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2007.10.5(その3)
森田実の言わねばならぬ[625]
平和・自立・調和の日本をつくるために【424】
高校生の間に広がる平和意識と憲法第9条の学習熱――愛知県豊川高校における高校生の真剣な「平和」研究。「茅山君のわかりやすい憲法9条」に見る豊川高校生の意識の高さ
「平和が来るか来ないかということは、個々人の心の持ちようのなかに、したがってまた諸国民の心の持ちようのなかに作りあげられるものにこそかかっている」(シュバイツァー、1875-1965、フランスの神学者・医師、1952年ノーベル平和賞受賞)
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豊川高校学園祭で配布された「茅山君のわかりやすい憲法9条」と題するペーパーがある。この文章だけを読んだ人は、高校生が作成したペーパーとは気づかないだろう。それほど質の高い解説である。3つの問題について高度な分析が行われている。
【1】憲法9条について――大まかな解釈として4つの解釈を上げている。
1.自衛権を含め一切の戦争行為及び戦力を否認しているとする説
2.自衛権は否定していないが戦争行為は否定しており、そのための戦力も認められないとする説
3.自衛の範囲内ならば戦争も戦力も認められるとする説
4.個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めないとする説
そして「結論として」として次のように述べる(原文ママ)。
《このように憲法9条では戦力を保持してはならない、戦力を行使してはならない、国の交戦権は無いと示されており、結論として戦争をしてはならないと書いてある。唯一、認められているのが自衛をするための部隊が認められている。これで憲法9条は平和を守るための憲法であり、日本国憲法の三大原則「平和主義」を載せた条文であることが判断できる。》
【2】日本とアメリカとの関係について
《憲法改正を云々する前に、この戦後の日米関係のいびつなあり方のそのものを、考え直してみるべきだと思います。決してアメリカ嫌いとはいわない。しかし、国として考えてみるときに、アメリカという国は、なかなか一筋縄ではいかない国です。アメリカ人は陽気で親切です。しかし、個々人でみる場合と、国としてみる場合とでは、全く異なります。日本もアメリカも、世界をリードする国として、対等に付き合って行くべきではないでしょうか。日本のアメリカ外交は余りにも卑屈になりすぎているようです。〈中略〉日本とアメリカは相手をよく理解しあい、パートナーとして対等な立場で付き合っていくべきだと思う。当たり前のことだが、日本は独立国である。アメリカの従属国ではない。そのことを前提に入れておくべきである。》
【3】平和について
《平和の課題――人類は歴史において継続的に争ってきた、史料が残っている6000年以内に発生した戦争だけでもその回数は15000回以上と考えられており、また平和期間も軍事力の整備に当てられた。第二次世界大戦が終結した1945年から1990年の間に戦争や内戦は150回以上発生している。戦争が本当に世界から無くなった日は3週間だけであったとも言われている。「平和が普通であって、戦争は異常である」という戦争観が必ずしも正しくないことがここから分かる。》
豊川高校の高校生は「平和」についてよく勉強している。こうした平和研究が高校生の間に広がっていることは実に頼もしい。
この背景には教師たちの強い危機意識がある。安倍前首相の登場以来、教師、戦争を体験した高齢者、女性層の間に「日本は平和主義を守りきれるのか」という危機意識が深く静かに広がり始めた。安倍前首相は、平和を愛し求める日本国民の「虎の尾」を踏んで退陣に追い込まれたのである。
高校生と教師と母親が「平和の尊さ」を強く意識し始めている。豊川高校の高校生の平和への努力が全国各地に広がることを祈りたい。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03743.HTML