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Re: MS Office年間売上は全世界で1兆2000億円、日本市場では1000億円!?
http://www.asyura2.com/07/it10/msg/417.html
投稿者 こげぱん 日時 2008 年 5 月 21 日 22:24:56: okIfuH5uFf.Lk
 

(回答先: Re: ビル・トッテン氏講演−独占から共生へ 投稿者 こげぱん 日時 2008 年 5 月 21 日 22:18:06)

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/info/magazine/1186976_1214.html


情報誌『アシスト』


*MAY/JUN 2008
公開ソフトウェア*

2008/05/01

公開ソフトウェア - 

*OpenOffice.org情報交換会 〜開催報告〜*


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*■講演:『自社内で始まった
     Open Document Formatの利用と今後の展開』*
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     日本アイ・ビー・エム株式会社 
     ソフトウェア事業
     ロータス事業部

     森島秀明様(写真上▲)


     日本アイ・ビー・エム株式会社 
     ソフトウェア事業
     マーケティング&ストラテジー

     西 孝治様(写真上 ご講演の模様▲)


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日本アイ・ビー・エム(以下IBM)は、Lotus Notesに象徴されるクライアント側のソフト
ウェアを提供していることからMicrosoftと比較されることが多い。現実としても、IBMは
ODFの社内利用、そしてベンダーとしてオープン・プラットフォームの普及/啓蒙に取り
組んでいる。


*【クライアント:2つの道】*

クライアント分野でわれわれは20年Microsoft製品と付き合っているが、ここに来て2つの
道が出てきた。1つはWindows VistaとOffice2007という世界、もう1つはLinux、
Windows、Mac等OSに選択肢があり、それらを吸収するクライアント・ミドルウェア、その
上にLotus NotesやOpenOffice.orgなどオープン系のアプリケーションを載せて使用する
という世界である。IBMはベンダーとして後者の道を提供していこうという方針である。
このようなオープン性を重視する選択肢の多様化はサーバ側では以前から行われており、
クライアント側もこれからはこのようにレイヤーに分けて互換性の違いを吸収していく方
法がとられるべきだと考える。オフィス・ツールの市場規模を見ると、Microsoftは昨年
世界においてオフィス・ソフト関係で1兆2千億円の売上があった。日本市場は約1割、
1,000億円程度だと推定されるが、果たしてわれわれはユーザとしてそれに見合ったサ
ポートの付加価値を受けているのであろうか。この費用を別の業務アプリケーションの開
発などビジネスに役立つプロジェクトに投資すべきではないか、というのがIBMの提案で
ある。


*【市場の動き】*

オープン・クライアントの市場動向を見ると、ガートナー・レポートによればオーストラ
リアでは77%の企業がVista、Office2007へ移行せず他の選択肢を検討すると回答してい
る。またPCベンダーでは「HP社はLinux系に移行しているユーザが増えているためプリイ
ンストールの段階から LinuxOSを入れることを計画している」、「Dellは中国において
NovellのSUSE Linuxを搭載したシステムを販売開始する」という。また、ユーザ側での大
きな事例を見ると、プジョーでは75,000台のWindowsクライアントを使用していたが、コ
スト削減のためにLinux系クライアントOSへ移行するプロジェクトが進行中とのことである。

IBM社内では、現時点の標準環境としてWindowsXPと2000、そしてOpen Client for Linux
という3つの選択肢がある。IBMにおけるOpen Clientの定義は、マルチOSの混在環境と
Javaによるオープンなアプリケーション環境である。ブラウザはIE6までで、IE7へのアッ
プグレードは禁止されている。オフィス・ソフトの分野では、買収したLotus製品以外に
Office2003についてもコーポレート契約を締結していたが、 Office2007については契約
を更新しないという決断をした。その背景にあるのがOpen Client for Linuxであり、
Firefoxもブラウザの社内標準に加わっている。


