「5万トン」という数字が素人には大きく見え、それに代わる措置は簡単には見つからないだろうと考えたわけです。ところが、青函トンネルの建設にセメントミルクを納入したN社のサイトを見ると、青函トンネルに使用したセメントミルクの量は「23万トン」もあったというのです。
青函トンネルの全長は約54kmあり、直径は14mなので、容積は約830万立方mです(セメントミルクの注入範囲はトンネル径の3〜5倍だったそうです)。これに対して、問題のダムは(両岸間の)全長が3km強ですが、高さは130mあります。このダムはアースフィル型といって、土を断面が台形状になるように盛って建設したものです。ダム底辺の幅は不明ですが、仮に高さの2倍あるとすれば、体積は約5000万立方mです(セメントミルクの注入範囲は不明です)。
さて、ここからが素人判断の難しいところなのですが、容積約830万立方mの海底トンネルに使用したセメントミルクの量が「23万トン」であったのと、体積約5000万立方mのダムに使用したセメントミルクの量が「5万トン」であったのを比較したとき、何が言えるか?
もちろん、海底トンネルとダムとでは異なる条件が無数にあるには違いないのですが、これでダムが決壊の危機にあるとしたら、セメントミルクの使い方が未だ足りない、あるいは、追加の余地があるとは言えないでしょうか?
それから、もう1つ考えるべきはセメントミルクの種類または質です。N社のサイトによれば、青函トンネルで用いたセメントミルク(厳密には「セメントミルク」とは呼ばないのですが)は主要成分の粒子が従来よりも微細で、さらにそこへ水ガラスを加えて止水効果を高めたそうです。これを使って、青函トンネルは1988年に完成しました。その後、N社はこの止水材を進化させた製品も開発し、これは主にダム向けで、アメリカやカナダにも輸出されているとのことです。
一方、イラクのダムは1980年初めに完成し、その直後からセメントミルクを注入し始めたそうです。ということは、青函トンネルで用いたのと同じセメントミルクを使った可能性は皆無に近いと思われます。また「進化させた製品」も、主にダム向けでアメリカやカナダにも輸出されているとはいえ、そのような重量物が二大洋を越えてイラクへ渡っているとは考えにくい気がします。
であれば、「いつ崩壊しても不思議ではなく、2〜3年以内にはほぼ確実に崩壊する」と英インデペンデント紙(電子版)が報じ、50万の生命がかかるこのダムに、日本の技術が活きる余地が残っているのではないでしょうか。
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