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豊かな農地奪わないで 名古屋・守山 区画整理で移転要請
(中日新聞)2008年3月21日 07時59分
名古屋市守山区で、自然を生かして野菜などを作っている農場が、土地区画整理のため移転を迫られている。農場を営むのは300年以上続く専業農家で、農業の担い手として認められた市の「認定農業者」にもなっている。周辺には幹回り3メートルもの巨木に、希少生物の生息…。豊かな生態系の中ではぐくまれてきた農業を絶やさないでと、存続を願う6000人余の署名が集まり、松原武久市長に届けられた。
守山区中志段味(なかしだみ)沢田の野田輝己さん(59)と妻幸子さん(58)、娘夫婦の家族4人で営む「野田農場」。
庄内川流域の肥よくな土質に恵まれ、1ヘクタール余の農地で、トマトやキュウリ、インゲンなどの野菜をハウス栽培しているほか、米を作っている。ハウス栽培農家で1ヘクタール規模の農地を持っているのは市内でも10戸ほどしかない。
農場西側には、高さ15メートルのクロガネモチを囲む竹林があるほか、水辺にはウナギに似たスナヤツメといった絶滅危惧(きぐ)種やクサガメなどが生息。オオタカが羽を休めに飛来するなど、貴重な生態系が農地と共存している。
中志段味地区では、周辺を「新市街地」として整備するため、約200ヘクタールを対象に区画整理事業が始まり、1995年に組合ができた。2度にわたる計画変更を経て今月26日には、代わりの農地となる移転先が組合から示され、2カ月後に正式決定する。
移転先は農場北側で、一帯は2メートルかさ上げした造成地。野田さんらは区画整理事業そのものには反対していないが、「2メートルもの盛り土をした上では、これまでのような自然に根差した農業はできない」として、今の土地で農業ができるよう継続を求めている。
1月と2月には、名古屋の中心部・栄で、認定農家として地域農業を支えていることや、生態系を守ることにも寄与していることを訴え、6000人を超える署名を集めた。
区画整理組合や市の志段味総合整備推進室は「個別の事情すべてには対処しきれない。対象地は市街化区域で、地元の合意の中で進めている事業なので理解してほしい」としている。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008032190062419.html