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狂気の宴(「或る浪人の手記」から)
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投稿者 忍 日時 2007 年 11 月 07 日 12:35:20: wSkXaMWcMRZGI
 

米国様に命令されと、脊髄反射で「ワン」と鳴き、忠実に、限りなく忠実に日本を破壊し続ける政府、自民党、財怪塵の皆様ですが、先頃提出された「年次改革要望書」に対して、早くも、分かり易過ぎる程に分かり易い動きを始められた模様です。

診療報酬、引き下げで一致=「医療機関コスト高い」−意見書に盛り込みへ・財政審

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は5日財政構造改革部会を開き、2008年度予算で医療機関に支払う診療報酬を引き下げることで一致した。厳しい財政事情の中、公務員給与や物価の下落に比べ、医療機関の人件費や物件費は高止まりしているとして、削減余地があると判断した。今月中にまとめる建議(意見書)に盛り込む。ただ、日本医師会などは強く反発しており、政府・与党の調整は難航する可能性がある。

 診療報酬は、医師の給与などに充てる本体分と薬価分に分けられ、原則として2年ごとに改定される。06年度は合計3.16%と過去最大の引き下げ幅で、08年度も下げると4回連続。1%の引き下げで国費負担は約800億円削減できる。

 同部会の富田俊基部会長代理(中央大教授)は同日の記者会見で、「診療報酬は国民の負担で賄われており、効率化するのは当然だ」と強調。本体分だけで最大3.6%の下げは可能だとの認識を示した。

 08年度予算の概算要求基準(シーリング)では、医療などの社会保障費は高齢化に伴う自然増を2200億円圧縮することが決まっている。厚生労働省は政府管掌健康保険に対する国庫負担の削減と薬価引き下げで実現する方針を示していたが、財務省は診療報酬本体分も下げることで圧縮幅の拡大を目指す。

(2007年11月06日 時事通信)

 毎度おなじみ自民党の十八番、プロパガンダで抵抗勢力を作り上げて、その人達を血祭りに上げていくという戦術の第一手な訳ですが、まず、そもそもの前提条件にしている、物価と公務員給与について見ていく事にしましょう。

 まず、物価ですが、確かに、全体として下がってきている、或いは上昇に向かう気配を見せていない事は確かではありますが、重要な点として、食料品の物価だけは徐々にながら上昇してきている事だと言えます。

 更に、原油価格の高騰により、ガソリンや灯油の価格も上昇してきています。

 これがどういう事なのかと言えば、要するに、全体としての物価は上昇せずにデフレのど真ん中にいるものの、食料品や油などの生活必需品などは逆に上昇しており、殆どの一般庶民は、物価下落の恩恵を殆ど受けていない、それどころか、デフレを脱却出来ていない事によって収入は少ないままで、寧ろ、圧迫されていると言える状況な訳です。

 と言うか、そもそも、政府は緩やかながらデフレ脱却に向かいつつあると言っていた筈で、それなのに、その逆の方向である物価の下落を理由に挙げるとは、一体、何のつもりなのでしょうか。

 正直、頭が湧いているとしか思えない発言です。

 次に、公務員の給与ですが、こちらを御覧下さい。

国家公務員給与、9年ぶり引き上げ 幹部賞与は据え置き

 政府は30日午前の閣議で、幹部を除く国家公務員の07年度の給与を9年ぶりに引き上げる方針を決めた。一般の行政事務に携わる行政職職員について、人事院勧告通り、係長級以下の月給と全職員のボーナス、地域手当を増額し、年収は前年度比で平均0.7%、4万2000円増える。ただ、幹部職員である指定職(審議官・局長級以上)については、景気回復の実感が乏しい国民感情を意識して、勧告にあったボーナスと地域手当の引き上げを見送った。

 人事院勧告の一部が実施されないのは、97年度に指定職向けの実施を1年遅らせて以来、10年ぶり。政府は臨時国会に給与法改正案を提出し、成立すれば今年4月にさかのぼって支払われる。国の財政負担は、人事院勧告通り実施された場合より約10億円少ない約420億円となる見通しだ。

