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(回答先: 「医療崩壊」の鍵握る裁判の行方 投稿者 Kotetu 日時 2007 年 4 月 29 日 18:07:26)
麻酔科医 「出血時、記憶にない」、調書揺るがす発言繰り返す
福島県立大野病院事件で第3回公判軸丸 靖子(2007-03-17 19:30)
「調書には、ニュアンス的なものが無視され、断言したかのように書かれた。私も、取り調べでは半分あきらめるような気持ちだった」――。
福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開術を受けた女性が大量出血で死亡し、業務上過失致死と医師法21条違反(異常死の届け出義務)で同院産婦人科の加藤克彦医師が逮捕・起訴された事件の第3回公判が3月16日、福島地裁(大澤廣裁判長)で開かれた。
公判が行われている福島地裁 (撮影者:OhmyNews編集部) 証人審問には、手術に立ち会った麻酔科医と助産師の2人が出廷。
この麻酔科医は、警察や検察での取り調べで、「加藤医師がクーパーを用いて胎盤剥離(はくり)を始めると、子宮の中からわき上がるような出血が起こった」と供述したとされる。
この日は証言台で、大量出血があった時間帯や、警察で調書を取られた際のやりとりについて「記憶がない。思い出さない」と強調。「思い出さないが、断定する言い方はしていない」と、調書内容を弱める発言を繰り返した。
麻酔科医に対する審問は、午後1時半から6時過ぎまで4時間半という長丁場となった。
審問は、「加藤医師がクーパーを用いて胎盤剥離を開始したころから、子宮内で次々と沸き出るような出血が始まった」とされる部分に集中した(福島県立大野病院事件、冒頭陳述の要旨_検察側参照)。
まず検察側に、大量出血の様子を問われた麻酔科医は、「お風呂がわくような、スイッチを入れると下からどんどん水位が上がってくるような出血だったと思う」と発言した。出血のタイミングについては調書では、「胎盤剥離の最中にあった」としている。
しかし、弁護側が、このタイミングでは麻酔記録と矛盾する点を指摘すると、「どの時点でわき出るような出血を見たかについては記憶がはっきりしない」と証言を変化させた。
さらに、警察や検察の取り調べの際は自身も被疑者として扱われており、特に2006年2月に加藤医師が逮捕された直後の取り調べでは「自分も逮捕されると覚悟していた」と心理的な動揺があったことを告白。
供述段階から証言を変質させていることを裁判官に問われて、「取り調べで行った供述が、そのまま裁判で使われるとは知らなかった。調書に書かれているのなら、取り調べで自分がそう言ったのだと思う。だが、発言のニュアンスや、はっきりとは言っていないところも、調書では断定的に書かれてしまっていた。(警察や検察は)『そういうところなのだな』と半分あきらめてしまった」と語った。
また、麻酔科医に先立って午前中に証言した助産師は、娩出された胎盤の状態について、「母胎面(胎盤と子宮が癒着していた面)がぐちゃぐちゃで、欠けている部分もあり、見たことのない状態だった」と述べた。
これに対し、弁護団は助産師に「前置胎盤や癒着胎盤の症例を見たことがありますか」と反問。助産師は「ありません……」と答えた。
■航空や鉄道のように、「医療事故にも専門調査委を」と弁護士
公判後、記者会見した平岩敬一弁護士は、「前置胎盤、癒着胎盤とも経験がないという助産師の観察では発言に意味がない。今回の証人は、2人とも、検察側の主張にプラスにはならなかった」と解説した。
その上で、最近話題になっている痴漢えん罪事件を例に出し、「日本の刑事事件では、調書は『供述調書』『自白調書』と言われ、捜査官の作文になりがちだ。それをベースに裁判を進めるのは無理がある。近年は、刑事捜査でも物的証拠、科学的根拠を重要視する方向に進みつつあるが、これをもっと進めなければならない」
「特に医療のような専門性の高い分野では、(航空・鉄道事故調査委員会のように)専門調査委員会を設けて原因究明をすることを早く始めなければならない」と、今回の事件の背景となっている刑事捜査の欠点や、医療安全体制の不備を指摘した。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070410/6024
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