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安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する再質問と安倍首相の答弁 = 辻元清美
http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/744.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 4 月 20 日 22:01:09: mY9T/8MdR98ug
 

(回答先: 日本政府の「靖国神社への合祀問題」に関する質問と政府答弁 = 辻元清美 投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 4 月 20 日 21:58:25)

http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2007/04/20-1248.html

安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する再質問主意書

右の質問主意書を提出する。

平成一九年四月一〇日

提出者  辻元清美

衆議院議長  河野洋平殿

安倍首相の「慰安婦」問題への認識に関する再質問主意書

辻元清美提出の「安倍首相の『慰安婦』問題への認識に関する質問主意書」に対し、政府は二〇〇七年三月一六日、「同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである。」と答弁した。

それに対し、韓国政府が遺憾の意を示し、米国内でも主要紙が「九三年の河野官房長官談話を弱めるもの」「民主主義大国の指導者として不名誉」と指摘するなど、波紋が広がっている。

一方、一九九四年一月二四日に公表されたオランダ政府の公文書「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」"Gedwongen prostitutie van Nederlandse vrouwen in voormalig Nederlands-Indie"と題する報告書には、軍・官憲による暴力的拉致のケースが数多く記録されている。:(A)一九四三年三月にジャワ島ブロラで二〇人のヨーロッパ人女性を日本軍が監禁・レイプしたケース(B)一九四四年一月、抑留所からマゲランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース(C)一九四四年二月、抑留所からスマランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース(D)一九四四年四月、スマランで女性たちを逮捕し、スラバヤやフローレス島の慰安所に移送したケース

なかでも(C)のケースは「スマラン慰安所事件」として知られており、バタビア臨時軍法会議で、現地日本軍部隊が抑留所にいる若い女性を暴力的に拉致して慰安所に入れたとして、死刑判決が下されている(起訴理由概要「スマラン幹部候補生隊長として同隊附軍人及び同隊附勤務市民が昭和十九年三月及び四月「スマラン」の各収容所及び「アンバラワ」の収容所に抑留されありし約三十五名の婦人を慰安所に宿泊せしめ売淫を強制し強姦し又不当に取扱った責任」)。当該事件ついては、オランダ人のジャン=ラフ=オハーン氏が、二〇〇七年二月一五日の米下院外交委員会公聴会で、「日本軍の将校に連行され、慰安所で性行為を強要された」と証言している。日本政府はサンフランシスコ平和条約第一一条「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」によって、BC級裁判に当たるこの判決を受諾している。そうである以上、判決は公文書として取り扱うべき性質のものであり、公文書から除外してきたことが明らかになれば、国際的な非難を受けることにつながりかねない。

さらに、このような状況下で、オランダ外相が駐オランダ大使に、冒頭の答弁書について説明を求めたという報道もされている。

四月三日、安倍首相はブッシュ米大統領に電話で「自分の真意や発言が正しく報道されていない」と伝え、河野官房長官談話の踏襲をあらためて伝えたと報道されている。安倍首相の訪米に、日本のみならず世界中が注目しているいま、アジア、そして米国世論に向けて安倍首相の「慰安婦」問題への認識を誠実に伝えることは急務である。

従って、以下、質問する。

一 《極東国際軍事裁判》について

1 安倍首相は極東国際軍事裁判について「平和に対する罪と人道に対する罪で裁かれたが、(いずれも)その段階でつくられた概念だ。罪刑法定主義上、犯罪人だということ自体おかしい」(二〇〇六年一〇月六日・衆議院予算委員会)と述べている。安倍首相は、「平和に対する罪」と「人道に対する罪」は法律的に無効なものという認識か。また、極東国際軍事裁判では、被告は「通例の戦争犯罪」でも裁かれているが、これも認めないという認識か。

2 極東国際軍事裁判所の判決は、中国に関する項目の中で「桂林を占領している間、日本軍は強姦と略奪のようなあらゆる種類の残虐行為を犯した。工場を設立するという口実で、かれらは女工を募集した。こうして募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した」(極東国際軍事裁判速記録、判決速記録一八六ページ)と述べているが、安倍首相はこの判決について正当性がないと考えるか。

<一の1及び2について>

極東国際軍事裁判所の裁判については、御指摘のような趣旨のものも含め、法的な諸問題に関して種々の議論があることは承知しているが、いずれにせよ、我が国は、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号。以下「平和条約」という。)第十一条により、同裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について異議を述べる立場にはない。

