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(回答先: <焼身自殺>静岡県庁前で 空港建設に抗議か(毎日) 投稿者 天空橋救国戦線 日時 2007 年 2 月 07 日 06:35:18)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070206/mng_____tokuho__000.shtmlより転載。
2007.02.06
地方路線切り捨て続々
静岡に新空港の怪
日本航空(JAL)が六日に発表する経営再建策の柱として十路線の廃止を打ち出すなど、地方の空が大きな転機を迎えている。空港間でも客の奪い合いは激化し、地方空港を取り巻く環境は険しくなる一方だ。そんな中、富士山静岡空港(静岡県島田市、牧之原市)の建設工事が、二年後開港を目指し急ピッチで進む。もう後戻りできない段階というが、乱気流の中、生き残り策はあるのか。 (山川剛史)
遠く北東に富士山を望み、手前に島田市街が広がる牧之原台地に「最後の空港プロジェクト」といわれる富士山静岡空港の建設現場はある。名古屋からたった百五十キロほど。東京からも約二百十キロにすぎない。静岡県は東名高速に貫かれ、新幹線駅も六駅。第二東名高速も建設中だ。「大空港にすぐ出られるのにムダ」。県内外から需要に疑問符がつけられている。
自民党などの反対で否決されたものの、二〇〇一年九月の臨時県議会で建設の是非を問う住民投票条例案も検討された。住民敗訴となったが、空港設置許可取り消し訴訟や公費支出差し止め訴訟も起きた。今も、事業認定と土地収用裁決の取り消しを求めた訴訟が静岡地裁で進行中だ。
しかし、予定地の仮設展望台からは、すでに全長二千五百メートルの滑走路がくっきりと見える。滑走路に食い込む反対派住民所有の小山周辺も、県の収用手続きが進み、あとは山を崩し谷を埋めるだけだ。空港本体で四百九十億円、アクセス道路や代替農地など関連事業を含めると千九百億円に上る巨額の事業だが、すでに千六百五十一億円がつぎ込まれている。
先月二十七日には、当局の「戒告」で用地内の小屋をクレーンで移設。落胆ムードも広がるが、翌二十八日、用地に隣接の小屋で「空港はいらない静岡県民の会」メンバーら約七十人が開いた集会では「飛行機も飛ぶかもしれないが、空港の末路は哀れだ。赤字を食い止めるためにも廃港まで追い込む」(竹野昇共同代表)との声も。JALやゼネコン株を保有し、株主総会で質問することも検討するという。
全国九十七空港のうち、大空港に挟まれた地方空港といえば福島空港、信州まつもと空港。
福島空港は南北を羽田、仙台の両空港に挟まれる。仙台空港は国内線だけで一日三十九便が発着。東北新幹線や東北自動車道というライバルも。
バブル期に起工した福島空港は七年前の約七十五万八千人をピークに、利用客は減り続ける。県は、昨年三月に福岡線から撤退した全日空(ANA)から、今度は利用率約30%と採算ラインの半分しかない名古屋(中部国際空港)線も廃止すると通告された。
先月末。昼前の福島空港でプロペラ機が名古屋への折り返し飛行準備にかかっていた。七十四人乗りだが、乗客は中部地方からの温泉ツアー客十七人を含め、わずか二十七人。「ずいぶんとすいているねえ」。岐阜県羽島市の男性(71)は妻と顔を見合わせた。格安ツアーを見つけ、中部国際空港の見学も兼ねて参加したが「この路線がなくなったら? 花巻(岩手県)だって仙台だって空港はあるわね」。
名古屋で乗り継ぎ福岡へ向かう福島県郡山市の男性会社員(50)は、名古屋方面へは新幹線も多用するし、他の方面へは便数の多い仙台空港も使うという。「地元に空港があるから、使おうと思ってはいるんだけどね…」
