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(回答先: 日本再生のカギは現場で国民と接触している地方公務員にあり(森田実の言わねばならぬ)-「公務員叩き」に異議あり! 投稿者 JAXVN 日時 2007 年 7 月 20 日 08:22:12)
昼休み板にでもしようと思ったんですが、常連さま方のお邪魔に
なるといけないので、あえてこちらに。
「日本再生のカギは現場で国民と接触している地方公務員にあり(森
田実の言わねばならぬ)-『公務員叩き』に異議あり!」
http://asyura2.com/07/senkyo38/msg/819.html
に寄せて・・・。
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父の思い出
私がまだ子供だった頃には、鉄道のストもよくある出来事でした。
大人たちが困った顔をしているのを見て、なんだかあまり都合の
よくないことだとは思いながらも、普段は入ってはいけない、登っ
てはいけないところで遊べる(いや、いけないには違いないのだ
けれど)、ちょっとスリリングな感覚もあったものでした。
あるとき、テレビのニュースが、東京でのストの模様を流していま
した。インタビュアーが、当時30代位のサラリーマン氏にマイクを
向けていましたが、そのサラリーマン氏は、怒りと軽蔑に満ちた顔
で「○×△■※……全く困った連中で迷惑この上ない。ストなど
やめてさっさと働け!」などと、かなり強い調子で罵っていました。
他の人たちも、表現こそ、そこまで強くはないものの、中身はだい
たい、同じような様子。
どこの局かはおぼえていませんが、いま思えば、当時ならまだ理解
しようとする発言もあったはずで、おそらく、世論誘導のために、
敵対的な意見を選り抜いて、流したのでしょう。
そういえば、「ストがない」ことで人気(?)の鉄道会社もありま
した。
ちょうどそばに父が―自営業だけれど、ストで客が来ないので―
いたんですが、「こんなことは言うもんじゃない、迷惑かも知れ
ないが、別にやりたくてやってるわけじゃない、みんな、生活が、
かかってるんだ。こんな、サラリーマンだって、ひょっとして、
いまにどうなるかわからんのだから……」要するに、「お互い様
なんだから」というわけでしょう。
正確ではないですが、あのなんともいえない顔と口調は、今でも
よくおぼえています。戦争の経験から、保守層への不信感をかなり
強く持っていたとはいえ、選挙には行くという程度の、とくに政治
的にどうこう、という父ではありませんでしたので、この認識が
厳密にどう評価されるのかも、(また、どう評価するべきか)わかり
ません。単なる、普通のオヤジでした。
あの日のサラリーマンはじめ、乗客たち、マスコミ関係者も、ほぼ
全員、定年を迎えたことでしょう。あの人たちや家族は、いまでも
無事で、ストを笑っていられるご身分でしょうか。もう忘れている
でしょう。でもおそらくは、そうではない人も少なくないはずです。
残念ながら「いまに……」は、現実になりました。
鉄道に限らず、ストはめったになくなりましたし、それどころか、
労働組合の話題を耳にする機会もずいぶん減りました。父が逝って
から十年余り、小泉と安倍の時代になって、あの日の言葉をこう
して思い出すことが、とみに増えてきた小生なのでした。
(終わり)
「会社に逆らう」「国に逆らう」「客に逆らう」と、悪態をついた
あげく、「ストのない『秩序ある』社会」とやらが達成されるや、
ニーメラーの詩なみに、自分たちにお鉢が回ってきた「庶民」様が、
たくさんいたというわけでしょう。
我々の世代では、できるだけ繰り返したくないお話です。
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