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医者を殺すに刃物はいらぬ。訴訟一つも、あればいい。 : 「割り箸事件」民事訴訟判決→「医師の過失認めず」控訴棄却
http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/429.html
投稿者 どっちだ 日時 2008 年 2 月 12 日 20:28:15: Neh0eMBXBwlZk
 

---医者の常識、世間の非常識 から転載------------------------------
http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10072116922.html

「割り箸事件」民事訴訟判決→「医師の過失認めず」控訴棄却
2008-02-12 16:56:40


メッセージボードでは、福島大野病院事件がこの2月18日で丸2年になるという事で、

記事の予告を掲げていますが、この事件に先駆けて医療訴訟時代の発端ともなったと考えられる

この事件の影響も忘れる事はできません。


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割りばし死亡事故:12日判決 遺族「真実明らかにして」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080211k0000m040051000c.html
毎日新聞 2008年2月10日 20時00分

東京都杉並区で99年、のどに割りばしが刺さって死亡した杉野隼三(しゅんぞう)君(当時4歳)の両親が、「十分な診察を怠った」として学校法人杏林学園(三鷹市)と担当医(39)に8960万円の賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁(加藤謙一裁判長)で言い渡される。

 隼三君は99年7月10日、盆踊り会場で綿菓子の割りばしをくわえたまま転倒し、杏林大付属病院に運ばれた。担当医は傷に薬を塗っただけで帰宅させ、隼三君は翌朝死亡。司法解剖で7.6センチの割りばし片が脳に刺さっていたことが判明した。

 病院側は一貫して「脳に割りばしが刺さっているとは予想できない」と過失を否定し、直接の謝罪はない。

 父正雄さん(56)は「調査を尽くさない姿勢に納得がいかなかった」、母文栄さん(50)も「きちんとした説明と謝罪があれば、提訴しなかった」と話す。兄雄一さん(20)は「兄弟3人いつも一緒だった。命が失われた理由をはっきりさせて」と訴える。
 担当医は業務上過失致死罪に問われたが、06年3月の東京地裁判決は過失を認めながら「救命可能性が極めて低かった」と判断し、無罪を言い渡している(検察側が控訴)。

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この出来事とはつまり、


割り箸を咥えたまま転等した子供が、

喉から脳にかけて折れた割り箸が突き刺さって死亡したのが、

それを診察して割り箸に気づかなかった医師の責任と訴えられた事件

なんですが、ニュース翌日から救急医療の現場を恐怖に陥れたました。


「こんなの、割り箸見つけられるかな〜〜?」


「自分も、気がつかないかもな。だったら、訴えられるのか・・・。」


「見つけてたとしても、脳まで突き刺さってたら、ただじゃ済まないだろ?

なのに、業務上過失致死って刑事告訴じゃあ、犯人扱いか・・・。」


・・・救急で働く医師は誰しも口々に言いました。


しかし、当時のマスコミは医者を「誤診」と責め立て、

亡くなられた子供の両親は出来事を本に仕立て世間に訴えかけ、

司法はコレに応じる形で医師に刑事責任を問うまでに至るわけです。

この事件で、

世間は医療不信を募らせ、医療訴訟の増加、クレーマー患者をはびこらせ、

医療は患者家族の感情の激しさに晒された為に、救急医療全体のモチベーションを下げる結果となり、

現在の医療崩壊を発火させた事件の一つであると言えます。


99年の出来事で、06年3月に東京地裁で刑事訴訟1審の判決あり、

医師の過失を認めた上で、業務上過失致死にあたらず無罪判決が出ています。


今回は、同じ東京地裁で民事損害賠償事件として訴えが起こされているもので、

本日、賠償請求を完全に退ける判決が出ました。


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「診察に過失ない」 刑事裁判と逆の判断 割りばしで園児死亡事故
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080212/trl0802121512010-n1.htm
2008.2.12 15:12

東京都杉並区で平成11年、割りばしがのどに刺さった保育園児、杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん=当時(4)=が、杏林大付属病院(東京都三鷹市)で受診後に死亡した事故で、園児の両親が、病院を経営する杏林学園と診察した医師(当時)のOOOO被告(39)=1審無罪、検察側が控訴=に計約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。加藤謙一裁判長は「診察に過失はなかった」として両親の訴えを退けた。両親は控訴する方針。

 事故では、東京地検がOO被告を業務上過失致死罪で起訴。1審東京地裁は18年3月、過失を認める一方、延命可能性を認めず無罪としていたが、民事では医師の過失についても認定しなかった。

 訴えていたのは、隼三ちゃんの父、正雄さん(55)と母、文栄さん(50)。訴訟では、(1)割りばしが脳内に刺さっていることを予見できたか(2)適切な治療として延命可能性があったか−の2点が主に争われた。

 加藤裁判長は、これまでに報告のない症例▽神経障害などの症状が見られなかった▽折れた割りばし片が口の中で確認困難だった−などの理由から、「当時の医療水準や受傷状況から、割りばしが脳を損傷させた可能性は診断できなかった」と指摘し、OO医師の過失を否定した。


 その上で、隼三ちゃんの死因について「割りばしが刺さったことが原因だが、具体的な仕組みは不明」と判断。「適切な診察や治療を行ったとしても、延命の可能性は認められない」と結論付けた。

 判決によると、隼三ちゃんは11年7月、杉並区で開かれた盆踊り大会で転び、綿菓子の割りばしがのどに刺さったため、杏林大に救急搬送されたが、OO被告は塗り薬を付けただけで帰宅させた。隼三ちゃんは翌朝、容体が急変し死亡した。


