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(回答先: 自殺サイト開設した33歳男、報酬20万で依頼女性を殺害(読売新聞) 投稿者 茶々 日時 2007 年 10 月 11 日 21:28:15)
http://www.ohmynews.co.jp/news/20071011/15999
より引用
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「自殺サイト」じゃなく、「何でも屋サイト」ではないか
サイトで知り合った女性を殺害した嘱託殺人
渋井 哲也(2007-10-11 17:45)
自分で開設した携帯電話の自殺サイトで知り合った女性(21)を殺害したとして、神奈川県警が10月10日、千葉県市原市の男=麻薬及び向精神薬取締法違反で起訴=を嘱託殺人の疑いで再逮捕した──との報道があった(10月11日付各紙朝刊)。
1998年に起きた「毒物配送事件」、いわゆるドクターキリコ事件のような嘱託殺人が起きたのか、と思って、当該サイトを調べてみると、これは「自殺系サイト」と位置づけるのは難しいのではないかと思えてくる。
朝日新聞は11日付のトップで報じた(撮影:渋井 哲也) 報道によると、神奈川県警が10日に再逮捕したのは、千葉県市原市の男(33)=麻薬及び向精神薬取締法違反罪で起訴=で、容疑は、自分が開設した携帯電話の自殺サイトで知り合った川崎市高津区の女性(21)に、頼まれて殺害した嘱託殺人。
県警の調べによると、男は4月12日深夜、女性の自宅アパートで、睡眠導入剤を20〜30錠飲ませた上で、ポリ袋をかぶせて窒息死させた疑い。女性から「『最後までみとってくれ』と頼まれたから殺害した」と容疑を認めている、と新聞は報道していた。
この報道を見たとき、98年のドクターキリコ事件を思い出した。
「安楽死狂会」というサイトの中の、「ドクターキリコの診察室」で、もともと草壁竜次を名乗り、のちにドクターキリコとハンドルネームを変えた男が、自殺相談をしたり、向精神薬の情報を提供していた。そして、重いうつ病の人には、青酸カリが入ったEC(Emergency Capsule)を送りつけた。
狙いは、死ねるクスリを所持してもらい、「いつでも死ねる」と思える状態をうつ病の人に与えることで、「今日明日を生き延びよう」とする前向きな気持ちを引き出す狙いがあったとされている。その考えは、各地で有害図書規制された「完全自殺マニュアル」を出版した鶴見済氏の考えに近いものがある。しかし、ECを送った人の中で、青酸カリを飲み自殺してまい、事件が発覚。警察の捜査が身近に迫ったことを知り、草壁=ドクターキリコも自殺した。こういう事件である。
また、自殺系サイトの嘱託殺人といえば、2005年8月2日、大阪府河内長野市で起きた自殺系サイト殺人事件を思い出す。苦しむ姿を見て興奮する性癖を持っていた堺市の男(36)が「集団自殺をしませんか」と掲示板に書き込んで、自殺志願者を誘い出して殺害した事件だ。この男には、死刑が確定している。
こうした事件の舞台になった「自殺系サイト」の共通点は、自殺願望者、もしくは自殺志願者が集まって、日々の不安や悩みを書き込み、相談に乗りあう関係ができている点だ。または、自殺の手段や向精神薬の情報提供をし合っている。「ネット心中」のように、志願者同士が引き寄せ合って集団自殺に及ぶ場合がある。一方で、そこで知り合った人たちが共感し、支えあう関係になり、生き延びている人も多い。
逮捕された男が開設したとされる掲示板のサイト(撮影:吉川 忠行) このような事件が起きると、「自殺系サイト」や「ネット心中」を取材してきた私・渋井にコメントを求めるマスコミが多く、今回もコメントなどを求められた。
しかし、問い合わせの情報を聞くにつれ、どうも、これまでの「自殺系サイト」とは違った印象だった。そこで、実際そのサイトにアクセスしてみた。
すると、サイト名に「自殺」や「向精神薬」の文字は全くない、背景の赤い掲示板だった。
どの報道でも、「携帯電話の自殺サイト」と伝えているが、携帯電話だけでなく、パソコンでもアクセスが可能である。
逮捕された男が使用していたとされるハンドルーネーム「デスパ」(抗不安薬のデパスをもじったのだろうか)で、
▼デスパ
ムカつく相手に天誅を。
殺したいヤツがいる。
自分では躊躇してしまう。いく手助けして。
探してる相手がいる。
此処から消えたい。
手に入らない物が欲しい。呪い殺したい。
どんな事でも相談下さい。
デスパでよろしくお願いします。
5/9 18:53
などと書き込まれているものの、現在残っている過去ログ(07年5月9日以降)には、「自殺」との文字は多くない。
自殺願望者の中には、「死にたい」というよりは、「消えたい」と気持ちを表現することがある。上記5月9日の呼びかけに「此処から消えたい」とあるが、この文脈で、自殺願望者が抱く「消えたい」と同一のようには思えない。
そのため、この事件で殺害された女性が、どのようなキーワードでこのサイトにたどり着いたのか、過去ログからは想像ができない。ネットサーフィンをしている中で、偶然たどり着いたのだろうか。
このサイトには荒らすユーザーが多かったのか、
▼デスパ
言いたい事があるなら直で来なさい。
ワザワザ書き込みしないで書き込みなら張れないと思ってもIDバレバレだよ。いろなハンネ使っても無駄ですよ。
ちなみに貴方達他のサイトでも暇ジンの荒らしで有名ですよ。
2007/6/8(金)23:59
などと書いていて、まったく自殺相談にも乗っている様子はない。
新聞とサイトの見出しが違う朝日新聞(撮影:渋井 哲也) にもかかわらず、朝日新聞(11日付1面アタマ)は
「自殺サイトで契約 殺害 報酬払った女性を」
との見出しを掲げ、本文中に、
「自殺願望者らを集めた掲示板サイト」
と書いていた。
たしかに、「自殺願望者ら」とあるので、「自殺願望者以外」も想定して書かれている。しかし、自殺願望者よりも、アラシの書き込みのほうが多い印象を受け、「自殺願望者ら」とわざわざするほどのものではない。
朝日新聞はそのことを知ってか、ウェブサイト上の見出しは、
「自殺願望の女性 サイトで『契約』 容疑の男逮捕」
として、「自殺サイト」の表現は避けている。11日夕刊の続報は、社会面の見出しは「携帯サイト殺人」となり、記事中の表現も「携帯電話の掲示板サイト」になっている。
こうしたサイトにもかかわらず、なぜ「自殺サイト」と呼んだのか。あるマスコミ関係者は、
「大手のマスコミの場合、神奈川県警は、大阪府警同様に力を入れているので、新人記者ではないだろう。だから、警察発表のタレ流しというわけではないだろう。警察と記者とのやりとりの中で『自殺サイト』という言葉が出てきたのではないか」
と話している。そして、「自殺サイト」というよりは、「何でも屋サイト」のほうが実態に合っているのではないか、という私の指摘に同意した。
なお、亡くなった女性と思われる人物は、亡くなる数日前の4月10日、SNSの日記にこう綴っていた。
「今オープンニングの準備中。偶然にも一緒に働くスタッフで、同じ駅から通う仲間?C人(*記者注 機種依存文字のため判読不能)もいたぁ。引越てきたばかりで不安だらけだったケド…やっぱ友達できると楽しい。つくづく友達って大切だなーって実感」