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http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?j=0032より転載。
君が代伴奏*軽視された内心の自由(2月28日)
小学校の入学式で、校長が職務命令で教員に「君が代」のピアノ伴奏を命じたことは合憲だ、という判決を最高裁が言い渡した。
ピアノ伴奏を拒否することは、思想良心の自由の問題とは別だという。最高裁は、職務命令が合憲かを形式的に判断するにとどまった。
最大の争点となった「内心の自由」をめぐる問題については、判断しなかった。問題の重みを受け止めていない判決と言わざるを得ない。
「日の丸・君が代」をめぐっては、政府は国旗国歌法の制定に当たり、国会答弁などで「強制しない」と繰り返した。その約束は守られず、全国で同種の訴訟が相次いでいる。
最高裁判決は、こうした教育現場の緊張した実情から目をそらしている。
内心の自由の問題を素通りした最高裁は、憲法の番人としての役割を果たしたといえるだろうか。
訴えていたのは、東京都日野市の市立小学校の音楽教諭だ。
国旗国歌法施行前の一九九九年四月の入学式で、君が代斉唱の際のピアノ伴奏を求めた校長の職務命令を拒否し、都教委から戒告処分を受けた。
教諭はその後、「伴奏の強要は思想良心の自由を保障した憲法に反する」と都教委の処分取り消しを求めて提訴した。一、二審判決は訴えを棄却し、最高裁判決で敗訴が確定した。
一、二審で教諭は、ピアノの伴奏は、自らの信条に照らして極めて苦痛だと訴えた。伴奏を強制することは許されるのかとも主張した。
これに対して、最高裁は、校長の職務命令が、教諭の「歴史観ないし世界観それ自体を否定するものではない」と述べ、あっさりと訴えを退けた。信念に反することを強要される良心の痛みを、理解していないのではないか。
一、二審では、教育公務員の思想良心の自由は「制約を受ける」という判決が言い渡された。教諭は、職務命令を「受忍すべきものだ」という判断も示された。
いずれも「思想良心の自由」に関する重要な問題である。それなのに、最高裁はいずれも判断を回避した。
判決に際し、「信念・信条に反する行為を強制することが憲法違反とならないか、検討する必要がある」という少数(反対)意見があった。
反対意見は、職務命令で達せられる公共の利益の具体的内容こそ問われなければならない、とした。この内容と「思想良心の自由」の重さを量るべきだという。当然の指摘だろう。
「職務命令は合憲」という今回の最高裁判決だけが、教育現場で一人歩きすることが心配だ。
処分を恐れ、校長の職務命令に黙々と従うだけの教員が増えるのではないか。そのような教育現場は正常な姿からはほど遠いだろう。
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