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----天漢日乗 から転載---------------------------------------
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/02/8_057f.html
2008-02-09
首都圏救急医療崩壊 脳内出血で心肺停止ならほぼ絶望なのに「搬送受け入れ拒否」と昨年8月の事例を書き立てる朝日新聞 とうとう「東京大空襲」開始かマスコミ各社
まず、亡くなった方に合掌。
え〜
脳内出血
のおさらいをします。
1. 脳の内部で出血が起きて、その時点で出血した部位・その先の血液が供給されなくなった脳細胞はダメになり、出血が作った血腫によって押しつぶされた脳(脳ヘルニア)もダメになり、ダメになった部分は不可逆的で、元に戻ることはない
2. 脳内出血では、脳の深い部分(基底核・視床)に起きるのが8割、したがって生命維持に関わる部分がダメになることが大半
というのが、わたしの理解ですが、専門家の先生方、間違ってないでしょうか。
さて、この理解の元に、次の記事を読むと
脳内出血で心肺停止なら、生命維持を司る部分が出血でダメになった、ということだから、倒れてすぐ蘇生術を施していたとしても、救命の可能性はほとんどない
と思われるのだが、何故、朝日は
「受け入れ拒否」
とあたかも
受け入れ先があれば、絶対に助かっていた
という論調の記事を書き飛ばすのか。
理解できないんですが。
受け入れ拒否14回、男性死亡 千葉・東金
http://www.asahi.com/national/update/0209/TKY200802090182.html
2008年02月09日17時00分
千葉県東金市で昨年8月、男性(当時56)が自宅で心肺停止状態になった後、のべ14回、搬送受け入れを断られていたことが分かった。119番通報から約1時間後に搬送されたが、死亡した。病院が受け入れを断ったのは「医師が診察中」などの理由だったという。
同県山武郡市広域行政組合消防本部などによると、昨年8月23日、男性が自宅で倒れているのを見つけた妻(56)が午後4時58分に119番通報。約10分後、救急救命士ら3人が現場に到着した。
消防本部は、近くの県立東金病院や、山武市の国保成東病院など計10病院にのべ14回搬送受け入れを求めたが、「心肺停止の患者には対応できない」「医師が他の患者の診察中」などと断られた。その間、ドクターヘリにも一度要請したが断られた。
同日午後5時37分、最後の16回目の要請で同県茂原市の公立長生病院への搬送が決まった。それから約20分後に病院に到着したが、まもなく死亡が確認された。死因は脳内出血だった。
同消防本部では、倒れていたのを発見するまでに時間がたっていたことなどもあり、「搬送時間と死亡との因果関係は分からない」としている。
おい、朝日。誰も
脳外科に話を聞いた記者はいない
のか。
当然、他のマスコミも食いついているが
どの社も脳外科に話を聞いてない
のである。アホですか。あなたたちの
取材力
は、
病気で死んだら「全部病院の責任」
とさえなればOKなのか。すげーな。
では、まったく医学的な検証をしてない
後追い他社の報道
を並べよう。こういうのこそ
アホの上塗り
というのである。
「横浜焦土作戦」で横浜のみならず、神奈川東部の産科を崩壊に追いやっている共同通信。
心肺停止に収容拒否15回 119番から1時間後死亡
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008020901000360.html
2008年2月9日 18時04分
千葉県東金市で昨年8月、自宅で倒れた男性(56)が心肺停止状態で救急搬送される際、10の病院やドクターヘリから延べ15回受け入れを断られ、家族の119番から約1時間後に脳内出血のため死亡していたことが9日、分かった。
山武郡市広域行政組合消防本部によると、拒否された理由の多くは「心肺停止状態の患者の対応はできない」「ほかの患者を診察中」だったという。
消防本部によると、昨年8月23日午後4時58分ごろ、男性が倒れているのに気付いた家族が119番。救急救命士ら3人は約10分後に駆け付け、蘇生術を施しながら、病院受け入れを要請したが次々と断られた。
延べ16回目の要請先となった同県茂原市の公立長生病院への収容が同日午後5時37分に決まり、約20分後に到着したが、脳内出血で死亡が確認されたという。
(共同)
大変残念ですが
大人の場合、心肺停止から10分以上経ってから蘇生術
では、助からないと思います。
心肺停止3分でアウト
だから、
即刻蘇生術
が行われなければ、死亡です。
ところが、この場合
119番通報から10分で救急隊が来てから蘇生術
なので、もう、助からない。つか
いつ倒れたのかわからないが、気がついたら心肺停止状態だった
というのは、
もう死んでいるのと一緒
です。
医師の死亡宣告を待っている状態
ってことなんだから。
奈良支局が奈良県南部の産科を絶滅させ、次は大阪はもちろん、「95歳搬送受け入れ不能」報道で首都圏の救急医療を破壊しようとしている毎日新聞。
救急搬送:受け入れ拒否14回…男性死亡 千葉・東金
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080210k0000m040055000c.html
千葉県東金市で昨年8月、自宅で倒れた男性(56)が心肺停止状態で救急搬送された際、10病院に計14回受け入れを拒否されていたことが分かった。男性は約40分後、公立長生病院(茂原市)に搬送されたが、死亡した。
山武(さんぶ)郡市広域行政組合消防本部によると、昨年8月23日午後5時ごろ、男性が自宅で倒れているのを家族が見つけ119番通報した。約10分後に救急隊が到着し、計14回にわたって受け入れを打診したが、県立東金病院(東金市)や国保成東病院(山武市)など計10病院に「入院患者に対応中」などと断られたという。【中川聡子】
毎日新聞 2008年2月9日 19時59分
毎日、ちょっと聞くけど
この事例は、搬送さえされれば、「救命できた」のか?
