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2007.8.2(その2)
森田実の言わねばならぬ[434]
平和・自立・調和の日本をつくるために【288】
赤城徳彦(前)農水相は安倍首相の「トカゲのしっぽ切り」の犠牲者である。最初に責任をとって辞職すべきは安倍首相自身である
「政治乱るるは則ち冢宰(ちょうさい=宰相)の罪なり」(荀子)
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8月1日、私は朝から赤城農水相辞任のニュースがいつ出るか、テレビのニュースを待っていた。前夜(7月31日夜)の記者会見で安倍首相は「赤城農水大臣を含めて内閣改造で人心を一新する」と発言した。これは赤城農水相に対する露骨な辞任要求であった。当人がどんなに鈍感であろうと「切られた」ことを理解できないはずはないと思っていた。安倍首相から「赤城よ、もういい加減で辞めなさい」といわれたようなものだ。赤城氏にとって安倍首相というつっかえ棒がなくなったようなものだった。11時30分のテレビのニュースで記者団に取り囲まれている赤城氏の姿が映し出された。安倍首相に辞表を提出した直後であった(ただし、鈍感な赤城氏は安倍首相のサインを理解できなかったようだ)。
それと同時に電話が鳴った。朝日新聞社社会部の記者からだった。私のコメントは正確に記録され、当日の8月1日付朝日新聞夕刊の社会面に次のとおり掲載された(見出しは「トカゲのしっぽ切りだ」)。
《安倍首相が前日「赤城農水相も含め、内閣改造を考える」と言い切った時点で、赤城氏は「辞表を持ってこい」と言われたようなもの。生き延びたい安倍首相本人によるトカゲのしっぽ切りでしかない。確かに自分の疑惑を晴らすことを拒んだ赤城氏も悪いが、根本的には参院選の結果に責任をとろうとしない安倍首相の問題だ。これまでも同僚政治家をつぶし、自殺者まで出した。政治のリーダーが最もしてはいけないこと安倍首相は始めている。》
朝日新聞記者の電話を切ると同時に、読売新聞社会部記者からコメントを求められた。これも正確に記録され、当日の8月1日付読売新聞夕刊の社会面に次のとおり掲載された(見出しは「安倍政治の犠牲者」)。
《赤城氏は安倍政治の犠牲者とも言える。安倍首相は任命責任を問われたくないため、ボロボロになるまで赤城氏を辞めさせなかった。安倍首相は、参院選大敗の責任を自分自身は取らずに、側近を切ることで乗り切ろうとしている。しかし、落選した人たち、参院選を戦った党の地方組織、自民党と同様に議席を減らした公明党など、今後、安倍首相に対して厳しい声があがり、四面楚歌に追い込まれるだろう》
自民党執行部や長老たちは、安倍首相一人を守ろうとしているように見える。自民党よりも安倍首相個人を大切にしようとしている。これは大きな過ちである。「一将功なりて万骨枯る」(曹松、中国・晩唐時代の詩人)という言葉がある。歴史において一将のために万民が犠牲になるということが繰り返されているが、真のリーダーがなすべきは、自分自身を犠牲にして万民を救うことでなければならない。
安倍首相も自民党の指導者たちはどうかしている。いま自民党がなすべきは、安倍首相・総裁辞任→総裁選規定による新総裁選出→新総裁のもと清新・清潔なる指導体制を確立することである。そして、国民に向かって、いままでの政策上の過ちを謝罪し、新政策を明らかにすべきである。その上で衆議院解散=総選挙を行い、国民に信を問うべきである。
安倍首相は、自分だけ生き残りを図ろうとしているように見える。これでは、自民党の再建・再生などできることではない。
安倍首相一人の生き残りのためにもがきつづけている安倍首相と自民党の姿は、醜悪である。安倍首相が辞任をいやがり、政権の座にしがみつこうとしているかぎり、自民党に未来はない。これくらいのことに気づかない自民党幹部たちはどうかしている。判断能力を失ってしまっている。平清盛亡き後の滅亡に向かってまっしぐらに落ちていった平家の最期の人に似てきた、といえないだろうか。
自民党はもはや政権担当能力はない。一日も早く総辞職して、民主党の小沢代表に政権をゆだねるべきである。それがいやなら、新内閣をつくり総選挙を実施すべきである。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03552.HTML
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