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(回答先: 給油量隠ぺい 真相解明が審議の前提だ(毎日新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 10 月 24 日 07:41:11)
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20071023ddm003010021000c.html
クローズアップ2007:海自、給油量誤り隠ぺい 転用疑惑、深まる闇
海上自衛隊の補給燃料転用疑惑で、防衛省は22日、海自幹部が給油量の誤りを報告せず隠ぺいしていたことを認めた。隠ぺいの時期は03年5月9日。イラク戦争に参加した米軍司令官が「海自から補給を受けた」と表明し、疑惑が浮上した直後で、当時の福田康夫官房長官、石破茂防衛庁長官らが説明に追われた時期だった。野党は「組織的関与の疑いがある」とみる。石破防衛相は月内に最終報告書を出す方針だが、前防衛事務次官の接待疑惑もあり、新テロ対策特措法案は入り口で暗礁に乗り上げた格好だ。【上野央絵、川上克己】
◇政府見解の信用失墜−−防衛省、組織関与否定に躍起
防衛省の報告書は給油量の誤りについて、海上自衛隊の管理部門である海上幕僚監部の担当者が他の艦船への給油量と間違えて入力した「人為ミス」と説明、給油量の誤りを報告せず、隠ぺいしたことについてもミスに気付いた防衛課長個人の判断として、組織的な関与を否定した。
しかし、給油量の誤りは単なる「数字」のミスではなく、米空母キティホークの運航に深くかかわる問題だ。福田官房長官が03年5月9日の記者会見で「約20万ガロンで1日分。瞬間的に消費され、ペルシャ湾に入れる量ではない」と述べ、給油量を根拠にイラク戦争への転用を否定したからだ。実際の給油量は67万5000ガロンで、同空母が同湾深く入っていたことが確認されている。
民主党は「イラク作戦転用を隠すため故意に隠ぺいした」とみており、鳩山由紀夫幹事長は22日、「トップに責任をかぶせないよう『知っていたが上まで上げなかった』という話を作り上げたのではないか」と記者団に語り、組織的関与の有無をさらに追及する構えだ。
報告書からは矛盾点が浮かぶ。まず、03年2月に、80万ガロンという正しい給油量は、人為ミスを犯した海幕の担当課だけでなく、防衛庁の艦船武器課など関係各課に一斉に報告されていたのに、同年5月9日に福田官房長官が会見で「約20万ガロン」と誤って説明するのを見過ごした点だ。
報告書によると、防衛庁の防衛政策課が官房長官会見の前日の8日の統合幕僚会議議長の会見内容に沿って、官房長官の応答要領を作った。この際、防衛庁の内部でなぜチェックできなかったかは説明されていない。
もう一つは、他の課の指摘を受けてミスに気付いた海幕の防衛課長らが、上司への報告や訂正をしなかった理由について、「転用問題が沈静しつつあった点を考慮」したとしている点だ。
転用疑惑はその直前の5月6日、イラク作戦に従事したキティホークの司令官が「海自から間接的に約80万ガロンの給油を受けた」と発言したのが発端で、当時の石破防衛庁長官はその後も国会答弁で釈明に追われており、「沈静化」どころではなかった。
転用疑惑解消にはほど遠い報告書で、首相官邸内にも不満がうっ積し始めた。増田好平防衛事務次官は22日の会見で「精査が必要だ」と何度も繰り返し、今回の報告書が「途中経過」に過ぎないことを強調せざるを得なかった。
◇国会シナリオも崩壊−−野党硬化、対テロ新法暗礁に
「一難去ってまた一難だ」。福田首相は22日夕の自民党役員会でこうぼやいてみせた。実際は、守屋武昌・前防衛事務次官のゴルフ接待問題に加え、給油量隠ぺい問題が追い打ちをかける「一難去らずにまた一難」の状態だ。守屋氏の国会証人喚問をカードに局面を乗り切ろうとした政府・与党のシナリオは崩れ、新テロ対策特別措置法案の今国会成立はさらに難しくなった。
