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(回答先: <寄稿>準戦時での異常な制裁騒動 戦争がひき起こす差別と犯罪 ― 前田 朗(民族時報) 投稿者 gataro 日時 2006 年 12 月 21 日 17:11:41)
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003973 から転載。
【動画】公安警察と大手メディアを断固批判する総連
もう1度「報道」について考えてみた
朴 哲鉉 2006-12-19 07:57
去る11月30日、日本青年館(東京都新宿区)の地下ホールで在日本朝鮮人総連合会(総連)主催の集会が開かれた。
「日本警察当局の朝鮮総連組織と同胞女性に対する不当な強制捜索を糾弾する在日本朝鮮人中央集会」という集会名からうかがえるように、今回の集会は11月27日、在日朝鮮人の女性(74、東京都世田谷区)が薬事法を違反したとして総連関係6カ所と新潟の郵送会社1カ所を捜査した警察当局への抗議が目的だった。
11月30日の集会の様子 撮影者:朴哲鉉
集会の参加者は700人程度。300人しか入られないホールに2倍超える人が集まり、会場の雰囲気も一味違った。前例ない緊張感と悲壮感を感じた、と言えるほど。
何人かに質問をぶつけてみた。
参加者の若い在日朝鮮人(在日)3世は、今回の捜査について「絶対忘れない暴動」と憤慨した。
81歳の高齢で、杖に頼りながら群馬から来たと自分を紹介した在日1世はいう。「これは大変な事件。(日本で)60年間暮らしてきたけど、今回のようなありえないデッチあげ事件は初めだし、驚いたね」と、ため息をつく。
男女年齢問わず、集会に集まった人たちは公安警察とメディアに憤っていた。
集会は約8分間の映像から始まった。27日の朝の渋谷・世田谷支部の捜査現場を撮り収めた映像だ。一般には報道されていない、総連側が撮った映像で、捜査当時の事務所内部の様子を見ることができる(動画1)。
その現場に立会いしていた総連側の金瞬植(キム・スンシック)弁護士は30日の集会に参加し、事件の真相を生々しく話した(動画2)。
総連が主張していることはいくつかに要約できる。
集会途中で、拍手を放っている参加者たち 撮影者:朴哲鉉
まず、「薬事法」第24条1項「医薬品無許可授与」と同法第84条5項「教唆」容疑なのに、なぜ総連という組織が強制捜査されなければならないのか、なぜ公安が動いたのか−−ということだ。
要するに女性はただの引き金であって、実際には「総連潰し」ではないか、という疑問を抱いているのである。
これに関して警視庁の広報担当者に電話で聞いた。すると、担当者は「警視庁は証拠をあつめ、犯罪を犯したということになる場合、捜査するのは当たり前の話」と答えたうえで、なぜ公安が動いたかに関しては「捜査中なので答えることは出来ませんし、政治的な意図なんかありえません」と回答した。
その他、いくつかのことに関しても「捜査中なので、お答えできません」という答えが返ってきた。(記者注:最後に広報担当者は「これはオフレコですよ」といったが、別にオフレコにする必要のある内容は何もなかったので、公平性の観点からオンレコードとした)
また、メディアの報道ぶりについても批判が相次いだ。
総連の高徳羽(コ・ドクウ)副議長は、別の日に私に会ったとき、「朝の8時に強制捜査があったのに、なぜが未明の4時に配られた産経新聞のトップにはすでに書かれていた。僕らもその記事を読んで始めて事実を知ったほど。警察側の取材だけをしたか、または警察情報を得て、27日に強制捜査があるのをわかったから書いたのでしょう。総連に対しての捜査は始まっていないから、(総連に対して)事実確認できたはずがない。総連(傘下の科協)がああした、こうしたと(警察情報のみで)書いた記事が堂々とトップを飾っていました。これがメディアって言えるのか」と強く批判した。
後で調べてみると「点滴薬大量流出図る」という見出しで書かれた記事(11月27日付、産経朝刊1面トップ)だった。
