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抗争耐え自主独立路線確立 忘れがたい「風圧」(中国新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo38/msg/703.html
投稿者 熊野孤道 日時 2007 年 7 月 18 日 20:00:41: Lif1sDmyA6Ww.
 

(回答先: 訃報:日本共産党元名誉議長の宮本顕治氏死去、98歳(毎日新聞) 投稿者 gataro 日時 2007 年 7 月 18 日 18:04:48)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200707180421.html

抗争耐え自主独立路線確立 忘れがたい「風圧」 '07/7/18

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 「風圧」を感じる政治家にはめったに出会うものではない。その存在自体が他を圧する威厳である。宮本顕治氏は数少ない一人であった。白いまゆ毛の下に鋭く光る眼孔が今でも忘れられない。

 二十年ほど前のことになるだろうか。共産党を担当するマスコミ数社の記者で月に一度ほどのペースで宮本氏を囲む懇談会があった。多くは語らず、決まっていつの間にか話題は自民党内の派閥抗争になっていった。宮本氏からすればマスコミを通じ「敵を知る」貴重な機会となっていたのだろう。記者の話にじっと耳を傾け、時折、寸評を加えるのが常だった。

 かつて自民党の派閥抗争は大平正芳氏の命を奪う結果となった四十日抗争に代表されるように、極めて激しかったが、共産党の党内抗争も負けず劣らず熾烈な歴史を刻んで来た。そのまっただ中でほぼ半世紀の抗争史で勝ち残ったのが宮本氏である。

 宮本氏は東大在籍中に芥川竜之介を批判した文芸評論「『敗北』の文学」で脚光を浴びると同時に、共産主義運動に傾斜、一九三一年に非合法下の共産党に入党。三三年にスパイ査問事件で逮捕されたが、完全黙秘を貫いた。終戦直後の四五年十月に釈放されるまで「獄中十二年」の経験は「不屈の闘士」として共産党内での指導的立場のバックボーンとなった。

 戦後の共産党再建の中では徳田球一氏らの「極左冒険主義」路線と対決。一九五八年に書記長に就任して以来、九七年に名誉議長として事実上の引退をするまで約四十年間、地道な党員拡大と機関紙・赤旗の拡大戦術による選挙重視の「平和革命路線」で党内の主導権を握ってきた。

 また、国際共産主義運動の中でも、ソ連、中国両共産党に対し果敢に路線論争を挑み、「自主独立路線」を確立した。この間、ソ連派の志賀義雄氏ら、中国派の西沢隆二氏らを反党活動の名の下、次々と除名するなど「民主集中制」の原則で組織の純化にらつ腕を振るい、「宮本体制」を完成させた。

 「長州は知あれど狡猾」と司馬遼太郎氏が評したように、山口県出身の宮本氏もその例外ではない。党内からは、宮本氏の巧妙な立ち回りと権力保持に対し「ズル顕」の悪口が聞かれたこともある。しかし、読みの深さ、用意周到さ、決断したときの果断な実行力は、「株式会社・日本共産党」を育て上げた「偉大な組織者」としての党内外の評価を定着させた。

 現在、共産党は約四十万人の党員、百六十万部を超える機関紙、衆参で十八議席の国会議員に加え約三千四百人の地方議員を擁する。ソ連、東欧共産党政権の崩壊という激動にも耐え、こうした党勢を維持し続けるのは世界の共産党の中でもまれな存在といえる。

 しかし、二○○○年十一月の党大会で「労働者階級の前衛党」の看板を下ろし、より柔軟な現実路線にかじを切ったにもかかわらず、自民・民主の二大政党化の流れの中で低迷を続けている。宮本氏が果たし得なかった「政権獲得の夢」は遠のくばかりだが、病床の宮本氏からの論評はついになかった。(共同通信ニュースセンター副センター長、松崎茂一郎)

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