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筆洗(5/20)【東京新聞】
沖縄県の住民は、「銃剣とブルドーザーによる接収」と呼んだ。一九五三年四月、米軍が土地収用令に基づき、座り込みで抵抗する住民を排除し、ブルドーザーで家屋を潰(つぶ)して民有地を接収。基地を拡張したことを指す。だから沖縄の米軍基地問題は、県民感情を抜きに語れない▼名護市のキャンプ・シュワブ沖で、米軍普天間飛行場の移設に向けた調査が始まった。サンゴの産卵やジュゴンなどの生息状況を調べるため、民間とともに自衛隊のダイバーが潜水し、機器類を備え付けている。調査地点から離れた海域には、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が待機している▼平時における自衛隊の活動には「(民間との)非代替性」「公益性」「緊急性」という三つの要件が満たされる必要がある。防衛省は防衛施設庁という「身内」からの要請を受けて派遣を決めたが、三要件を満たしているのか疑問符が頭をよぎる▼沖縄県は移設計画の見直しを政府に求めており、移設反対派は調査を阻止するため現地で活動している。そこへ自衛艦が姿を見せれば、県民感情として「圧力」との受け止め方が出てくるのは自然だろう。銃剣とブルドーザーの記憶が甦(よみがえ)る人もいると聞く▼移設を決めた橋本龍太郎元首相とクリントン前大統領の間では、県民の基地負担に「敏感」に対応するとの約束事があった。基地の成り立ちを考えれば、不変の約束事として扱うことが望ましい▼県民感情に鈍感に対応するようでは、国民感情にも鈍感に対応するのだろうと想像してしまう。沖縄の海から目が離せない。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2007052002017524.html
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