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<転載>日本の現在と、「戦前」とはとてもよく似ている
http://www.asyura2.com/07/kenpo1/msg/234.html
投稿者 如往 日時 2007 年 4 月 14 日 07:17:34: yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: <転載>平和憲法という「国柄」を、もっと大切にしなくてはならない 投稿者 如往 日時 2007 年 4 月 14 日 07:10:01)


 マガジン9条 半藤一利さんに聞いた その3 2007年3月28日 http://www.magazine9.jp/interv/hando/hando_3.html
 <憲法を改正して、自衛隊を自衛軍に、と謳いあげる安倍政権。そんな日本の「現在」を、半藤さんが昭和史と比較しながら読み解いてくれました。>
 (◆:半藤氏,<>:編集部)《以下抜粋》


 ◆日本の政治家も民衆もマスコミも、軍事がどんなものであるのかという認識がまるでない。軍事、軍隊ほど恐ろしいものはないんですよ。これは太平洋戦争のときの日本の軍隊というものを勉強してみればすぐ分かることなんですけどね。軍隊は武器を持ってますから、いつだってクーデタを起こせます。国家をひっくり返せる。どこの国でも最大の力を持っているのは軍隊じゃないですか。それほど恐ろしいものなんです。
 軍隊というものは、独断専行ができるということです。どんな国でも、クーデタを起こすのは軍隊です。「軍隊による安全」とともに、「軍隊からの安全」もしっかりと考えておかなければならない。軍隊とは何かということをきちんと考えた上で、日本人が本当に軍隊を持っていいのかどうか、みんなでもっと議論するべきでしょう。憲法9条と関わってくる問題です。

 <そういう意味で、防衛庁がアレッという間に防衛省になってしまったというのは、かなり危険な兆候ではないですか?>

 ◆自衛という言葉は、相手から見れば恐怖でしかない。自衛という名の下で侵略戦争をやってきたのが、これまでの人類の歴史ですから。そんな歴史を辿れば、日本が防衛省を作って正式な軍を持ち、集団的自衛権を振りかざして海外に出て行く、という可能性も大いにある。あれだけの大戦争をやって、世界に大迷惑をかけた日本がやるべきことじゃないですよね。

 <でも、日本がそういう危ない方向へ進みつつあるような。>

 ◆歴史好きで歴史を勉強してきた立場から言うと、時代が転換していくときの動きはよく似ているんですね。何となく昭和8(1933)年から10(1935)年ごろの日本と今の日本はよく似ているのではないかと。整理して比較してみましょう。
 1、教育の国家統制です。昭和8年に教科書が全面改訂された。そして今は教育基本法改正です。
 2、情報の国家統制です。昭和8年の新聞法の強化、出版法改正。そして今はやれ通信傍受法、個人情報保護法です。
 3、言論弾圧の強化。特高の設置が昭和7年、天皇機関説排斥が昭和9年、そして天皇現人神の国体明徴運動が昭和10年。今は共謀罪、そして憲法改正への歩み。
 4、テロの発動です。一人一殺事件に始まって5・15、若槻礼次郎暗殺未遂(昭和8年)、一木喜徳郎宅襲撃(昭和10年)です。今は朝日新聞京都支社襲撃、加藤紘一宅焼打ち、小林陽太郎宅襲撃、日経新聞に火焔ビンなどなど。
 そして最後に5、政治家や論壇、そして民衆レベルのナショナリズム鼓吹です。これは昔も今も同じです。どうです、似ているでしょう? 

 <歴史は繰り返す、ですか?>

 ◆そう。これも僕の自説なんですが、日本人の精神の底にあるのは攘夷なんですね。近代日本というのは尊皇攘夷で始まったんですよ。ところが、薩英戦争も下関戦争もこてんぱんにやられちゃって、しょうがないから開国だと言い出した。あれは、真の開国じゃなくて、いずれ攘夷をするための開国だったんですよ。
 じゃあ、攘夷の精神はどこへ行ったかというと、みんな腹の底に持っている。だから日本人は今でも、ちょっと外圧があるとすぐに攘夷の精神へ走るんです。太平洋戦争が始まった直後の、日本のインテリ層の喜びようというのはまさにそうですよね。「ペリー来航以来の日本人の無念の思いと攘夷の精神を、今こそ発揮するときだ」といって。
一方で、日本人には悲惨な戦争体験に基づく戦争への嫌悪感、反戦意識というのもまだまだある。今はその二つ、攘夷の精神と反戦意識との戦いのときなんだと思うんです。

 <なんとかその後者のほうを勝たせないと。>

 ◆そう。戦争体験なんかをきっちりと後世に残していくことによって、攘夷の精神を抑えていかなきゃいけない。ただ、私は戦前と今起こっていることがいくら現象として似ているとは言っても、まだ70歳以上の爺婆たちが頑張っている間は、そうは簡単に悪くならないだろうと思ってるんだけどね。

 <でもそういう方たちが退いてしまったら。>

 ◆そのころは、もう私はあの世へ行ってるんで分からないけど(笑)。だけど、今の日本人はもう少し利口なはずだから、昭和8年から10年当時とは違って判断をそんなに誤らないだろうと。それには、あなた方みたいな人たちに頑張ってもらわないとね。

 <前回半藤さんは、ご自分は全然変わっていないのに、周りがどんどん右へ行っちゃった、とおっしゃっていましたが、それはなぜなんでしょう?>

 ◆みんな飽きたんですよ。例えばね、明治時代からずっと一生懸命やってきて、それなりに大国となって落ち着いてしまう。そうなると飽きる人が出てくる。飽きる時代になると、強い人待望論です。昭和の初めってそういう飽きの時代で、日露戦争の体験や悲惨さを知らない連中が軍部を牛耳りだす。古い悲惨な記憶は無しで、栄光だけを覚えている。その結果があの戦争でしょ。今の勇ましいことを言い出している連中も同じことですよ。戦後、営々と築いてきた平和な繁栄に飽きた人たちが出てきたってことです。戦前の悲惨な残酷な記憶はすっぱりと頭から消え失せ、世界に冠たる、みたいな栄光だけを歴史から掬いだしてくる。今の生温い平和はいらない、民族としての矜持や誇りを、なんてことを言い出すんですね。

 <そうですね。「平和ボケ」なんて嫌な言葉が流行りだしたころから、なんかヤバイなあと。>

 ◆ヤバイですよね。平和ってものがいかに尊いものか、いくら力説してもその人たちには通じませんからね。機軸が平和憲法であるということが、気に食わないんでしょうね。僕なんかそれでなんで悪いの、って感じですけどね。

 <本当に、この憲法の何が悪いの? ですね。>

 ◆そうです。まだまだこの憲法は生き続けると思いますよ、僕は。だって、こんないいものはないんだもの。

 <転載終了>

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