信じられないんですけど。
後追いなのに芸がない読売。
心肺停止の56歳男性、11病院受け入れ拒否…死亡確認
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080209-OYT1T00503.htm
千葉県東金市で昨年8月、心肺停止状態となって自宅から救急搬送された男性(当時56歳)が、11病院に延べ15回受け入れを断られ、119番通報から約1時間後、16回目の交渉で別の病院に運び込まれたが、死亡が確認されたことが9日、わかった。
山武郡市広域行政組合消防本部によると、昨年8月23日午後5時ごろ、男性が自宅で倒れているのを家族が見つけ、「意識と呼吸がない」と119番通報した。
救急隊は、男性宅に到着する前から周辺の病院と受け入れ交渉を始めたが、「心肺停止状態の患者には対応できない」「医師が不在」「診察中」などの理由で断られ続けた。
一つの病院には、ドクターヘリの出動も要請したが、「(心肺停止状態は)出動の対象外」とされたという。
約40分後、16回目の交渉で受け入れ先が同県茂原市内の病院に決まり、さらに約20分後に到着したが、死亡が確認された。
同消防本部は、搬送時間と死亡の因果関係については、「わからない」としている。
(2008年2月9日19時58分 読売新聞)
何度も言うけど、大人の心肺停止、しかも心肺停止の後すぐにその場にいる人が心臓マッサージなどの救命措置を行っていない限り
救命はほぼムリ
だろう、読売。てか
心肺停止後すぐになんの処置も施されてない大人
というのは
死亡宣告されてないだけで、死んでいるのとほぼ同義
である。そうした
ほぼ死んでいるのと同じ状態の人
に対し
貴重な医療資源であるドクターヘリを出すこと自体が、医療資源の浪費
だと、なぜ気がつかない。
ドクターヘリを断るのは当然
である。てか、こうした「本当は死んでいるのに死亡宣告がおりてない」状態に全部ドクターヘリを出していたら
ドクターヘリで救う必要のある「生き延びる可能性のある」人を殺す羽目になる
のだが。
とうとう
マスコミによる首都圏医療破壊作戦「東京大空襲」
が始まりましたね。
去年暮れからが
大阪大空襲
だとすると、今日は、「医療崩壊」の歴史における昭和20年3月10日ですか。
史実だと、大阪大空襲の方が3日ほど遅いのだけど、
医療崩壊戦線
では、大阪大空襲の方が先でしたね。
単に
首都圏で「搬送不能」数を競いたい
という、
記者の「功名心」
から、いまは既に
崩壊しつつある千葉県の医療
が、
本当に破壊され尽くす
日も近い。
ということで、無署名だけど
首都圏医療破壊の「東京大空襲」の口火を切ったのは朝日新聞
と心に刻むことにする。
更に続き。
時事も後追いで能のない記事を書いている。
008/02/09-21:04 病院受け入れ拒否14回、死亡=ドクターヘリも「対象外」−千葉
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008020900329
千葉県東金市で昨年8月、自宅で意識を失い倒れた男性=当時(56)=が、計10病院に「対応できない」などの理由で延べ14回受け入れを拒否され、約1時間後に搬送された病院で死亡していたことが9日、分かった。
山武郡市広域行政組合消防本部によると、昨年8月23日午後4時58分、男性の家族から119番があり、9分後に救急隊員が到着。男性は心肺停止状態で、隊員らが近くの県立東金病院(同市)をはじめ、県内の計10病院に受け入れを要請したが、「心肺停止の患者には対応できない」「医師が診察中」などの理由で拒否された。ドクターヘリも要請したが、「対象外」として断られたという。
時事は、どうやっても
もう死んでいるのと等しい人間にドクターヘリという貴重な医療資源を浪費しろ
というのだな。ところで
ドクターヘリ1回飛ばすと、いくらかかる
んですか、時事通信。
脳内出血で心肺停止ってことは、
脳で生命維持を司るところが出血で破壊されて元に戻らなくなった状態が起きた
ということじゃないのか。最初にも書いたけど
迅速に救命措置を取っていても助からない可能性が高かったのに、「いつ倒れたかわからない」心肺停止
では、
助かりようがない
のだ。それとも
医師は、「死人を生き返らせる魔法が使える」
とでも言いたいのか、マスコミ各社。大変残念なのだが、今回の事例は
病死している状態で発見された
というのとあまり変わらない。
しかし、マスコミ各社の
医療の現実に関する低学習力
には、恐れ入ります。これでよく
日本の学力低下
とか、記事を書けるもんだ。マスコミ人の死因は、一般の日本人同様
癌・心疾患・脳疾患のいずれかの確率が高い
だろうけど、きっと、どれかで「もう手の施しようがない」状態になったとしても
ドクターヘリを飛ばせ
と、家族に救急隊を恫喝させたいんだろうな。やれやれ。
2008-02-09
コメント
おりしも、4日の参議院予算委員審議では、櫻井議員(民主)が十津川における救命と道路の相関性を切り口に冬柴大臣らを論破なさってました。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
フリップを提示しているのですが、心停止3分、呼吸停止10分で死亡率50%なのですね。それよりも悪い条件が加わったのですね・・・。合掌。
議事録
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/169/16902040014004a.html
投稿 miskij | 2008-02-10 00:19
一時的に蘇生に成功しても
最終的には救命できないケースと考えられます。
投稿 脳外科見習い | 2008-02-10 02:28