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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070618-02-0801.html
政治記事読みくらべ
2007年6月19日
特別シリーズ「日本の安保・防衛『国をまもる』」―第9回 マレー・マクレーン駐日豪国大使に聞く(上)
日本の安全保障に対する認識を深めるために、防衛庁長官(当時)をはじめ関係閣僚、与・野党首脳、財界首脳、学識者にインタビューするシリーズ「日本の安保、防衛『国をまもる』」。
シリーズ9回目の今回はこれまでのテーマから枠を広げて、日本の安全保障を考える上で欠かせないアジアの安全保障を考える。その初回に、今年3月、「日豪安保共同宣言」に署名し、2国間の安保協力を深めているオーストラリアのアリステア・マレー・マクレーン駐日大使にご登場願った。同大使は「今年は日豪通商協定50周年を迎えた。その年に2国間で安全保障での協力関係を拡大する安保共同宣言に調印した。このことは、この地域(アジア)の安全保障に繋がる」との認識を示した。また、中国の軍備増強について「経済発展する国は軍備増強するのは自然」と脅威として受け止めていない、との発言は注目された。このインタビューは(上)、(下)2回に分けてお届けする。
インタビュアーは、川戸惠子・TBSシニアコメンテーター。(収録は5月22日)
(立ち会ったのは、同大使館の駐在武官、広報担当参事官、防衛省国際企画課員)
「『日豪安保共同宣言』で両国関係は拡大」
まず、最初にイラク再建を支援するサマワでの自衛隊の活動を守ってくれた豪州軍にお礼を申し上げた。
大使は「こちらこそ、ありがとうございました。イラク南部・サマワでの日豪協力は非常に成功した例。今後も両国は平和維持活動やその他の分野で協力を続けていくことができると思います」と、サマワでの日豪関係が評価されたことに満足気だった。
続けて、経済だけでなく、安全保障面でもこれまで、カンボジア、東ティモールなどでのPKOで両国は協力関係を重ねてきたことに触れた。
大使は「2007年は(日豪)通商協定締結50周年。これは両国の経済関係の非常に画期的な土台となった条約です。2国間の貿易、経済に止まらず、他の分野にも拡大している。(今回の日豪安保)共同宣言は、両国関係が拡大いていくことの現われでもあります」と、今後の両国関係が明るいことを展望した。
また、今回の安保共同宣言は日米同盟以外で安全保障面では初めての2国関係。どうして、今回、共同宣言を結んだのか。その意味を尋ねた。
「3国同盟ではない。2国間の提携強化が、この地域の安保につながる」
大使は「日米安保条約はこの(アジアの)地域が50-60年間、比較的静かで安全であったのも、この安保条約のお陰です。豪州も米と1952年から同盟を結んでいる。
この日、米、豪の3角の関係の2つの国が今度、安全保障宣言に署名したことになる。
米との2国間の同盟関係を強化すると3角の関係でバランスが取れなくなる。そのために2国間での関係を結んだ。3国同盟ではない。それが、2国の安全保障に資するとともに、さらにこの地域の安全保障に資するものと考えています。」と、共同宣言の本質を解説した。
「アクションプラン(行動計画)に期待」
さらに、この地域は広い海域を抱えている。マラッカ海峡もありテロの危機など大きな問題があることを指摘すると。
大使は「豪日共同宣言署名で、両国の政府の間で現在、アクションプラン(行動計画)を作っている。これから数か月間で、海上安全、国境警備、大量破壊兵器の拡散対策、テロ対策などが盛り込まれます。これによって、2国間の協力関係はさらに深まる」とアクションプランに強く期待した。
「日豪安保共同宣言は特定の国は念頭にない」
そこで、「この3国関係が強くなると、中国からの反発が出てくるのではないか、との声がある。大使のお考えをお聞かせ下さい」と突っ込んでみた。
すると、大使はすかさず「私はそうは思わない」ときっぱり言ってのけ、さらにその理由を挙げた。
「これは3国の戦略対話です。これは、如何にこれまでの協力関係を強化していくか、また、地域の安全保障を強化していくかを話し合っていくためのものです。これは特定の国を念頭に置いたものではない。如何に協力関係を深めて行くかを、話し合うための対話です」と、中国を意識したものではないことを力説した。
さらに、この3国とインドとの関係を質問した。
これに対しては「我々とインドの協力関係は非常に強力で長い。貿易も強いつながりを持っている。中国、日本との貿易ほどではないが非常に重要な国です。日豪米は長いつながりがあり、この3国とは安保対話。これにインドが加わる日豪米印の4か国関係とは別のもの。4か国は5月25日に会談する。これは民主主義的な共通の価値観を共有して、他の共通事項を話し合う場です」と解説した。インドとは一線を画している、と説明したのが印象的だった。=(下)につづく。(川戸惠子)
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