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(回答先: 塩崎VS世耕の「犬も食わないケンカ」 [ゲンダイ] 投稿者 white 日時 2006 年 12 月 28 日 10:13:28)
佐田行革相辞任:「安倍人事」甘さ露呈
佐田玄一郎行革担当相が関連政治団体の不正経理問題で27日、疑惑発覚からわずか1日で辞任に追い込まれた。佐田氏の入閣は自民党総裁選の論功行賞人事の典型だっただけに、本間正明・政府税制調査会前会長の辞任劇と同様に「安倍人事」が直撃された影響ははかりしれない。スピード決着の流れを作ったのは今回も与党で、首相官邸サイドは事態を傍観するばかり。郵政民営化造反議員の復党問題を境に坂道を転げ落ちるように打つ手打つ手が裏目に出る安倍政権には「末期症状」の感すら漂い始めた。【中川佳昭、宮下正己】
◇また与党が引導…政権の求心力、低下に拍車
「大変残念な結果になったが、致し方ないですね」
27日午後5時ごろ、安倍晋三首相は東京都内を移動中の車中で佐田氏から連絡を受け、辞任を了承した。辞任会見でこの経過を聞かれた佐田氏が「ちょっとその時は(気が)動転していたので……」と自ら認めるようなドタバタ劇だった。
与党内で「辞任やむなし」のムードが広がったのは、26日の佐田氏の記者会見ぶりが転機だった。矢継ぎ早に質問され、佐田氏は10分間の会見中に「調べている」を22回も連発、事実関係を一切明らかにせず、公明党幹部は「歯切れが悪すぎる」といら立った。同じ津島派に所属する青木幹雄参院議員会長周辺も「今回は派閥もかばいきれない」と、会見後に佐田氏サイドに電話し事実上の「辞任決断」を迫った。
与党側は、問題が長引けば1月25日召集予定の通常国会で冒頭から野党の厳しい攻勢にさらされることを懸念していた。特に佐田氏は、政府が次期国会の重要法案と位置づけ野党との対決法案と目している「公務員制度改革関連法案」の担当閣僚。来春の統一地方選、7月の参院選を控え「年初の出はなをくじかれるのは避けたい」(自民中堅議員)と早期の幕引きを求めていた。
ところが、官邸サイドの反応は鈍かった。首相は26日昼、「まずは調査結果をうかがいたい」と繰り返し「待ち」の姿勢に。与党内に辞任論が浮上しても、政府筋は「なんでやめなきゃいけないのか」と言うほどだった。首相に近い中川秀直幹事長も同日、オーストリアに家族旅行に出発、世耕弘成首相補佐官は27日、片山虎之助参院幹事長に電話し「説明できるので大丈夫」と伝えるなど問題の深刻さを見誤ったとしか言えない対応。与党主導で引導を渡した本間氏交代劇の構図がまたも繰り返された。
27日の佐田氏の会見はわずか11分間で一方的に打ち切られ、「不適切な処理」の具体的な説明はほとんどせずじまい。続く塩崎恭久官房長官の会見も、事実関係に関しては「正確なことは佐田大臣サイドに(聞いてほしい)」と述べるだけ。逆に世論の反発を強めかねない不十分な内容となるなど事後処理のまずさも目立った。
復党問題、タウンミーティングの「やらせ質問」問題、本間氏辞任劇、佐田氏の辞任……。守りに入ると対応に予想外のもろさを見せる「安倍官邸」。求心力は低下するばかりで、歯車は大きく狂い始めている。
◇「論功行賞」裏目に
佐田氏の辞任は、自民党総裁選の「論功行賞」人事が裏目に出た形だ。首相主導の人事だっただけに出身派閥の津島派も佐田氏を守ろうとする空気に乏しかった。首相が意中の人物の起用にこだわり、結果的にその人物や周辺のスキャンダルの見極めが甘くなったツケが回っている。
首相は政権発足時の組閣で、総裁選の論功行賞と首相個人の「仲良し」人脈の2点を念頭に人事を行った。総裁選で佐田氏は党内中堅議員の「安倍晋三さんを支える会」の会長を務め、「再チャレンジ議連」会長の山本有二金融担当相や派閥横断で中堅・若手の取りまとめに奔走した菅義偉総務相らと並び「安倍優勢」の流れを作った立役者の一人だった。
本来、佐田氏は安倍首相とは疎遠な津島派の所属。同派では、額賀福志郎前防衛庁長官が総裁選出馬への意欲を示したが佐田氏は久間章生防衛庁長官らとともに額賀氏の支援に回らず、額賀氏を出馬断念に追い込んだ。そのため、津島派内からは「佐田氏の辞任は派とは全く関係がない」(幹部)と突き放す声も聞こえるほどだ。
内閣発足からわずか3カ月で閣僚がスキャンダルで辞任する事態に、党内からは組閣の際に行われる閣僚候補の「身体検査」が不十分だったとの批判も出ている。
塩崎官房長官は27日の記者会見で「論功行賞と言われる人事はやっていないと思う。事前の調査についてもやるべきことはやったが残念だ」と語ったが、ある自民党幹部は「安倍さんは脇が甘い」と首相の任命責任を指摘。自民党の中川昭一政調会長も首相の任命責任について「政治は結果責任。そういう意味で首相も重く受け止めるだろう」と記者団に語った。
◇不透明な経理認めるが…経費依然明確でなく
佐田玄一郎行革相の関連政治団体「佐田玄一郎政治研究会」は、事務所の実体がないのに90〜00年にかけ事務所費や光熱水費など計約7800万円の経費を支出したとして政治資金収支報告書に記載していたとされる。
官報によると、この政治団体は佐田氏が初当選した90年に発足。佐田氏の父親が社長だった建設会社「佐田建設」(本社・前橋市)の東京支店(東京都豊島区)内に事務所を置いたと報告していたが、実体はなかった。
しかし、90〜00年までに家賃などの事務所費を多い年で約1400万円計上するなど経費が計約7800万円かかったと報告。経費の計上は年によってばらつきがあり、事務所費も17万円の年があるなど不自然さが目立つ。研究会は01年以降は収支がなく、今年10月末に解散届が出された。
事実なら政治資金規正法上の虚偽記載にあたるが、佐田氏は27日の辞任会見で「調査したところ政治研究会は実体があった」と釈明。しかし、「他の政治団体の経費を政治研究会分として計上したことがあり不適切な会計処理だった」などと説明、佐田氏の関連団体間で不透明な経費処理を続けていたことを認めた。【青島顕】
毎日新聞 2006年12月28日 2時58分 (最終更新時間 12月28日 3時03分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061228k0000m010164000c.html
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