*【無償ソフト配布】*

ベンダーとしてのIBMの取り組みとしては、昨年9月よりMS Officeファイルにも対応する
ODF用オフィス・ソフトLotus Symphonyの無償配布を開始している。40万人のIBM社員が
オープンソース・ソフトを利用することでMS Officeのライセンス・コストを削減すると
いう狙いと同時に、販売するものを自ら使うという方針に沿ったものである。同時に標準
化への貢献ということでOpenOffice.orgにも正式加入し、技術面でも協力していく意向を
表明した。Lotus Symphonyはこれまでベータ版を4回出すとともに、同等の機能がすでに
Lotus Notes8の機能として標準搭載されている。Lotus Symphonyとして単独の利用におい
ても、無償配布開始後2週間で10万ダウンロードという予想外の大きな反響があり、MS
Officeライセンスに対するユーザの悩みの深さに驚いている。

お客様の中には、IBMというとメインフレームに象徴される「顧客囲い込み」を連想され
る方もおられるかも知れないが、ソフトウェアに関しては非常に強くオープン性を重視し
ている。Eclipseをはじめオープンソースのコミュニティに貢献し、クライアント系の開
発ツールにも注力している。その理由はソフトウェアは日々進化しており、IBMといえど
も自社ですべての技術革新を担うことは不可能であるからだ。最先端の高付加価値の技術
開発に自社のリソースを集中しながら、すでにメンテナンス・フェーズになった分野は
オープンソースやコミュニティに委ねてもよいのではないか、というのがIBMの基本的な
考えである。そのためOpenOffice.orgなどはすでにコモディティ化している技術だという
のがIBMの見解である。

OpenOffice.orgへ移行というと、常にすべてのユーザやPCを1台残らず移行しなければな
らないという固定観念が特に運用管理を行っている方にはあるようだが、すべてを移行す
る必要はないと考える。ユーザには様々なレベルがあり、パワー・ユーザと一般オフィ
ス・ユーザでは必要な機能は異なる。特にマクロを無理やり移行させるという考え方もあ
るが、Excelのレガシー・アプリケーションを移行してまでクライアント側で保有し続け
ることは、内部統制への対応などを考慮するとベストな選択肢とは限らないのではないか
とIBMは考える。例えば経営データを分析加工したファイルについてはメールで転送する
こと自体、情報漏洩という面で内部統制に抵触しかねない。IBMでは基本的にマクロを
使ったりAccessを使ったデータはサーバ・アプリケーションに移行して、できるだけクラ
イアント側に業務用データを保有しないという考え方を選択肢の1つとしてご提案している。

以上、IBMの社内の動向、ならびにベンダーとしての動向も踏まえてオープンソース・ソ
フトウェア関係の取り組みをご紹介させていただいた。今後のオープンソース戦略立案の
ご参考になれば幸いである。


以下参考−同時開催されたMozilla Japan(Firedox/Thunderbird開発団体)瀧田代表理事講演

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* ■講演:『企業・大学で利用が進む
           Firefox & Thunderbird』*
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     Mozilla Japan 代表理事 瀧田 佐登子様


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有限責任中間法人 Mozilla Japan は、オープンソース・ソフトウェアプロジェクトを支
援するために2004年に設立された非営利法人である。本日は、Mozilla社が提供するオー
プンソース・ソフトウェアであるブラウザ「Firefox」と、メール・ソフト
「Thunderbird」についてお話しする。


*【ブラウザの歴史*】

ブラウザと言えば、MicrosoftのInternet Explorer(以下IE)、過去にはNetscapeがある
が、Mozillaが提供するFirefoxはNetscapeが開発した Netscape Communicatorのソース
コードを基にしたオープンソース製品であり、現在、全世界でアクティブ・ユーザは約1
億5千万人、ダウンロード数は5億回を超えている。ブラウザの歴史を振り返ると、現在は
IEが標準だがNetscapeがシェアを誇った時代があった。それが変わったのは1998年、
NetscapeがCommunicatorというソフトを無償配布し始めた時だ。この背景にはMicrosoft
とのシェア争いをする中で、企業内で作る技術の行き詰まりなどから、外からの知恵を入
れようということでオープンソース化するという決断があった。オープンソース化するこ
とで資産を公共化し、標準をベースにした次世代ブラウザを作っていこうという思想だっ
たのである。しかしオープンソースをベースにした進化したブラウザ上で、昔の機能が動
かないという現象が起きてしまい、企業のNetscape離れが起きた。1999年頃はネットワー
クが普及し、企業がWebベースでイントラを作ろうとしていた時代である。こうして多く
の企業が選択したのがIEだった。しかし、Netscapeを基にしたMozillaはその後もオープ
ンソースの世界でブラウザの研究を地道に続け、2004年にFirefoxを完成させた。

