Thursday, May 03, 2007 8:08 AM
[nmw] 地方「保守層」の「9条の会」参加戦中派「黙っておれぬ」 九条の会、保守層も護憲訴え
朝日2007年05月03日07時12分
戦争を知る世代の保守層から「平和憲法を守れ」との声が上がっている。「九
条の会」に加わった元自民党県連幹部もいる。各地の「九条の会」にある「従来
の革新勢力だけでは改憲の流れを止められない」という危機感が、保革連携の背
景にある。
「戦争や武器の放棄を位置づけた憲法が、いつの間にか雲散霧消していく。子
孫のためにどうしなければならないか、いま一度考え直す時が来た」
4月22日、石川県の加賀市文化会館で「加賀・九条の会」の集会が開かれ、
元自民党県連幹事長の上口昌徳さん(75)が講演した。91年まで24年間、
県議や県議会議長を務めた。地元で温泉旅館を経営する。
13歳だった45年7月、空襲で親類7人を亡くした。敵機の爆音や死臭が記
憶から消えない。
昨年、宿泊に来たスイス人の元銀行幹部に言われた。「憲法9条は人類最高の
金字塔だ。守り抜いて欲しい。私たちも期待している」
慎重に考えた末、「九条の会・石川ネット」の呼びかけ人に加わり、講演活動
をするようになった。「昔の自民党にはリベラル派がもっといて、ブレーキ役に
なっていた」と思う。
高知県の「こうち九条の会」では、代表9人の中に、元自民党県連幹事長で県
議会議長も務めた平山公敬さん(83)と、元自民党県連総務会長で須崎市長も
務めた梅原一さん(77)がいる。
やはり戦争体験が原点にある。2人は、かつて県議会で一緒だった元社会党県
議の栗原透さん(79)の熱意に打たれ、代表に加わった。「憲法を守れるかど
うかという一世一代の大勝負の時期に、余生を送る運命にある。ともにやり遂げ
よう」と説得された。
同県宿毛市の「すくも九条の会」筆頭代表は、元県農協中央会長の所谷孝夫さ
ん(76)だ。99年の知事選で自民党県連の推薦を受け、橋本大二郎知事と
戦った。会の発足後は「いつから革新になった」と批判されたこともあった。
「幅広い運動にしなければ」と、革新色を薄めることに腐心している。
平山さんは「自由民権運動を生んだ土地柄。護憲運動に保守も革新もないはず
だ」と話す。
新潟県阿賀野市の「九条を守る阿賀野の会」では、旧水原町で保守系と革新系
に分かれて戦った町長経験者2人が、ともに呼びかけ人に加わった。自民党に推
されて当選した吉川正夫さん(84)は「終戦直前、同期の戦友が自分の身代わ
りになって戦死した。憲法には、時代に合わせて変えるべき条項もあるだろうが、
9条を変える必要はない」と言う。
各地の「九条の会」では、改憲の手続きを定める国民投票法案に対して、あく
まで廃案を目指す運動と、国民投票での改憲案否決を目指す運動が混在している。
「保守層とも連携しないと改憲を阻止できない」という危機感が強まっている。
◇
〈キーワード:九条の会〉 作家の大江健三郎氏や元首相夫人の三木睦子氏ら
9人の呼びかけで、04年6月に発足。思想・信条・立場の違いを超え、9条の
改憲を許さないという一点で共闘する。地域や職場ごとに結成され、全国で60
00団体を超えている。
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