この記事に関して質問するため、産経新聞の社会部に電話をかけてみた。
記者 「総連側は取材をされていないと、警察の情報をそのままもらって書いたのではないかと言っていますが」
産経社会部 「記事に書かれた通りなので、記事で判断してください」
記事を読んでも警察が捜査中の在日女性や総連側に接続した様子が伺えなかったので、もう一度聞いてみた。
記者 「在日の女性や総連に関しては、取材してないような気がします。普通の人が読んでもこの記事だと警察側だけを取材して書いたように読めますけど」
産経社会部 「だから、記事の通りですよ。取材方法をそちらに言う必要はないんじゃないですか。書かれた内容の通りです。それと、総連は大体、当社の取材に応じてくれないですよ」
「何で応じてくれないですかね」と聞いたら、やや冷たい声で「それは、あちらに聞いてみてください」と答えが返ってきた。ということで、早速総連に電話をかけた。
総連中央本部国際局の副局長である文光佑(ムン・カンウ)氏は「産経新聞の取材は受けない」と明言した。その理由に関して「(彼らは)いつもウソをつく。総連を誹謗中傷した記事が一般に読まれ、悪宣伝・悪世論につながるから(取材は受けない)」と話した。
30日の集会は、終始、「警察当局への強い反発、メディアに正しい事実報道を求める」内容だった。
総連中央本部の南昇祐副議長 撮影者:朴哲鉉
集会後に総連中央本部の副議長の南昇祐(ナン・スンウ)氏を直撃してみた。その内容はノーカット映像で確認できる(動画3)。
翌12月1日から、総連傘下団体は連日、永田町の議員会館前で座り込みの抗議集会を行っている。13日に座り込みの現場で会った参加者は少し微笑みながら話してくれた。
「通っていく人たちの中では激励してくれる人がたくさんいる。タクシーの運転手さんが降りてきて声をかけたり、ビラをもらって真剣に読んだりする。もちろん右翼の街宣車との衝突もあるけど」
誤解を招かないよう付記すると、記者は拉致問題をめぐる一連の事件に関して「拉致問題解決済み」と主張する総連側に無条件に賛成するわけではない。
北朝鮮の核実験についても強く批判している。いわゆる「在日」という身分を政治的な目的達成のために利用するやり方にも反対である。(拉致問題に関しては「動画3」で総連の公式意見である「解決済み」が少し触れているが、今度正式的に取材して取り上げようと思っている)
総連側から入手した「真相レポート」(末尾に全文リンク有り) 撮影者:朴哲鉉
しかし、今回の事件をめぐっての27日当日のマスコミ報道の仕方は、理解しがたい点がある。
容疑者であれ、被害者であれ、いずれにしても「在日女性本人」を取材するか、それが無理なら総連側の話を取り込むべきである。
もちろん私自身も女性側に取材の申し込みをしたが、女性の個人的な理由もあり、取材出来なかったのは事実であるし、反省している。そして、27日以降は、いくつかの新聞も総連側の主張を取り上げているし、某ネット放送局は彼女の独占インタビューを流していることを改めて記しておく。
しかし、公平性の観点から言えば、27日の初報の段階で両方を取り上げなければならないと私は思う。なぜなら最初の報道こそが、事件に対する印象の方向性を決めてしまう恐れがあるからだ。
前述の警視庁広報担当者は「記者クラブの方ですか」と最初聞いてきた。違いますと言ったら「新聞、テレビなどに報道されているんだから、それをちゃんと観れば分かると思います」という答えが返ってきた。
同じく産経新聞との電話でも「(この記事は)警視庁記者クラブに出入りしているものが書いたのでしょうけど…」という言葉が漏れていた。
「記者クラブ」や「報道資料」のような単語が浮かびあがってくる、このようなシステムでニュースが生まれるのであれば、消費者(読者)たちはもっと賢明にならなければならないと思う次第である。
【関連サイト】
総連傘下の「在日本朝鮮人人権協会」がこの事件に関して12月7日に発表した「真相レポート」
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