当初オープンソースは技術者向けのイメージがあったため、一般の人にも安心して使って
もらえるようにするには受け皿になる場所が必要と考え、 Mozilla Japanを立ち上げた。
その頃企業を訪問すると、「今さらなぜブラウザの組織を立ち上げるのか」、「IEを使っ
ているから必要ない」とよく言われた。しかしFirefoxをリリースして状況が徐々に変
わってきた。1つはインターネットの世界が激変し、一般の人が気軽にネットで買い物を
するようになり、ブラウザが身近なものとなったことだ。そしてここにきてアシストのよ
うに、企業が安心してFirefoxを利用するために不可欠なサポートを提供する企業も出始
めた。このためMozilla Japanは、改めてWebやオープン・スタンダードの意義というもの
を皆さんに問いかける時期に来ていると思っている。


*【今、選択の時】*

なぜ今ブラウザ選択の時なのか。それはIE7の互換性の問題のために、Netscapeが経験し
たことを今Microsoftが経験しているからである。またVista問題もある。その根底にはベ
ンダー依存の仕様でよいのかということが挙げられる。OSやアプリケーションのバージョ
ンアップにどう対応するか、独自仕様の弊害やいつまでサポートがあるかといったことを
考慮してユーザは今後の計画を立てるべきだ。オープンソースで無償だからというだけで
なく Firefoxを選択肢の1つに検討する企業が増えているのはこのためである。

その選択肢のFirefoxだが、Mozilla Japanは125名の社員がマーケティングやコミュニ
ティをサポートし、世界でソースコード貢献者1,600人、開発途上版のテスターが2万人、
ベータ版ユーザが50万人いる。この他にもローカライズ貢献者、テクニカル・ライター、
拡張機能作者などがオープンソース・コミュニティと呼ばれるボランティア・ベースの組
織を通して参画している。製品の開発プロセスでは段階ごとに設計レビュー、脅威のモデ
ル化、侵入テストなどのセキュリティ・チェックが行われている。何よりオープンソース
はガラス張りであり、セキュリティ・ホールについて隠されていることは何もない。シマ
ンテックが「Firefoxは安全か」というレポートを出し、IEと比較してセキュリティ・
ホールが多いと報告していたが、Firefoxは隠していないため、それ以上ないという数字
であり、逆にIEは公にされていないものもあるということをご承知おきいただきたい。


*【導入状況】*

現在Firefoxは、地方自治体などではオープンソース・ソフトのデスクトップ導入により
徐々に普及している。また企業では大手SIベンダーなど、推奨ブラウザとして使用してい
るところも出てきた。社内イントラでIEを使っているが、外部は安全を考慮してFirefox
を使うようにしているという企業も出てきている。メール・ソフトThunderbirdは、大手
グローバル企業などで導入が進んでいる。カスタマイズ性を評価されて社内展開される
ケースが多い。大学での導入状況は2007年、国立大学の半数以上がFirefoxを推奨してい
るが、公立、私立の導入はまだ1割程度しかなく、もともと Netscapeを使用していたとこ
ろが、NetscapeがなくなったためにFirefoxへ移行したということのようである。

Firefoxへ移行する場合はMozillaのサイトにFAQが用意されているし、またサポートが必
要という企業はアシストに相談するなど、是非この機会にFirefox、Thunderbirdをご検討
いただきたいと思う。

 


 


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