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(回答先: 特別シリーズ「日本の安保・防衛『国をまもる』」―第9回 マレー・マクレーン駐日豪国大使に聞く(上) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 6 月 19 日 21:58:24)
政治記事読みくらべ
2007年6月19日
特別シリーズ「日本の安保・防衛『国をまもる』」―第9回 マレー・マクレーン駐日豪国大使に聞く(下)
日本の安全保障に対する認識を深めるために、防衛庁長官(当時)をはじめ関係閣僚、与・野党首脳、財界首脳、学識者にインタビューするシリーズ「日本の安保、防衛『国をまもる』」。
シリーズ9回目の今回はこれまでのテーマから枠を広げて、日本の安全保障を考える上で欠かせないアジアの安全保障を考える。その初回に、今年3月、「日豪安保共同宣言」に署名し、2国間の安保協力を深めているオーストラリアのアリステア・マレー・マクレーン駐日大使にご登場願った。同大使は「今年は日豪通商協定50周年を迎えた。その年に2国間で安全保障での協力関係を拡大する安保共同宣言に調印した。このことは、この地域(アジア)の安全保障に繋がる」との認識を示した。また、中国の軍備増強について「経済発展する国は軍備増強するのは自然」と脅威として受け止めていない、との発言は注目された。このインタビューは(上)、(下)2回に分けてお届けする。
インタビュアーは、川戸惠子・TBSシニアコメンテーター。(収録は5月22日)
(立ち会ったのは同大使館の駐在武官、広報担当参事官、防衛省国際企画課員)
「中国、経済発展につれて軍備増強は自然。過剰な心配不用」
次に今、世界で注目を浴びている中国の軍備増強、北朝鮮の核問題についてのマレー・マクレーン大使のお考えを伺った。
大使は「この地域で中国が大国として発展していることは非常に重要。経済が発展すれば軍事的にも強化していくということは自然なこと」と明解に言い切ったのには驚いた。
さらに、「だから、あまり過剰に心配しすぎないことが重要だと思う」とつづけた。
同時に軍備増強に関しては「その透明性については、問題があると思う。私は中国が説明していないとは思いませんが、今後も他国に対して適切な説明を続けていくことが重要です。そうでないと他国から信頼を得られなくなる」と、世界の各国と同様、透明性を求めていた。
「北の核、地域の安全保障に大問題、日本と協力して対応」
北朝鮮問題について大使は「中国よりも、さらに心配なのは近々の問題としての北朝鮮の核活動」との表現をした。
つづけて「6ケ国協議で合意したことを歓迎したが、北朝鮮が交渉のテーブルに戻らないことは非常に残念。このことに関しては日本と緊密な協力が必要で、昨年も(国連での制裁決議時)協力して積極的に対応した」と述べるにとどめた。
ここで、再び「日豪安保共同宣言」のアクションプラン(行動計画)の中身の話に戻してもらった。
「『2プラス2(日豪安全保障協議委員会)』近く開催、そこから具体的に動き出す」
大使は「宣言の核になるのがアクションプラン。そのひとつが『2プラス2』。防衛、外務大臣の会合です。まだ日程の正式発表はできないが、この会合がアクションプランを後押しすることになる。これによって、具体的な活動が出てくる」と話し、『2プラス2』の日程が近いことを示唆した。
最後に、「この宣言で具体的な行動を起こす時に日本には制約がある。日本に何を望みますか」と水を向けてみた。
「共同宣言は安全保障条約、同盟ではない」
すると、大使は「共同宣言のキーポイントは、これが安全保障に関する条約ではない。同盟でもないということです。おっしゃったように日本には憲法上の制約がある。PKOとか自衛のため以外には自衛隊は使えない。このことは日本の国会、政府が決めることで、今後どうなっていくか、我々は非常に関心をもって見守っております。これ以上、詳細をお話するのは難しい。集団的自衛権に関しては非常に重要なエリアと思っている。これには我々は関われない。その議論には入れないわけです」と、慎重に言葉を選び、日本国内の微妙な問題であることを知って、当然のように、避けていた。
「海上保安、PKO、人道支援、テロ対策など協力課題は多い」
さらに、大使は「共同宣言は防衛に関してだけでなく他の分野も書かれている。署名の前に8、9の省庁と内容を精査して承認した経緯がある。防衛以外に国境警備、法の執行、大量破壊兵器の拡散防止、海上保安、PKO、人道援助などさまざまです」と多くの分野での協力を盛り込んでいる事を強調していた。
それでも、最後に「もちろん、集団的自衛権に関して、日本政府、国会が今後、(方針、考え方を)変えるということであれば、状況は変わってくると思っています」と、集団的自衛権に強い関心を寄せていることを滲ませていた。(川戸惠子)
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