福島県はソウルと上海便の強化で利用客のかさ上げを図るが、国内線の減少に追いつかない。県企画調整部は「雇用創出や利便性向上の効果もある」と強調するが、年間収支は約三億六千万円の赤字だ。
ライバルの仙台空港は、県外各地に直行バスを走らせて客数を伸ばし、三月には仙台駅を十七分で結ぶ鉄道が開通。競争力はさらに高まる。
羽田と名古屋の中間に位置する信州まつもと空港も路線リストラで危機的状況。
一九九四年のジェット化当初は二十五万人前後の利用があったが、二〇〇五年度は約十二万五千人。さらにJALは「機材が確保できない」ことを理由に今年十月、利用客の半分を占める札幌便を廃止の予定。一月下旬、村井仁長野県知事や県議らが相次いでJAL本社に便存続を陳情したが、JAL側の意志は固い。
県の空港担当幹部は「地元のエプソンなど社有機の発着需要はあり、観光シーズンの航空需要もある」としつつも「大空港に挟まれ安定したビジネス客が少ない。札幌便がなくなると、利用客も着陸料収入も空港売店売り上げも半減する。定期便にこだわらない戦略を練らないと生き残れない」と頭を抱える。
福島、信州まつもとなど先輩ローカル空港が苦しむ中、静岡県空港部は、国内が札幌、福岡、鹿児島、那覇の四路線(一日十四便)で年間百六万人、海外がホノルル、ソウルなど九路線で三十二万人の計百三十八万人の需要予測を立てる。国内線は県と利活用の覚書を交わしたJALが就航する予定といい、国際線も石川嘉延知事が韓国やタイの航空会社にトップセールスを展開中だ。「福島と違い、スズキ・ヤマハなど世界屈指の製造業に代表されるパワー、箱根・富士山など豊富な観光資源も近い。県民所得も高い。需要は掘り起こせる」。岩崎富夫県空港総室長は強調する。
しかし、航空会社の反応は冷ややかだ。「静岡ねえ」−JALのある幹部は苦笑まじりに言う。「開港時は国土交通省や自治体から圧力がかかるから、何とか飛ばすが、半年もすれば(客数の)メッキがはがれ、便は切ることになるだろう。神戸空港がその典型だ。離島なら使命として守るが、恵まれた所は赤字補償されてもお断り。せっかく新調する機材をそんなことに使う余裕はない。うちがつぶれてしまう」
静岡県内に本社がある大企業数社は、社名や業種を秘したうえで指摘する。「すでに物流拠点を中部国際空港につくり、出張も中部から。距離的に大差がないから、選択肢が多い中部を選ぶ」「関連会社も近隣なので飛行機需要は少ない。営業が北海道行きに使うかもしれないが、駅が一つ増えるくらいの感覚しかない」。県が強調するほどのビジネス需要の声は聞かれない。
路線リストラに外れ続きの需要予測。こうした情勢を受け、県も「JALも県も厳しい状況だが、ここまで来た以上、少しでも予測値に近づけるのが重要。羽田空港がいっぱいになれば、これを補う空港としての役割も出てくる」(前出の岩崎氏)と微妙に言い回しを変えている。
仙台など成長する拠点空港に対し、青森、三沢、山形、福島などじり貧の地方空港−。ローカルの直行便はスリム化し、基幹路線で稼ぎたい航空各社−。地方間でも格差が広がりそうだ。静岡の場合、まずはJALとの交渉で需要の多い朝夕便をしっかり確保できるかが分かれ目になるが、県民負担に支えられた不安な離陸だ。
<デスクメモ> 理解できないもの。給料も経費も税金頼みなのにいばる政治家、官僚、それを持ち上げる人々。国を、自治体を借金づけにし、次は借金を理由に弱者切り捨て。公僕は国民の僕(しもべ)なのに、敗軍の将が辞する民間の潔さも見習おうとしない。しがみつくなら申し訳なげな顔ぐらいしてほしい。 (隆)
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