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琉球新報(2007年10月11日 9:40) http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-27964-storytopic-1.html
文科省調査官が介入、波多野委員が初明言 教科書検定審議
【東京】文部科学省の高校歴史教科書検定で沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)の日本軍強制の記述が削除・修正された問題で、教科書出版社の申請本の合否や検定意見を決定する「教科用図書検定調査審議会」の審議に、文科省の教科書調査官が具体的に関与していることが10日、分かった。琉球新報社の取材に対し、同審議会の日本史小委員会委員の波多野澄雄筑波大教授が明らかにした。同教授は「集団自決」検定での教科書調査官の検定意見についても「違和感はあった」と指摘した。政府は審議会を「中立公平、第3者機関」と位置付けているが、検定意見の原案を作成する調査官が、審議過程にまで介入している実態が浮かび上がった。
検定過程では、審議会の下部組織に当たる小委員会が実質審議する。2008年度から使用される教科書について、日本史小委員会は06年10月、11月の2回、都内のビルで会合を開いた。文科省側は調査官4人を含めて10人程度、大学教授や高校教師ら専門家側は10人程度が出席した。
会合では、調査官が自身が作成した検定意見の原案となる「調査意見書」を読み上げる。審議内容について波多野教授は「調査官はもちろん議論に入ってくる。いろいろなことを意見交換する。全く委員だけで話すことはない」と話し、調査官を交えて議論すると説明。審議会の位置付けについては「文科省から独立した(第3者的)機関ではない」と明言した。
ただ、沖縄戦の「集団自決」について「議論はなかった」としている。
波多野教授は審議会の在り方について「沖縄戦の専門家がいなかったのは事実だ。専門家に意見を聞く機会があっていい。透明性という点でも不十分だ」と問題点を指摘した。
「集団自決」に関する記述に初めて検定意見が付いたことに「学術的に、沖縄戦の集団自決をめぐる大きな変化があるかと言えばそうではない。わざわざ意見を付けることにやや違和感があった」と述べた。
伊吹文明前文科相は今年4月に「公正な第3者の審議会の意見」と発言。渡海紀三朗文科相も10日の衆院予算委員会で「審議会は専門的、学術的立場から中立公平に審議するものだ」と答弁している。だが、調査官の具体的な議論への関与を許す審議会の公正・中立性は確保されていないと批判が高まりそうだ。
(与那嶺路代)
参考記事
沖縄教科書検定決議、採択困難に
http://www.asahi.com/politics/update/1009/TKY200710090448.html
[Takeruのコメント]
教科書検定調査審議会委員の波多野澄雄筑波大教授が、審議会へ文科省が介入したことを証言したという。文科省職員の身分でありながら、検定意見を読み上げるのみならず、第三者機関の審議会の議論にも入って発言するなど、これを文科省の介入と言わずして何と言う。
国会では、政府は審議会への「政治介入はタブー云々」を喧伝し、野党はそのフレーズにひれ伏し、本末転倒の騒ぎをしている。お門違いな場所で錦の御旗とでも思いこんでいるのか。
このようなお門違いも気がつかない馬鹿フレーズを、なんの疑問も持たずに「それもそうかも」と受け止める知的レベルもどうかと思うが、右左問わず中身のない小難しい政治用語の羅列で煙に巻く、政治屋の愚劣さここに極まりである。
検定意見撤回問題で「政治介入云々」の発言は、野党政治屋の道理知らずと、政権の責任逃れの「不当な検定意見不問作戦」と言わざる得ない。もっとも米国議会を見るまでもなく、所詮野党も隠れ自民、いや私欲と保身に身をやつす政治屋に過ぎないのだから予想はつく言動ではあるが。
政権側にとっては「政治介入云々」は無知な者に「もっともらしく国民に思いこませ、清廉潔白な政府に見せかける」ためにはいいフレーズと思っているのだろう。しかし稚拙なアイデアだ。そんな子供だましで騙されはしない。こういう場違いなフレーズをなりふり構わず叫ぶ破廉恥さには憤りを通り越して物も言えない。
「政治介入云々」が通用するのは、今回で言えば、審議会が公平・中立・公正に行われていた場合のみである。検定意見撤回は「政治介入云々」で阻止したり追求を躊躇する問題ではない。引用された著書も厳重抗議している歪曲に基づいた検定意見、審議会に対する文科省の介入という不正行為を是正する作業なのだ。
歪曲した引用の検定意見とともに、上記新聞記事によれば不正審議だったのだ。
従って検定意見撤回要求は「政治介入云々」以前の話だ。審議会は第三者機関と位置づけられたはずだ。しかし実態はそうでなかった。そのような審議会の検定は無効であり、堂々と介入して検定意見も白紙化し不正を是正するのは当然である。不正審議の証言・証拠は揃っている。それも新聞記事の通り審議会当事者側からの証言もある。己に都合の悪い証言証拠を示す者はまずいない。信憑性が高いということだ。民間なら司法の摘発を受けてもよいくらいの話しである。
「政治介入はタブー」とはお説ごもっともである。そのことにはまったく異論は無い。しかし繰り返して言うがそれには但し書きつく。
介入しようとする対象が「公平・中立・公正」にやっている場合だけであると。
今回政治屋は、この点を本末転倒のフレーズで紛らせている。いま当面の問題は教科書問題の落とし前をつけることだ。そして不正が出来ないように審議会の制度改革をすることだ。
国民を愚弄する予防措置としては、教科書問題に限らず、我々国民はこうした「問題を本末転倒した文言」で紛らわす政治屋の顔をしっかり頭に焼き付け、着実に選挙で落としていくことだと思う。
そうしなければ真綿で首を絞める国民の苦しさはどこまでも続く。
選挙の甘言に惑わされていけない。
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