「法案の本質ではないところでこういう議論ばかり目立つと厳しい。世論がどうなるか……」。接待問題と給油量隠ぺいの「ダブルパンチ」に見舞われた政府内では、こんな声が相次いだ。
ゴルフ接待問題で、民主党はここ数日、守屋氏の証人喚問を新テロ特措法案の実質審議入りの条件に定めて攻勢を強めていた。政府・与党は石破防衛相が20日、「国会が証人喚問を決めたら(守屋氏は)応ずるべきだ」と踏み込み収拾を急いだ。そこに給油量隠ぺいが表面化。公明党幹部は「バカとしか言いようがない。隠ぺいという認識が初めからないのだろう」と怒りをあらわにした。与党内は世論の批判をかわすため「守屋氏の証人喚問には応じざるを得ない」との声が大勢となった。
民主党は、守屋氏喚問を足がかりに当時官房長官だった福田首相らの責任追及を視野に入れている。世論の支持が得られると踏んだ山岡賢次・民主党国対委員長は22日、新テロ特措法案を扱う衆院テロ防止・イラク支援特別委員会の鉢呂吉雄筆頭理事(民主)に「参考人招致なら突っぱねろ。与党が単独審議を強行するならさせろ」と指示した。
◇発端は米司令官の発言−−市民団体の分析で問題再燃
海上自衛隊から補給を受けた米艦船が「イラク戦争」に参加したのではないかとの「給油転用問題」は03年5月、イラク作戦から戻った米キティホーク空母戦闘群の司令官が「海自から補給を受けた」と発言したことが発端。政府は福田官房長官(当時)らが給油量が20万ガロンで、空母がペルシャ湾に入るには足りないことなどを理由に挙げ、転用を否定した。
しかし、市民団体「ピースデポ」が今年9月、米公文書の分析などから給油量が計80万ガロンだったことを指摘、「イラク戦争に使用されたと考えざるを得ない」と問題を再提起。民主党などが疑惑が深まったと追及していた。
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■米艦への給油問題を巡る主な動き■
<03年>
2・25 海自補給艦ときわが米補給艦に80万ガロン給油。補給艦は空母キティホークに67.5万ガロン給油
26 派遣部隊が海上幕僚監部らに補給を報告
3・20 イラク戦争開戦
5・ 6 イラク戦争に参加した米空母戦闘群の司令官がメディアに「海自から80万ガロンの補給を受けた」と語る
8 石川統合幕僚会議議長が会見で「海自から米補給艦に約20万ガロンを補給」と発言
9 海自の防衛課長らが別の課の指摘で給油量の誤りに気づいたが報告せず、隠ぺい▽福田官房長官(当時)が会見で補給艦への給油量を20万ガロンと説明
15 石破防衛庁長官(同)が参院委で「給油量は約20万ガロン」と説明
<07年>
9・20 市民団体が、給油量が約80万ガロンとする米艦の航海日誌を入手したと発表
21 防衛省が給油量を80万ガロンに訂正
10・ 3 福田首相が衆院本会議で「事務的な誤り」と陳謝
5 市民団体が、米海軍公文書を分析し、給油がイラク戦争に使われた疑いがあると発表
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◆給油量の誤りが隠ぺいされた当時の閣僚と防衛庁幹部◆
《内閣》
首相 小泉純一郎(昨年9月退任)
官房長官 福田康夫(現・首相)
防衛庁長官 石破茂(現・防衛相)
《防衛庁》
防衛局長 守屋武昌(防衛事務次官を経て退職)
防衛政策課長 高見沢将林(現・運用企画局長)
統合幕僚会議議長 石川亨(退職)
海上幕僚長 古庄幸一(退職)
海上幕僚監部防衛部長 倉本憲一(現・下総教育航空集団司令官)
海上幕僚監部防衛課長 寺岡正善(退職)
※肩書は03年5月時点、敬称略
毎日新聞 2007年10月23日 東京朝刊
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