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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007082890074037.html
2007年8月28日 07時44分
安倍政権の再生を懸けた改造内閣の布陣が二十七日、決まった。今回の人事に失敗すれば、命取りになりかねない−。そのことを熟知する首相・安倍晋三は、かつてないほど構想を練りに練り、入閣候補者の顔ぶれはギリギリまで二転三転した。組閣名簿が完成するまでのドラマを追った。
■女房役
安倍は改造に当たり、まず「女房役」の官房長官を決めようとした。意中の人は、総務相を務めていた菅義偉。
昨年の首相就任時には塩崎恭久を選んだ。塩崎は、安倍の盟友。滑らかな弁舌でスポークスマンに向いていたが、与党や霞が関との調整役は苦手だった。結局、「お友達内閣」の象徴として退場を余儀なくされた。
菅も、安倍の盟友だが、タイプは塩崎と正反対で根回しが得意。この菅に、安倍は内閣の再生を託そうとし、19日のアジア歴訪出発前、考えを暗に伝えていた。
自民党内では当選4回の菅の抜てきには異論もあった。「財政通で経済財政担当相経験者の与謝野馨が適任だ」「公明党は国対委員長・二階俊博の起用を求めている」などの情報が飛んだ。しかし、安倍は譲らなかった。
25日、不測の事態が起きる。菅の事務所費問題が、新たに明らかになった。菅は記者会見を開き、「潔白」を主張した。しかし、政治とカネの問題についての国民の目は、極めて厳しい。
「李下(りか)に冠を正さず」の思いで、安倍は「菅官房長官」を断念。与謝野を選んだ。
与謝野は、調整役としての力量は抜群だが、その一方で「官僚寄り」との指摘がある。自民党内で安倍に批判的な議員とも近い。
安倍は、必ずしも「お友達」とはいえない新しい女房役と、どんな政権をつくりあげるのか。
■政策転換
安倍内閣は、地方への目配りが足りない−。
これが、安倍内閣に突きつけられている国民の怒りだ。安倍は、この怒りに人事でどう応えるか、腐心していた。
そこで白羽の矢を立てたのが知事経験者だ。地方を熟知する人物に委ねれば「地方重視」のメッセージになる。
前鳥取県知事の片山善博の名も挙がったが、安倍の眼中には前岩手県知事・増田寛也があった。増田は「公共事業の3割削減」など、財政を健全化しながら改革を続けてきた。改革を進めながら地方対策を進めるには適任だと安倍は思い、8月上旬から水面下で接触を始めた。
「地方問題の解決のため、協力してください」
増田は、中央政府で分権改革に取り組むことには魅力を感じていたが、安倍政権の「道具」に使われるのは避けたかった。「時計の針をバラマキに戻すわけにはいきません」と安倍にも伝えた。
安倍は、総務相に加え、地方分権改革や格差是正、道州制を担当する内閣府特命相として、地方にかかわる全権を委ねる考えを伝達。増田が正式に了承したのは、27日の組閣当日だった。
■チーム解散
安倍が悩んだ、もう1つのテーマが、首相補佐官制度の扱いだった。
昨年9月、5人でスタートした首相補佐官は、小池百合子が防衛相になったことで4人になったが、「現政権の低迷は、安倍のそばにいる補佐官の不手際が原因」と指摘されることが多い。その批判は、補佐官たちだけでなく、制度そのものにも、向けられている。
安倍は改造を機に、補佐官制度の見直しを図った。拉致問題担当の中山恭子1人にする案、さらに党幹事長を退任する中川秀直を「超大物」補佐官として起用する案も取りざたされた。
だが、決定打がみつからないまま、時間切れを迎えた。結局、中山と教育再生担当の山谷えり子の2人だけが続投し、「2人補佐官制」に。安倍の真意はみえないが、この決着からは「官邸主導」に向けた気迫は感じ取りにくい。
(東京新聞・内閣改造取材班、文中敬称略)
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