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(回答先: 痴漢冤罪事件をテーマした映画に、弁護士がリアルと太鼓判! 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 1 月 15 日 10:04:56)
『Shall we ダンス?』の周防正行監督最新作『それでもボクはやってない』のテーマが「裁判」ということで、日本弁護士連合会主催で実際の弁護士、司法修習生、法科大学院生を対象にした試写会が行なわれ、舞台挨拶に新人弁護士役の瀬戸朝香と周防監督が挨拶を行なった。その後、周防監督や弁護士を招いてのパネルディスカッションが行われ、映画のあまりにリアルな内容に弁護士からは「とてもリアル」「類似した事件がいっぱいある」と驚愕の声が聞かれた。また弁護士に接見するまでの過程は意外にも弁護士すら知らなかった事実があるという。
本作は、痴漢に間違われて逮捕された青年の裁判を通して、今まで知らなかった裁判のあり方、実際に行われている驚くべき事実、“疑わしきは罰せよ”とする現実を描く。弁護士への皮肉も込めたと言う周防監督は、実際の弁護士を前に緊張。しかし意外にも弁護士からは、「僕たちの苦労を周防監督は理解してくれた」「我々が一般の人に伝え切れなかったことをリアルに伝えてくれた」と、監督の予想を裏切って、賛同の声があがる。
周防監督は、「自分は裁判の素人。でも素直に驚いたことを作品に反映させた」と語るように、裁判の実態がこの作品では明らかになっていく。たとえば証拠を全部見ることができなかったり、警察での一問一答で答えた内容が全部被告人の一人称に書き直されてしまったり。「裁判は国家権力との戦い」と周防監督が話すように、一般の人が普通におかしいと思う基準がずれてしまっていることに、弁護士からも「まったく密室で行われる取調べ室での出来事を録音して公開するなどして欲しい」と熱い意見が出される。そんな弁護士に対しても「調書など2次元の世界は得意だとわかるが、再現フィルムを作ったり、裁判での演説やプレゼンなど3次元もできるようになって欲しい」と周防監督から注文がつけられる場面も。
アメリカで裁判の映画というと弁護士の熱い演説が作品のクライマックスになるが、日本ではそういった映画は見られない。それは、裁判が難しい言葉の羅列だから。だからこそ周防監督は、我々も裁判に参加することになる裁判員制度の導入に期待する一番の面は、一般の人にもわかるような“言葉”で語られる裁判になることだと話す。
周防監督が映画を作る動機となったのは、“怒り”。それは裁判を知らなかった自分への怒り、そして無実で捕まった人が無罪を立証できないと有罪という日本の裁判制度に対しての怒り。現在の日本では、なんと刑事事件で起訴された場合の有罪率は、99.9%という。そして監督はマスコミに対しても「無罪が確定したときだけ報道される」という現状に対して、「裁判がどう行われているか、勇気をもって記者の人がみた真実を伝えて欲しい」と訴える。
何より周防監督が一番観て欲しいのは、裁判官だと断言。「裁判所は聖域だと思っていた。でも取材を進めるうちに信頼がゆらいだ。公平に裁判しているというなら、傍聴している人間にもわかるように裁いて欲しい。冤罪の責任は、裁判官にある!」と過激なコメント。周防監督が人づてに聞いたところでは、「最高裁判所の人がこの映画を気にしている」という。司法改革の一環である裁判官制度の導入が目前に迫ったいま、我々も無実の人を裁いてしまう危険性がある。今後、裁判制度がより公平に、そして良くなっていくかは、我々にも責任がかかってくる。裁判の実態がわかる一般の人向け教科書のような映画ができあがったようだ。
『それでもボクはやってない』
2007年1月20日(土)シャンテシネほかにてロードショー
(12月26日更新)
http://www.pia.co.jp/news/hot/20061226_soreboku_repo.html
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