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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070202-00000009-gen-ent
東京高裁がNHKの責任を認めた番組改変問題。官房副長官当時の安倍首相が関係する問題だけに注目を集めたが、結果は、裁判所が政治家の圧力を認定したも同然の判決だった。安倍首相はこの日、「政治家の不介入が明確になった」と強弁したが、内心はヒヤヒヤなんじゃないか。
この問題は、従軍慰安婦問題を取り上げた番組について、NHK幹部が放送前に安倍首相や自民党の中川昭一政調会長と接触したことで、番組内容が変更されたとされる一件だ。
東京高裁はこの日、「NHK幹部が相手の発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度(そんたく)して、当たり障りのない番組にすることを考え、改変が行われた」と認定。要するに、政治的圧力にメディアが屈したと断定したのだ。「政治家が介入していないことが明確になった」と“無罪”を強調した安倍首相の指摘は、的はずれもいいところである。中川氏の「しつこく非難された私はある意味、被害者」に至っては、噴飯モノだ。NHK政治部OBで椙山女学園大教授の川崎泰資氏(メディア論)が言う。
「判決では政治家の介入があったという言い方はしていないが、判決を読めば、介入を認めていることが分かります。裁判長は、『具体的な話や示唆をしたと認めるに足りない』と述べているだけ。政治家からの発言があったことは認定しているし、それで改変が行われたとしている。裁判長は相手が時の首相だから少し遠慮した、とみるのが妥当です。安倍首相は判決文の読み方も分からないのでしょうか。お粗末極まりないですね」
政治介入を報じた朝日新聞の05年1月12日付朝刊によると、同紙の取材に中川政調会長は「NHKがあれこれ直すと言ったが『だめだ』と言った」と話していたし、「偏った報道と知り、NHKから話を聞いた」(安倍首相)と答えている。その後、2人の発言は、NHK幹部と接触した経緯やそのときの発言、朝日新聞へのコメントも含め、ウヤムヤになっていった。
自民党の政治家なら、政府与党に予算を握られているNHKの幹部が、自分たちの発言を「重く受け止める」ことなど百も承知だろう。それでも「介入はない」と言い張るのは卑怯、まったく美しくない。
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