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(回答先: A級合祀「禍根残す」 昭和天皇が懸念【中日新聞】 投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 8 月 04 日 07:07:03)
昭和天皇、A級合祀「禍根残す」 元侍従長、歌人に明かす【中日新聞】
2007年8月4日 朝刊
靖国神社によるA級戦犯合祀(ごうし)に対し、昭和天皇が「戦死者の霊を鎮めるという社(やしろ)の性格が変わる」「戦争に関係した国と将来、深い禍根を残すことになる」との懸念を持っていたことを、故徳川義寛元侍従長が歌人の岡野弘彦氏(83)に伝えていたことが三日、分かった。
昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を示していたことは、富田朝彦元宮内庁長官のメモなどで判明しているが、具体的な理由までは明らかになっていなかった。A級戦犯合祀をめぐる論議にあらためて一石を投じそうだ。
合祀への懸念は、昭和天皇の「お考え」として、側近トップだった徳川元侍従長が、昭和時代から皇室の和歌の指導に当たってきた岡野氏に明かしていた。岡野氏も昨年末にまとめた昭和天皇の和歌の解説書「四季の歌」の中で触れている。
岡野氏によると、徳川元侍従長が一九八六年秋ごろ、昭和天皇が詠んだ和歌数十首について相談するため、当時岡野氏が教授を務めていた国学院大を訪れた。
持ち込んだ和歌のうち「この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし」という一首が話題になり、岡野氏が「うれひ」の内容を尋ねると、徳川元侍従長がA級戦犯合祀に言及。「お上(昭和天皇)はA級戦犯合祀に反対の考えを持っておられた。理由は二つある」と切り出した。
その上で「一つは(靖国神社は)国のために戦に臨んで戦死した人々のみ霊を鎮める社であるのにそのご祭神の性格が変わるとお思いになっておられる」と説明。さらに「戦争に関係した国と将来、深い禍根を残すことになるとのお考え」と明言したという。元侍従長は「こうした『うれひ』をはっきりお歌になさっては差し障りがあるので少し婉曲(えんきょく)にしていただいた」と歌の背景を話したという。
靖国神社をめぐっては、前年の八五年八月十五日、中曽根康弘首相(当時)が閣僚とともに公式参拝。中国などの反発を招き、翌八六年八月の参拝を見送った経緯がある。
昭和天皇は戦後、靖国神社を八回参拝したが、A級戦犯合祀が明らかになる前の七五年十一月が最後だった。現在の天皇陛下は即位後、参拝していない。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007080402038375.html