 閣議では、防衛省や厚生労働省などで公務員の不祥事が続いたことから、不祥事を起こした国家公務員に退職金を返還させる制度の強化について有識者検討会を設置し、来年春をめどに結論を出すことも決めた。

 人事院は今年8月、民間と国家公務員の給与に0.35%の格差が生じたとして、俸給(基本給)を係長級以下に限って引き上げるとともに、行政職と指定職のボーナスを0.05カ月分引き上げて4.5カ月分とし、都心部勤務者らに支払われる地域手当も0.5%増額するよう政府に勧告した。

 しかし8月以降3回開かれた給与関係閣僚会議では、地方や中小企業に景気回復の実感が乏しいことなどから、世論を意識して勧告の実施に慎重な意見が出ていた。

 政府は30日朝、閣議に先立って開いた4回目の関係閣僚会議で勧告の一部実施見送りを決定。町村官房長官は記者会見で「人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢にたった」としたうえで、「厳しい財政事情などを踏まえ、国民の理解を得られる結論を出すべく慎重に検討した。公務員への批判も考えなければいけないひとつの要素だ」と説明した。

(2007年10月30日 朝日新聞)

 9年ぶりとは言え、ついぞ最近上げたばかりの公務員の給与が下がっているからオマイラも給与を下げろとは、政府の中の人の頭には一体何が詰まっているのでしょうか。

 まあ別に、公務員の給与が上がる事自体は、別段どうでもいい事で、仕事さえしてくれればそれで結構な訳ですが、下らないプロパガンダの為に、事実をあっさりと捩じ曲げる性癖だけは何とかしろという話です。

 あと、ついでにツッコんでおくと、上の朝日の記事によれば、公務員の給与の引き上げの根拠は、民間の給与が上がって格差が生じた事らしいですが、一部を除いて、一般庶民の給与所得は全く上昇しておりません。

平均給与は9年連続ダウン…06年434万9000円

 民間企業に勤める人が2006年に得た平均給与は前年より1万9000円少ない434万9000円と、9年連続で減少したことが27日、国税庁のまとめで分かった。一方、源泉徴収された所得税の総額は、定率減税縮小の影響で9・9%増の約9兆9000億円となり、3年連続で増加した。潤う企業とは対照的に、給与が減り続ける上に税負担も増しているサラリーマンの厳しい懐具合が浮かび上がった。

 国税庁によると、1年を通じて勤めた給与所得者数は0・2%減の4484万5000人。給与総額も0・6%減の195兆153億円で、ともに2年ぶりに減少した。

 給与所得者のうち300万円以下の割合は38・8%。平均給与が過去最高となった1997年に32・2%まで減ったが、その後増え続けている。100万円以下も8・0%となって83年の水準に戻るなど、低所得者の割合が高まっている。

(2007年09月28日 FujiSankei Business i)

 もう、何から何までが嘘づくめで、順々に繋いでいくと何時まで経っても終わらないのでこの辺にしておきますが、平気で嘘八百を並べ立てるその性根だけは、何とかして是正出来ないものかと真剣に思います。

 さて、これだけスペースを割いておいて何なのですが、こんなものは枝葉末節の話であり、この問題において然程に重要な事ではありません。

 こちらを御覧下さい。

日本の病院では医師数が絶対的に不足している

はじめに

 今医療の現場は20年前と比べようもないくらいに過密で過重労働の職場になっています。「小児科医が足りない」「お産ができない」など連日報道されています。この3年間でお産ができる施設は5,000から3,000に著しく減少し、内科・外科・脳外科など救急疾患を扱う医師数も不足しています。今回のシリーズでは今の医療の現状と何故こうなったのか、どうしたら改善できるかをお話しします。

