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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070610ddm013100098000c.html
教育制度:フィンランド、子どもの学力が世界トップクラス 自慢の教育法、HPで
子どもの学力が世界トップクラスとして知られるフィンランド。その教育制度が注目を集めている。駐日フィンランド大使館は5月末、インターネット上のホームページ(HP)「プロジェクト・フィンランド」を立ち上げ、教育制度や自国の紹介を始めた。HPをのぞくとフィンランド流「学力の育て方」が垣間見える。【望月麻紀】
◇駐日大使館、11〜15歳向けに
フィンランドの教育が注目されたのは、経済協力開発機構(OECD)が発表した03年の学習到達度調査(PISA)で総合1位に輝いたのがきっかけだ。
PISAは、参加41カ国・地域の15歳が対象。数学的活用力、読解力、科学的活用力、問題解決力の4分野で、知識や技能の実生活での応用力を評価する。日本は読解力以外はフィンランドと同程度の最上位グループだった。だが、読解力は14位で、1位のフィンランドとは差がついた。
以来、大使館には教育制度に関する問い合わせが相次いでいる。そのため、4年前に駐米大使館が立ち上げたHPを日本向けに改編した。
対象年齢は11〜15歳。(1)フィンランドの学校と仕事(2)美しい環境を守るために(3)世界の中のフィンランド−−の3テーマについての解説を日本語で掲載。同国の作家、トーベ・ヤンソンさんの作品に登場する「ムーミン」が案内役で、内容の理解を確認するクイズもある。
フィンランドの紹介だけでなく、日本の子どもがフィンランドと比較しながら自国についても学べるような工夫が凝らされているのが特徴だ。例えば「フィンランドにある木の種類は約20種。日本には何種類の木が生えていますか」と問い、環境省や林野庁の子ども向けHPも紹介している。
ヨルマ・ユリーン大使は「フィンランドでは、自発的な学びが大事だと考えられている」と言う。リーサ・カルビネン参事官は「分からない言葉は辞書で調べる。難しさがある方が学習効果がある」と、対象年齢最年少の小5では未修の漢字もHPに含まれている理由を説明する。
プロジェクト・フィンランドはhttp://projectfinland.jp/
◇少人数でのびのび/「なぜ」ぶつけ合い/自発的な学び尊重
フィンランドの義務教育は日本と同じ9年間。1学級25人以下で、低学年の場合、10人以下での授業もあり、教師も子ども同士も「なぜ」「どうして」をぶつけ合いながら学ぶ。余裕があるのは、1992年に教科書検定を廃止し、94年には国が定める学習内容を10分の1に減らしたためで、具体的な学習内容は学校や自治体が独自に決める。
フィンランドの教育に詳しい福田誠治・都留文科大教授は「子どもによって疑問に思う点や、学びのペースは異なる。国が定める学習内容が少なく、小学6年間は担任教師も代わらないため、フィンランドでは長期的視野で育てられ、落ちこぼれを作らない仕組みになっている。『なぜ』という問い掛けを繰り返すことで、自発的な学習が進むのだろう」と解説する。
教師は修士課程を修了し、社会的地位も高い。クラブ活動の指導はせず、放課後は授業準備などにあてる。教育費は大学まで公費でまかなわれる。義務教育では教科書のみならず、文具も公費負担で家計の負担は少ない。
日本と比べ、読書時間は多い。00年のPISA調査では、1日30分以上の読書をする子の割合は、日本の3割に対し、フィンランドは5割。日本は5割超が0分だった。この読書傾向が読解力の差に影響しているという分析もある。
毎日新聞 2007年6月10日 東京朝刊
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