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(回答先: 本間会長辞任 「チーム安倍」が漂流している(毎日新聞 社説) 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 12 月 22 日 11:44:13)
本間会長辞任:安倍官邸、未熟さ露呈 「党高政低」化進む
安倍晋三首相が成長戦略の推進役として起用した本間正明・政府税制調査会長が、知人女性と同居して官舎住まいをしていると報じられた問題をめぐり、就任わずか1カ月半で辞任に追いこまれた。世論の反発の強さを見誤った首相官邸サイドは積極的に本間氏の更迭に動かず逆に擁護し続け、参院選への影響を懸念した与党に押し切られるという未熟な対応ぶりだった。郵政造反議員の自民党復党問題、道路特定財源見直しに続き、今回も与党主導の決着に甘んじた安倍官邸。首相の顔が見えず、与党の発言力が強まるという「党高政低」化が進んでいる。
「これ以上、安倍政権に迷惑をかけられない。仕事を続けるのも難しくなっている」。本間氏は21日朝、安倍首相に電話して辞意を伝えた。首相は「仕方がないですね」と短く答え、辞任を了承した。会話はたったの1、2分間だった。
首相周辺によると、前夜に本間氏周辺から井上義行首相秘書官に「本人から電話がいくかもしれない」と知らせが入った。21日朝、井上秘書官の携帯電話に本間氏から電話が入り、安倍首相に代わったという。
本間氏問題の一連の対応のカギを握ったのは、もともと同氏の会長起用を主導した塩崎恭久官房長官だ。週刊誌報道直後から「ルールにのっとっったもの」と擁護。本間氏辞任を発表した21日午前の記者会見でさえ「本間会長自身の一身上の都合であり、首相の任命責任の問題ではない」と強調。午後の会見でも「(公務員宿舎への)入居の是非については法律的に問題があったわけでは決してない」と言い張った。官邸主導で起用した本間氏が退任すれば首相の任命責任批判は避けられない、との意識が強く働いたためとみられる。
しかし、こうした姿勢が逆に傷口を広げた。自民党町村派の町村信孝会長(党税制調査会小委員長)は14日「(本間氏の)首を取るのかどうか知らないが、分かりやすい対応をしてほしい」と批判。18日には公明党の漆原良夫国対委員長が辞任も含めた厳しい対応を要求するなど、急降下している内閣支持率や、来夏の参院選も念頭に事態を危ぶむ声が与党内から噴出。19日は閣議後の記者会見で身内であるはずの閣僚から進退問題などに言及する発言が相次ぐなど、官邸の孤立化が進んだ。
こうした中、安倍首相は塩崎氏と歩調を合わせ「職責を全うしてほしい」と続投方針を強調した。両氏の強気一辺倒の発言に危機感を覚えた政府高官は19日夕、記者団に「何が何でも守るという感じではない。(本間氏)ご自身の判断に期待したい」と語り、自発的辞任を待つ形に軌道修正した。こうしたスタンスの変化が本間氏の決断を後押ししたとみられるが、辞任の電話まで首相は「待ち」の姿勢を維持し続けた。
首相が「職責を全うすることで、国民の信頼を回復してほしい」と語りながら、一夜明けて「一身上の都合」だけで辞任を了承したことは、首相の言葉の軽さを印象づけ、政権の求心力低下を招くのは必至だ。道路特定財源の見直し問題と同様、党が官邸を押し切る形の決着を自民党の若手議員は「党側は、安倍官邸は、くみしやすいと思い始めている。党高政低になってきた」と指摘。中川昭一政調会長は「安倍首相が任命したのだから、(辞任は安倍政権に)ダメージがあるだろう」と言い切った。【谷川貴史、古本陽荘】
◇上げ潮路線に影響必至
本間氏は、企業減税をテコに経済活性化を図るという安倍政権の「上げ潮路線」を税制面からけん引する役割を期待されていただけに、今回の辞任は政権の経済運営にとっても大きな打撃になる。安倍首相は後任会長にも「上げ潮」派を据えるとみられるが、自民党税調がこれを機に税制の主導権を首相官邸から取り戻そうという動きを強める可能性もある。本間氏主導で来年1月にも始めるはずだった政府税調の法人税引き下げ論議も停滞を余儀なくされそうだ。
首相官邸が消費税増税の必要性を指摘する石弘光前会長を更迭してまで本間氏を起用したのは、来年秋以降の税制抜本改革論議で消費税の引き上げをできるだけ小幅にとどめたいとの思惑があったからだ。本間氏の辞任で「政府税調改革」が後退し、財政再建を最優先する「財務省のための審議会」に戻るのは避けたいところ。塩崎恭久官房長官は21日の記者会見で「新しい政府税調の基本方針は今後も続いていく」と述べ、官邸主導の運営を継続する意向を示している。
しかし、早い段階から本間氏の進退問題に言及してきた津島雄二会長、町村信孝小委員長ら自民党税調幹部が、今回の辞任で勢いを強めるのは確実。津島会長らの本間氏批判の背景に、「税制の主導権を首相官邸・政府税調に奪われつつあったことへの不快感のほかに、経済成長と財政再建のどちらをより重視するのか、という路線対立があった」(自民税調幹部)との指摘もある。
本間氏辞任をきっかけに、「増税はできるだけ小幅に」という方向で進んできた消費税論議の流れが微妙に変わる可能性もあり、上げ潮戦略の要として本間氏を政府税調会長に起用した官邸人事は完全に裏目に出た。【山本明彦】
◇「世の中では通用しない」諮問会議で本間氏
「世の中では通用しない」。6月27日の経済財政諮問会議の専門調査会。公務員官舎の家賃が格安との批判に対し、財務省課長が「営利目的でなく公務の要請で入居している」と説明した際、同調査会長だった本間氏はこう断じていた。
調査会は9月、官舎など国有財産の売却を促す報告書をまとめたが、その旗振り役なのに、JR原宿駅近くの一等地で3LDKの官舎に7万7000円という格安家賃で入居していた。それも、妻ではない知人女性との同居まで報道された。
本間氏が03年1月に官舎へ入居したのは、諮問会議の民間メンバー4人の政策提言取りまとめ役になったのがきっかけ。小泉純一郎前政権が取り組んでいた郵政民営化や三位一体改革を「民間提言」で推進するため、本間氏は常勤に近い形で内閣府に出勤。竹中平蔵元経済財政担当相らと打ち合わせにあたっていた。80年代後半、まだ余り名前が売れていなかった竹中氏が大阪大助教授になったのも、本間氏の引きだったと言われる。
諮問会議は02年、税制論議に踏み込み、法人減税による経済活性化を提言。その中心人物も本間氏で法人減税に反対する当時の石弘光・政府税調会長と激しくやり合った。結局、法人減税は自民党税調にも退けられ、この経験が「政府税調への財務省の影響力を排し首相直轄の組織に変える」という本間氏の政府税調改革への強い思いにつながったようだ。
毎日新聞 2006年12月22日 0時55分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061222k0000m010193000c.html
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