1.日本の医療は世界一と評価されているが

 日本の医療は世界保健機構(WHO)と経済協力開発機構(OECD)の報告書で、医療健康達成度、健康寿命が第1位と評価され、総合世界一となっています。

ところが医療に投入されているお金は、OECD加盟国中18位という低い状況です。

 国がお金を使わなくて国民の健康が守れると言うことは、その裏で多くの医療従事者の献身的な努力があってこそ初めて成り立っているのですが、多くの皆さんにはわかってもらえてないという現実があります。

2.病院での仕事が終わらない医師たち

 皆さんが病院に入院した時、医師や看護師に声をかけたくても忙しそうで声をかけれない経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。日本の医師・看護職員数を国際比較してみると、人口1,000人あたりの医師数は日本が2.0人なのに対し、ドイツ3.4人、フランス3.4人、アメリカ2.3人で日本の医師数は、ドイツの6割、アメリカの7割という状況です。

 病床100床当たりの医師数はアメリカの1/5、ドイツの1/3、看護婦数はアメリカの1/5、ドイツの1/2で毎年その格差は広がってきています。

  このような日本の病院の医師看護師不足は当然、医療の質にも大きく影を落としています。一人で何人分もの仕事をこなしても終わらない日本の医師の現状は、プロ意識に支えられていると言っても過言ではありません。ある人はこれを称して「特攻隊医療」といいました。アメリカの病院では一人の患者さんに向き合うとき、多くの専門医が患者さんを支えるチーム医療の体制をとっています。日本の病院では主治医として、診断から治療そして在宅ケアまで一人で何役もこなしており、勤務医は外来の患者さんの診察が終わってから時間外に入院患者さんの診察を行っています。

  またよく患者さんに誤解されていることの一つに「外来の担当ではない時の医師はお休み」というのがありますが、医師は外来以外にも検査や手術、往診、検診など患者さんの目につかないところで働いているのです。

 結局は病院医師数の絶対的不足のため、日本の一人の医師が、年間に診察する患者数は、8,500人でOECD平均が2,400人なので欧米の3.5倍の患者さんを診察していることになります。しかも外来患者さん一人当たりの診察料の平均は、日本が7,000円なのに対して、米国は62,000円、スウェーデンはなんと89,000円で日本は極端に低くなっています。

3.日本の医師は何故不足したのか? −12万人不足−

 日本勤務医は少しづつ増えてきてはいますが医師労働の過密化を補うものになってはいません。国際的にはこの30年でOECD平均の医師数は、1970年の1.4から2000年には2.8人に増加していますが、日本は1.1人から1.9人にしか増加しておらず29カ国中26位でその差はますます広がってきています。

  現在は日本で一番医師が多い県でもOECD平均を下回っており、現在の日本の医師数をOECD平均並みとして換算すると12万人不足しています。

 その原因は国の医療費抑制策にあります。「医師が増えると医療費が増える」と宣伝し1983年以降「医師過剰論」をふりまき、医学部定数を減らしてきたのです。医療の専門分化と高齢者増加に対応するために医師養成を増やしてきた欧米諸国との差がいま現実のものになったのです。

4.過労死寸前の病院医師たち

 このような絶対的医師不足の中にあって、多くの勤務医の労働は過労死寸前までになっています。大阪府医師会が49の病院でアンケート調査をしたところ、病院勤務医の1週間当たりの平均超過勤務時間は16.8時間で、20時間以上の超過勤務をしている勤務医は29.3%に上ることが明らかになりました。週20時間以上の超過勤務は、厚生労働省の過労死認定基準を超えるもので、約3割の勤務医は「過労死」環境の中で働いていることになります。

  また医師には当直がありますが、当直明けの翌日も94.7%の医師が通常勤務に就いています。しかしこのことはほとんど知られていません。多くの皆さんは看護師さんのように『夜勤明け』があるように思っておられると思います。外科医師は当直の翌日も普通に手術をしているのです。このことにこの国の政府は目をつぶり続けているのです。