二 《オランダ政府公文書「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」》について

1 安倍首相は前述の(A)〜(D)のケースを知っていたか。それぞれについて明らかにされたい。

2 (A)〜(D)それぞれのケースで、当該慰安所は日本政府または旧日本軍の命令で閉鎖されたのか。されたとすれば、いつ、どのような理由で閉鎖されたのかを明らかにされたい。

3 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者は、日本政府または旧日本軍の手により処罰されたのか。されたとすれば、誰が、どのような処罰をされたのか明らかにされたい。されなかったとすれば、その理由も明らかにされたい。

4 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者が日本政府または旧日本軍の手により処罰されたという事実があった場合、事件の関係者を処罰することをもって、日本政府または旧日本軍が加害者でなかったとする証明と見なし得るか。安倍首相の見解を示されたい。

5 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府が遺族年金・恩給を支払ったものはいるか。誰に、どのような資格で、何年間、総額いくらを支払ったのか。またそれは、誰の、どのような判断によるものかを明らかにされたい。

6 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府が靖国神社へ祭神名票を送ったものはいるか。送ったとすれば、誰の、どのような判断によるものかを示されたい。

7 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府と靖国神社との合祀に関する打合せの際に、留保されたものはいるか。されたとすれば、誰の、どのような判断によるものかを明らかにされたい。されなかったとすれば、日本政府が靖国神社と共同で決めた合祀基準に適合するという判断を、政府自身がしたということでよいか。安倍首相の認識を示されたい。

8 河野官房長官談話は「(慰安婦の募集については)官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」としているが、(A)〜(D)それぞれのケースはそれに相当するか。安倍首相の認識を示されたい。

9 安倍首相は、オハーン氏のケースは、旧日本軍将校が「約三十五名の婦人を慰安所に宿泊せしめ売淫を強制し強姦し又不当に取扱った」ケースであるという見解か。そうでないという見解であれば、オランダ当局が開いた軍法会議の判決は不当であると考えるか。そうであるという見解であれば、安倍首相は、「当初、定義されていた強制性を裏付けるものはなかった。その証拠はなかったのは事実ではないかと思う。」とする三月一日の発言を撤回するか。

10 オハーン氏のケースは、旧日本軍司令部からの指示を示す書類の有無に関わらず、現場では旧日本軍の直接的関与による強制連行および性行為の強要が存在したことを示していると考えられるが、安倍首相の認識はいかがか。また日本政府は、こうしたケースを他に把握しているか。

<二の1から10までについて>

オランダ出身の慰安婦を含め、慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである。

御指摘のオランダ政府の報告書の内容は承知しているが、同報告書はオランダ政府が作成したものであり、これに基づいて、お尋ねの個々の事例についてお答えすることは差し控えたい。

11 日本政府は、バタビア臨時軍法会議の判決を公文書として認めるか。認めないのであれば、日本政府はサンフランシスコ平和条約第一一条を破棄するのか。

<二の11について>

お尋ねの「判決を公文書として認める」の意味が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、我が国は、平和条約第十一条により、連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾しており、国と国との関係において、同裁判について以後を述べる立場にはない。

三 政府は「慰安婦」の人数、「慰安所」の数をどの位と推計するか。その根拠も示されたい。

<三について>

慰安婦問題について平成三年十二月から平成五年八月までの間において政府が行った調査(以下「政府調査」という。)からは、お尋ねの数について推認させるに足りる資料がないため、お答えすることは困難である。

四 オランダ外相の説明要求に対し、日本政府はどのような回答をしたのか、明らかにされたい。

<四について>

我が方在オランダ大使より、オランダ外相に対し、慰安婦問題に関する日本政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を継承するものであること、また、安倍総理は、元慰安婦の方々が極めて苦しい状況に置かれ、辛酸をなめられたことにつき、心から同情し、おわびする旨明確に述べていること等を説明した。

五 陸軍経理学校で使われていたとされる「慰安施設設置要綱」(あるいは「特殊慰安施設設置要綱」、通称「ピー屋設置要綱」)という文書について、文書そのものがあれば概要を明らかにされたい。文書そのものがなければ、当該文書について触れられた書物などの概要を明らかにされたい。

右質問する。

<五について>

政府調査では、御指摘の文書自体及び同文書について触れた書物等は確認されなかった。

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