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(回答先: 補給要請を願い下げることが、テロ防止の道である(三上治) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 10 月 23 日 13:34:39)
むかし、映画批評の世界で裏読みということがあった。それは表現の隠された、あるいは背後に沈められた世界を再現することで、その全体像や表現の意図を析出することであった。確か、小川徹さんという批評家が『映画芸術』を舞台にして見事な映画批評を展開していた記憶がある。これを思い出したのはやはり僕らにとって官僚という世界は閉ざされていて本当のことが伝わってはこないのだな、という印象を強くするこらだ。海上自衛隊の補給艦が米補給艦に給油した量をめぐって疑惑が取りざたされている。朝日新聞の報道によれば、自衛隊の担当課長が給油量の誤りに気がつきながら、当時の官房長官であった福田康夫(現首相)に誤ったままの報告をしていたというのだ。
なるほど、これが公式の話であるな、とは思うが誰もそのまま信じてはいない、と思う。そのまま鵜呑みにする善良な老若男女もいるかもしれないが、ちょっとまて、ここには裏があるなと想像するのも自然だろう。裏読みというほどのご立派なものでなくてもその程度の想像は働くのである。多分、自衛隊の幹部も政府もこの程度のことは知っていたのであり、これがこんな大事になるなんて思ってもいなかったのが実際のところではないか。自衛隊の幹部も小泉政権の首脳もアメリカ軍の「テロとの戦争」を支持することがこんなに強い反発を招くなんて想像しなかったのであろうと思う。アメリカ軍との関係も、自衛隊と政府の関係もある種の惰性で続けられてきたのであってそれをこの事件は象徴しているのだと思う。
国会での審議では事実をめぐる論議が中心にならざるをえない。しかし、それでは担当課長のミスということで済まされ、うやむやのうちに終わってしまうことが考えられる。情報を独占する官僚の世界と
それにつじつまを合わせる政府に対して、野党も報道陣も太刀打ちできないまま後味の悪い事件として終わってしまうような気がしないでもない。僕らは野党の国会内での審議に期待するほかないのであるが、想像力を働かせて裏読みしながらその実態を把握することが大事だ。そこから自衛隊の存在についての見識や構想として打ち出すことが必要である。僕らが、今は言ってみるだけという存在に過ぎないにしても、その言ってみるだけのうちにとても大事なことがある。
やはり、この事件で忘れてはならないのは自衛隊と政府の関係である。僕らは自衛隊が憲法に反する存在として、その存在を否定することはしてきたにしても、それがどのように動き、存在しているのかには関心を抱かないできた。自衛隊の存在が違憲であるか、どうかという議論とは別に、現在の自衛隊がどのようにあるのか、とりわけ政府との関係においてどうかを調査し、考えようではないか。自衛隊の行動の意思決定はどのようになされているのか、政府との関係はどうであるのか、それを調査し、追及する、それが深められる契機にこの事件をしなければならない。それはさしあたり、裏読みからはじまるが、そこに歩が進むことを課題にしたいと思う。 (文責 三上治)
「国会前座り込み・”徘徊”現場ニュース★」(9条改憲阻止の会)
2007年10月22日発行 七号
9条改憲阻止の会
TEL &FAX:03−3356−9932
E−mail:kyujokaikensoshi@utopia.ocn.ne.jp
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