5.どうして病院勤務医が辞めるのか

 今、日本の病院では最も活動的な40代のそれも内科や外科といった診療の中核を担う医師の退職が増えています。医師の仕事は「うまくいって当たり前、何かあったら医療事故?」というように責任を問われるだけでなく、帰宅後も担当患者さんに関する問い合わせ、夜間休日での緊急手術対応など、強いストレスで四六時中拘束される仕事です。その上現場の労働が極めて多忙になり医療事故と隣り合わせの状態に不安を抱いているのです。

 1人の医師が辞めるとその負担が他の医師にかかり、悪循環でさらに医師がやめていくドミノ現象がうまれているのです。

 この状況を突破するには医師の体制を厚くする(多くする)ことが必要ですが、これまで国がとってきた「低医療費政策(医療にお金を出さない、お金をかけない)」を転換しない限り困難です。

6.医療にまわすお金は本当にないのか

 政府のとり続けてきた「低医療費政策」の特徴は、第一に医師数や診療報酬を抑え医療費全体を低くすること、第二にその低医療費も国や企業の負担を出来るだけ減らして患者・国民に押しつけるというものです。その結果いままで国が国民健康保険への税金支出を減らしてきたため国保税があまりに高くなり全国で500万世帯が払えない状況になっています。さらに年々患者さんの「窓口自己負担」は増え、病院にかかれない状況が生まれています。一方で日本の病院の三分の二は赤字です。このような状況が続けば地域から病院がなくなり、いつでもどこでも安心して医療をうけられなくなるでしょう。

 では本当に医療にまわすお金はないのでしょうか。年間の医療費30兆円はパチンコ産業の30兆円と同じです。また日本の公共事業費はサミット6カ国の合計より多いという異常事態が続いています。

 銀行に対しては「公的資金」と呼び名を変えて税金を投入し、経営がよくなっても法人税0という状況です。大企業は最高の収益を上げているのに12兆円もの減税をうけ、その一方で国民には増税を押しつけているのです。これまでの消費税の累計148兆円はすべて法人税減税分145兆円の穴埋めに消えました。

  今の医療崩壊の問題の根本はお金がないのではなくて、医療にお金をかけようとしない政府の姿勢にあるのです。

7.低医療費政策を変えさせよう

 病院の医師が健康や生活に不安なく働き続けることができることは医療の根幹にかかわる課題です。医師の労働実態がこれほどまでに注目されたのは歴史上初めてといってもいいと思います。事態が深刻であるだけに『この国のあり方』にみんなが注目しています。今臨床研修に励んでいる青年医師やこれから医師を目指す医学生たちが、医師としての展望が語れるような医療環境を創り上げていかなければと強く思います。

(「鹿児島生協病院ウェブサイト」より)

 これが、「財政制度等審議会」とか名乗っている医療の事、国民の健康の事など全く考えていない人間とは違う、日々医療と、生命と向き合っている現場の医師の声です。

 ゴミ売りや惨景、日本不経済新聞は勿論、左翼気取りの売日やアカ日ですらも、このような医療の現場が抱える問題は殆ど報道せず、政府が掲げる「コスト削減」「効率化」という言葉を神からの啓示のように崇めたて、カイカクを進めていっているのが我が国の現状です。

 確かに、質の悪い医師が存在しているのも現実ですが、同時に、このような状況下ですらも、自らの職責を投げ出さず、出来る範囲で己の出来る事を精一杯続け、医療の質を保とうとしている医師がいる事も念頭に置かず、「医師=エリート・金持ち」というステレオタイプの発想で、「医師の給料は高すぎる」だの「医療には無駄なコストが掛かりすぎている」などと、政府の阿呆なプロパガンダに乗せられて愚民ヲドリを披露する事が、どれだけ愚かしい事なのか、どれだけ己の首を己で絞める行為なのか、もう少し真剣に考える必要があると言えます。

 世の中には、「コスト」などという薄っぺらい概念だけでは測れないものが、それこそ無数にあります。

 ファッションだけの薄っぺらい、上っ面のイデオロギーだけでアフォをマンセーし、そういうものを破壊し続ける人間こそ、紛う事無き「売国奴」であり「亡国奴」であると言えるでしょう。



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