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昨夜、宮崎知事選で無所属のタレントが当選した。
恐らくこのタレントは既成政党の支援を受けても受けなくともどちらでも当選したであろう。それだけに中央メディアの影響力、TV有名人に対するコンプレックスというのは地方へ行くほど大きいものがある。しかしこれはまさにポピュリズムそのものである。
この国の有権者の大半はムードやイメージ、知名度で候補者を特定する。政策の違いや実行能力などを事細かに分析して投票する政治的に主体的な有権者など実際にほとんど存在しないことは、多くの選挙の現場に携わり、聞き取り調査を行なえば火を見るより明らかなことである。そもそも候補者の政治能力や政策能力など誰も信じていないし、第一当選して何がどのくらいできるのかなど誰にも予測できない。この傾向は日本だけではなく、先進国も含めて世界中に蔓延してきている。
ポピュリズム選挙の典型は小泉純一郎、石原慎太郎、田中康夫といった知名人に代表される好感度、キャッチフレーズやスローガンを駆使した選挙である。彼らはイメージに訴え、イメージで自分をつくり、イメージづくりで当選を果たした。TVに何度も出演することでそれらは莫大なプラス効果を及ぼす。先進大衆社会において全国メディアの選挙に及ぼす影響は甚大なものがある。
今年は4月に統一地方選、7月に参院選が予定されているが、こうした知名度やイメージを利用したポピュリズム型選挙は今後も勢力を振るい続けるだろう。既成政党であろうが無党派であろうが、その違いはなきに等しい。こういう選挙スタイルが横行すれば、真に熟慮して投票しようとする希少な有権者の選択の余地がますますなくなってゆく。そして選挙から遠ざかる人とそうでない人との投票行動の差がますます歴然と二分化される。
とりわけ既成政党の政策や方針をよしとせず、新しい政治に期待する人々の身の置き場、目のやり場がますますなくなる。
それらの人々の期待に応えるには、新たな組織論とそのための戦略と日々のマーケティングが必要であろう。
しがらみがなければ誰でもよい、というのは根本的な無責任であり、イメージに頼る誤ったもうひとつの「ポピュリズム」的発想である。その意味では無党派も既成政党も何らその手法に変わりはないというべきだろう。
これに対して、決め手はむしろ候補者当人が当選後に何をどのように実現できるのか、その能力に見合った人物で、それを可能にする支持者やブレーンが存在しているか、といった要素である。
とくに地方選挙であれば、政策づくりや立法行為はほとんど既成の行政府が担当するため、多数派に属さない議員には何の政策も期待できず、首長ならば本気で改革するならばよほどのリーダーシップを持ち、組織内で根回しやとりまとめが出来る卓越した人間であるかどうかが決め手になる。
今回の宮崎県知事選挙では、どの候補者もそうした片鱗をうかがわせることもなく、また争点にもならなかった。かくして知事の日常業務は誰でも何とかこなせるだろうが、卓越したブレーンや支持組織の導入など大きな人事面での変化がない限りは、従来どおりの「そのまんま」地方官僚主導政治が継続されるだけであろう。
(転載はクレジット明記の上で許可)
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