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これでこの事件は、

刑事、民事ともに1審判決は医師無罪となった訳です。


被告となられた担当医の先生、本当にご苦労様でした。

しかし、刑事、民事とも控訴の方針との事ですから、まだまだ憂いが晴れるまで時間を要する事であり、

こういった訴訟を抱えて医師として仕事を続けられるのかどうか、という事を考えるに本当に


医者を殺すに刃物はいらぬ。

訴訟一つも、あればいい。


私なんか小心者なら、実際に訴訟されなくても、患者や家族に「訴えるぞ!」と脅されただけで、

明日には医者辞めてしまいそうですよ・・・orz


・・・しかし、この原告家族の遺族感情とは非常に激しいものに感じます。


ご遺族は、

「担当医師を有罪にする事が、亡くなった子供の願いだ。」として、短冊に書いて刑事裁判に臨み、

「命が失われた理由をはっきりさせて欲しい。」と、裁判で真実を求めて民事裁判にも臨まれました。

私は亡くなった子供が医師の有罪を願っているとも、裁判で真実もハッキリするとも思っていませんが、

ご遺族が求められた答えは、裁判所で今回出た訳です。一審でのその答えとは、


「命が失われたのは、割り箸が刺さった事が原因で、

医師には刑事責任もなく、過失もなく、賠償責任も無い。」


これが、裁判で明らかになった「真実」です。

・・・こんなのは「真実」じゃないから、控訴するんですよね・・・。


それも、国民の裁判をする権利です。


しかし、一人一人のそういった感情がマスコミに増幅されプロパガンダに利用された結果、

10年も経たずに医療はここまで崩壊したのが事実です。


巨大掲示板では、「キサー・ゴータミーの話 」よいうコピペが張ってあって、なるほどと感心させられました。

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キサー・ゴータミーの話

キサーゴータミーは、結婚するとまもなくかわいい男の子を授かった。ゴータミーは大変この子をかわいがり大切に育てていた。 しかし、男の子が歩いて遊ぶようになったころ、突然死んでしまったのです。

ゴータミーは愛児の突然の死が信じられず半狂乱の状態になってしまった。ゴータミーは、死んだ愛児を抱きかかえ、 「誰か、この子を生き返らせる薬を下さい」と言って、町じゅうを歩き回ったのです

町の人もさすがに「このまま放って置けない」と考え、ブッダに薬をもらうよう、ゴータミーに教えた。
ブッダに会いに行くとゴータミーは言った。

「この子を生き返らせる薬を下さい」

するとブッダはこう言った。

「ゴータミーよ、よく聞きなさい。それでは今から町に行き、家々を訪ね、まだ一人の死者も出したことのない家から、芥子の粒をもらってきなさい。 そうすれば、その薬を作ってあげよう」

町に出たゴータミーは言われた通りに、一軒一軒訪ねて廻った。 しかし、死人を出した事のない家などあろう訳はなかった。そのうちようやくブッダが自分に何を教えようとしたのかわかったゴータミーは、

「愛する我が子よ、わたしは今まであなたが一人だけ死んでしまったとばかり思っていた。
でも生まれてきた者は皆死ぬのが定めなのだ」

ゴータミーは愛児を墓に埋めてやり、ブッダのところへ再び言った。
ブッダが訪ねた。 「ゴータミーよ、芥子の粒はもらえたかね」 それに対して、

「ブッダよ、もう芥子の粒はいりません。家々を訪ねて廻るうちに、死なない人などいないということがわかったのです。わたしをあなたの弟子にしてください」 とゴータミーは答えた。

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最後に、亡くなった幼児のご冥福をお祈りすると共に、

その本当の願いとは何か、にご遺族が早く気づかれる事を祈ります。

以下は、過去の関連エントリーです。


検察「救命できた」 割りばし事故の控訴審http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10036558565.html

割りばし事故の控訴審に見る、マスコミの偏向性http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10036661594.html

医者を殺すにゃ、刃物はいらぬ。http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10035127328.html

裁判官が、「裁判で真実を明らかにする。」を否定http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10051415879.html

奈良大淀病院事件、民事訴訟へ。http://ameblo.jp/doctor-d-2007/entry-10034655280.html


コメント

■こんにちは

この事件、よく覚えています。もう10年近くも前の事件なんですね・・。

ご両親が、なぜここまで熱意をもって訴訟に臨まれるのか、ちょっと理解しかねる気がします。もちろん、最愛の子どもが死んだのですから、”なぜ、わが子が死ななければならなかったのか・・。”という気持ち、無念さ・・は分かります。そして、医師や病院を責めずにいられない気持ちも理解はできます。
でも、当時から疑問だったのですが、隼三君はひとりで盆踊り会場にいたわけではないでしょう?親なり祖父母なりの大人が、割りばしをくわえたまま転倒した隼三君の、割りばしの一部がないことに気がつかなかったのでしょうか?病院で、割りばしの一部がないことを訴えれば、もしかしたら割りばしが見つかっていたかもしれません。(だからといって、助かっていたか、というと疑問でしょうが、心情的に違うと思われるので・・)

突然の事故で、愛児を亡くされたご両親はお気の毒だと思いますが、医師や病院は、そんなに感情を逆なでするようなことを言ったりしたりしたのでしょうか?第3者として、ご両親に同情はしますが、同調はできません・・。

長文、失礼しました・・。
hare-toki 2008-02-12 18:38:48

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