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(回答先: 【医者仕事の愚痴】 助産院のお産 投稿者 どっちだ 日時 2007 年 12 月 04 日 13:43:04)
---スーザンのスーザン的世界 から転載------------------------------------
http://blog.goo.ne.jp/takayarisa/e/e5290eae230c309d7b2b5ae39a1a7ae6
2007年12月04日 医者仕事の愚痴
助産院のお産その2
昨日の続き。
日本でお産する人のうち、年間1万人くらいの人が助産院を利用している。
全分娩数の1%に当たる。
1万人くらい、という数字は、ここ20年くらい変化していない。
つまり、少子化が進行して分娩する人の数が減っても、助産院でお産する人数は同じ、ってことか?
じゃあ、助産院でお産する人間の割合は、だんだん増加しているのか?
…
数字(統計)に弱いのでこの方面の話はやめる。
先日も「日本は国民総医療費はOECD30カ国中18番目」という話をしていたら、
ウチの副院長に「日本の総医療費は他の国と計算方法が違うから比較できない」
(正常分娩や歯科自由診療、予防や健康管理の費用が除外されている)
といきなり論破されて黙るしかなかった。(恥
で、何を言いたいか、というと、「助産院はなんで人気があるのか?」
公立病院ならいざ知らず、普通の開業医さんで「あそこでお産した人がなくなった」なんていわれたら
それが事実かどうかはともかく、一時的に患者さんが減るだろう。
たとえそれがどんなに理不尽で不幸な突発事故によるものであったとしても。
助産院でだって、そういうことは起きている。
搬送後に亡くなる、とかだって、女の持つ「うわさ探知能力」であっと言う間にかぎつけられる。
でも、助産院でお産をした人間は減らない。
それは多分、助産院でのお産、助産師単独で扱うお産は、
「分娩が母子ともに安全に終了する」ことを主な目的としているのでなく、
「母親が満足するようなお産をさせる」ことを主眼としてるからではないか、と思う。
産む人である母親に、お産というものを理解させ納得させ受け入れさせる。
そのためには、説明の時間も多く必要だろうし相手の悩みも聞かなくてはならない。
いざ陣痛がはじまったらつきっきりになるのが当たり前。
だから扱う分娩数はそう多くはできないが、
産む人にとっては「たっぷり相手してもらった」満足感が絶対に残る。
…のではないだろうか?
助産院を見学したことはなく聞いた話だけだから、違うかもしれないけど。
説明するときに、「お産は自然のもの、自分の力を信じれば絶対産める」と教え込むのも魅力であろう。
おだてられほめられ「絶対できる」と言われてうれしくならない人間は、いない。
今みたいに、他人をバカにして自分が上だと示したい時代にはなおさらだ。
ダメだバカだクズだ、と言われる世の中で、「あなたはすばらしい可能性を秘めている」と言う。
いいことだと思う。
お産は自分の力で産むのが基本なので、食事とか運動とかを自発的にやるほうが
安産できる可能性は高くなる。
「運動しなきゃダメ」と叱りつけるのと、
「運動することであなたの産む力が最大限に引き出されます」とおだてるのとでは
後者のほうが気持ちいいだろう。
一ヶ月の分娩数が10以下(私が立ち会うもの)なら、そういう指導も可能なのにねぇ。(タメイキ
つまり、病院での分娩と助産院での分娩は
今のところ、目標とするものが全く違うのである。
ピンクハウスの洋服が好きな人と、コムデギャルソンの服しか着ない人は、
絶対にお互いの服装にあこがれたりしない。
同じように、助産院で分娩する人は、病院分娩になど見向きもしないだろう。
助産院での分娩中に何か起きて病院に搬送された場合には、
いつもはピンクハウスしか着てないけど今はコムデギャルソンを着てね、
今だけだから辛抱してください、と言われたようなもんだ。
「医療介入のある分娩」にアレルギーを起こして帝王切開を拒否する妊婦には、
今度そういう説明をしようかと思っている。
コメント
はじめまして (めだか)
2007-12-04 09:18:28
私は夏に29週で出産しました。
子供は極低出生体重児でしたが、2ヶ月の入院を経て
今ではムチムチちゃんになってます。
設備の整った病院でなければ、母子ともに危険だった
と思います。
スーザン先生のように、身を粉にして働いておられる
先生方に助けて頂いて本当に感謝しています。
人間って言うのは、自分に火の粉が降りかからないと分からないものですけど、ちょっと想像したら、むやみに帝王切開を拒否出来ないんじゃないですかねぇ・・・。
寒くなってまいりました。
夜中のお産など、大変かと思います。
お風邪などめされませんように。
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