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(回答先: 保守同士の内輪喧嘩がはじまった【天木直人・日本の動きを伝えたい】3/11 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 3 月 14 日 17:28:41)
2007年03月10日
イラク政策の転換を模索し始めたブッシュ政権
今日10日からバクダッドで開かれるイラク安定化のための高官級会議と、その後4月に予定されている閣僚級会議に、日本のメディアはもっと注目すべきである。
ブッシュ政権は泥沼化したイラク情勢を自らの手で解決出来ないことを自覚し始めた。そして、みずからの失策から生じたイラク情勢の混乱の責任を不問にし、「イラク情勢の安定化は、利害関係国すべての共通の責任である」と主張して名誉ある撤退をもくろみつつあるのだ。北朝鮮問題と同様に、ブッシュ政権が見せる外交の方向転換である。
もっとも最近のブッシュ政権に明確な外交政策などありはしない。よく言えば、「あらゆる可能性を排除しない柔軟性」ということになるが、ありていに言えば無責任、支離滅裂ということである。だからもちろん今度の会議がうまくいく保証はない。成功するシナリオは存在しない。
しかし苦しいのは米国のブッシュ政権だけではない。イラクのマリキ政権はもはや自分の力でイラクを安定化させる事は出来ない事を知っている。シリアのアサドやイランのアハマドネジャドは本気で米国と戦って自滅する覚悟はない。サウデイアラビアやエジプト、ヨルダンの為政者は米国の中東支配がこれ以上進む事によって高まる国内の反米感情が自らの政権を脅かす事を心底恐れている。そしてなによりも、イラク市民や国際社会はこれ以上の流血に疲れ果ている。要するに世界が皆、イラク問題にお手上げなのだ。そこに、あらたな動きが出てくる可能性を見る。
今度の会議の重要性は特に次の二つの観点から明らかだ。その一つは、中間選挙の大敗にもかかわらず強硬姿勢を崩さなかったブッシュ政権が、テロ支援国と非難してきたイランの出席する国際会議に同席し、場合によっては二国間協議も行いかねない動きをみせていることである。米国務省のマコーマック報道官は7日の記者会見で、「そのような(米国とイランが会議で接触する)機会を利用していくつもりだ」、「ライス長官は逃げも隠れもしない」などと答えている。
もう一つは、その参加国の顔ぶれである。テロ支援国家であるイラン、シリアの出席が懸念されていたが最終的には参加する事になった。アラブの親米大国であるエジプト、サウデイアラビア、ヨルダンの三役が揃い踏みで参加する。イラク北部のクルド人を掌握するトルコも参加する。安保理五カ国とEU、アラブ連盟、イスラム諸国会などの国際機関も参加する。要するに中東情勢を左右するすべての役者がそろうのだ。
かくして北朝鮮問題についで中東問題についても日本は蚊帳の外におかれることになる。国益を損なってまでブッシュのイラク戦争に協力したにもかかわらず、日本は肝心なところでは関与させてもらえない。そして無能な外務省は、こちらから頼み込んで参加するという積極性も能力もない。4月の連休における安倍首相の中東外遊を早々と発表し、中身のない「中東問題への日本の貢献」振りをアピールするというパフォーマンスに奔走するだけである。その頃には中東情勢は激変しているかも知れないというのに。
せめて日本の中東専門家や中東駐在のメディアはこの会議に注目してほしい。そしてこれからのイラク情勢、中東情勢がどのように急転していくのか、そして日本の中東外交が取り残されてはならない事について、日本国民に警鐘を乱打して欲しいと思う。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/03/10/#000292
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