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(回答先: 国策と地域医療(消える病院・全5回の2)(医療・介護情報CBニュース) 投稿者 茶々 日時 2007 年 12 月 18 日 09:28:15)
http://news.cabrain.net/article/newsId/13441.html
医療の前に地域崩壊も(消える病院・全5回の3)
新シリーズ 社会保障が危ない〜「改革」の真相6
第2部 消える病院〜検証「医療崩壊問題」
中の2 国策と地域医療
国策に翻弄される地方
下北半島を考える上で不可欠なのは、「むつ小川原開発」に端を発し、半島の柄の部分に当たる六ヶ所村に建設された「核燃料サイクル施設」の問題だ。
関連記事「翻弄される医療」
「国策と地域医療」
むつ小川原開発構想は、地元紙などによると、高度経済成長期の1969年5月に閣議決定された「新全国総合開発構想(新全総)」に盛り込まれ、国家プロジェクトとしてデビュー。開発区域は陸奥湾沿岸から三沢市なども含めた太平洋に至る2万8,000ヘクタールを想定し、石油精製・石油化学・製鉄などの基幹産業を立地させるという「世界最大の開発」として注目された。
青森県は県勢発展の夢≠託し開発を推進したが、陸奥湾漁民の反対運動や住民の移転問題などで関係市町村も反発。その後、開発区域を7,900ヘクタールにまで縮小することを余儀なくされた。そして、この間の2度にわたる「オイルショック」も追い打ちとなるなど、広大な工業用地と膨大な借入金を残して計画は破綻へ至った。
そして85年、むつ小川原開発地域に県と六ヶ所村が核燃料サイクル施設を受け入れた。これは「売れ残った用地と借入金を抱えて困窮していた(財界でつくる)開発会社の救済という側面が強かった」(地元紙)という。核燃料サイクル施設は、「ウラン濃縮工場」・「低レベル放射性廃棄物埋設施設」・「再処理工場」・「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設」から成る。しかし、東京電力の福島第二原発から搬入された使用済み核燃料の輸送容器のデータ改ざん問題が発覚し、受け入れを一時中断。高レベル放射性廃棄物についても「国の取り組みが不十分」として、輸送船のむつ小川原港への接岸を一時的に県が拒否するという事態を招いた経過もある。
巨大開発の頓挫≠ゥら、原子力施設への依存=|。
国策に翻弄されてきた下北地域について、複数の地元関係者は「この地域はもともと経済的に貧しく、仕事がないために若者は流出し、その結果、過疎化も著しい。それで手っ取り早くお金(交付金や補助金等)を得る道を選択し、巨大開発計画を経て核燃料サイクル施設まで受け入れてきた。そうしないと、地方財政が成り立たなくなってしまっている。県も地場産業を育ててこなかった。いまや負のサイクル≠ノ陥っており、不幸な歴史だ」と嘆く。
医療の前に地域崩壊も
第一次産業が衰退し、主だった地場産業もないまま、若者は都市部に流失し、加速する地域の過疎化・高齢化−。
日本が戦後、「高度経済成長」を遂げる中、下北はそれを支える出稼ぎ地帯であった。出稼ぎは、今も続く。また、下北の中心・むつ市は04年3月に周辺3町村と合併したものの、当時6.8万人だった人口が今年は6.5万人に減少。毎年1,000人ずつ減っている計算になり、これは「仕事がなく、地域に住めなくなっている」(地元市議)ことを表している。この市議も「落選すれば、自分も出稼ぎに出ていただろう」と話した。
さらに、不採算路線の廃止から交通事情も悪くなり、かつてより陸の孤島♂サが進んでいる。むつ医療圏では、下北半島西端に位置する佐井村からでは、むつ総合病院までバスで1時間半以上かかり、自宅からバス停までのタクシー代を含めると、一回の通院に交通費だけで医療費よりも高い1万円超を要する高齢者もいるほどだ。かつては有床の診療所も相当数あったが、診療報酬の締め付け=iマイナス改定)で、今はほとんど残っていない。
加えて、国の方針を受けた県の病院再編計画(医療機関の集約化)で、近く佐井村と風間浦村は「無医村」になるかもしれないという…。
こうした歴史に基づく下北地域について、青森県在住の衆議院議員・高橋千鶴子さん(日本共産党)は、「青森は、米の減反をはじめノー政≠ニ称される農業政策、核のごみ捨て場となる核燃料サイクル施設、沖縄県に次ぐ面積を持つ基地問題、この三つの国策に翻弄され続けてきた。その典型が下北だ。医師不足を理由に医療機関の集約化を図るとすれば、ますます過疎化に拍車が掛かる。国や県は地場産業を育てて後継者を育成していくなど、住民の暮らしを成り立たせる施策に転換しないと、医療の前に地域が崩壊してしまう」と警告している。
更新:2007/12/07 キャリアブレイン